バブルボケシャボン玉ボケが出るオールドレンズまとめ トリプレット3群3枚
バブルボケシャボン玉ボケが出るオールドレンズまとめ トリプレット3群3枚
バブルボケシャボン玉ボケが出るオールドレンズ 3群3枚トリプレットとは
トリプレット(Triplet)はトリプル「3」の「トリ」。トリプレットは1983年にテーラーホブソン社のハロルド・デニス・
しかし中古市場価格は10万円前後と高騰している。さすがにバブルボケだけの為に10万円は出せない。しかし3枚玉の素朴な写りに興味はある。そこで、安い価格で購入可能な3群3枚構成のトリプレットオールドレンズはないか調べてみた。
ちなみに、トリプレットではなくてもバブルボケは発生する。特に戦後~Pentaconに吸収合併される前のMeyer-Optik Gorlitzのオールドレンズはバブルボケが発生しやすい。また、吸収合併された後のPentacon、Prakticarなどのオールドレンズもバブルボケが発生しやすい。
ただ、シャボン玉バブルボケの輪郭(エッジ)が鮮明で美しく周辺画像も流れずに美しい真円を保つオールドレンズは数少ない。そのNo1がTrioplan100mmf2.8である事実に変わりはない。
バブルボケシャボン玉ボケが出るオールドレンズ Meyer Optik Gorlitz Trioplan 100mm F2.8
つい最近まではダメイヤー、ゴミプランなどと揶揄され酷評されてきたMeyer Optikのオールドレンズ。トリオプランも写りは普通だが美しいシャボン玉ボケが発生する為、SNSを中心に人気沸騰して状態のいいものは10万円前後もする。
3枚玉の為内面反射が少ない為、抜けが良く素朴な写りが魅力だ。確かに美しいシャボン玉ボケは魅力だが、その為だけに10万円というのは中々勇気が必要だ。そこでトリプレットならシャボン玉ボケが発生するのではないかという噂が広まった。
結論から言うと、トリプレットなら必ずシャボン玉ボケが発生する訳ではないし、後日入手して試写して実感したが、やはり Trioplan 100mm f2.8 のバブルボケは別格で一番美しい。全然モノが違う。
- マウント:EXAKTA
- 中古相場:8~12万円
バブルボケシャボン玉ボケが出るオールドレンズ Meyer Optik Gorlitz Trioplan 50mm F2.9
1940年代~1960年代に製造された。「V」表記はシングルコートの意味。Trioplan 50mm F2.9のバブルボケは小ぶりで形は歪みいびつで輪郭も普通。バブルボケと呼べる程のものではない。
バブルボケシャボン玉ボケが出るオールドレンズ Meyer Optik Gorlitz Domiplan 50mm f2.8
通称ゴミプラン。あだ名で人をいじめるみたいな行為は好きではない。レンズ設計者は科学者、学者。「ゴミプラン」と呼ぶ人々より遥かに頭もよく歴史に名が残っている。写真を愛するならレンズ設計者に敬意を評してリスペクトするべきだと私は思う。気に入らないなら自分でレンズを設計して開発すればいい。最短撮影距離が0.75mと焦点距離50mmの割に長いため、バブルボケのスイートスポットのマクロ寄りの距離に僅かに届かない。
- マウント:EXAKTA
- 中古相場:8000円~14000円
バブルボケシャボン玉ボケが出るオールドレンズ VEB Pentacon PENTAFLEX Color 50mm F2.8
ペンタコンはCarl Zeissの傘下で「ペンタイズムを継承するコンタックス」という意味。戦後メイヤーを吸収合併している。PENTACON Color 50mm F2.8も3枚玉トリプレットで前身はメイヤーのドミプラン。人間は先入観で生きているのでカールツァイスと聞くとそれだけで良く写るのでは?と思ってしまうが中身はゴミプラン。バブルボケは割ときれいに出現する。
- マウント:エキザクタ、M42
- 中古相場:8000円~13000円
参考元:https://spiral-m42.blogspot.com/2016/02/veb-pentacon-pentaflex-colordomiplan.html
バブルボケシャボン玉ボケが出るオールドレンズ ISCO-GOTTINGEN EDIXA-ISCOTAR 50mm F2.8
ISCO-GOTTINGEN(イスコ・ゲッチンゲン)は旧西ドイツの光学メーカーで同じく旧西ドイツの老舗光学メーカーSchneider-Kreuznach(シュナイダー・クロイツナッハ)の100%出資による子会社として1936年にドイツで創業した会社。イスコ社は当時ドイツ軍の要請による政府の指示で第二次世界大戦中に空軍爆撃機に装備する高性能な爆撃照準器(光学式射爆照準機)や航空撮影器に使用する高性能なレンズを生産していた。戦後シュナイダーは高級レンズを生産し、イスコは廉価版レンズを生産していた。イスコはシュナイダー同様に近年まで現存し続けていたが経営難により2004年には倒産した。その後2014年に復活した親会社のSchneider-Kreuznachに再統合され現存している。鏡胴が金属製でゼブラ柄の前期モデルと黒鏡胴の後期モデルがあり、レンズ構成に変更もあるようだ。
- マウント:M42
- 中古相場:10000円~15000円
参考元:出品者のひとりごと…
バブルボケシャボン玉ボケが出るオールドレンズ Meritar 50mm F2.9
メリター 50mm F2.9はErnst Ludwig(エルンスト・ルードヴィッヒ)社製でエキザクタやエクサ用に供給されていた。エルンスト社が戦前に製造していたVictar(ビクター) 5cm F2.9の後継モデル。1950年代以降のレンズだが戦前の色合いや風合いを受け継いでいて、戦後トリプレットに見られるバブルボケは発生しにくい。中心部はそれなりにシャープで抜けも良くコントラストと色乗りも
- マウント:EXAKTA
- 最短撮影距離:0.8m
- 中古相場:10000円~25000円
バブルボケシャボン玉ボケが出るオールドレンズ Zeisse Ikon Triotar 8.5cm F4
最後の「R」を発音するか否かは毎度のこと英語でトリオター、ドイツ語でトリオタールで日本は第二次世界大戦で米国に戦争で負けて義務教育でも英語を習っているので英語読みでトリオター読みが普及している。トリオタールのコントラストと発色はかなり穏やか。
- マウント:旧コンタックスC
- 中古相場:黒鏡胴は8~14万円、シルバー鏡胴は3万円~
バブルボケシャボン玉ボケが出るオールドレンズ BRAUN-Color-Ultralit 50mm F2.8
- マウント:M39
- 中古価格:10000~15000円
バブルボケシャボン玉ボケが出るオールドレンズ Nocto TAMA PRICO 75mm f2.5 M42
Nocto Tama Prico 75mm f2.5はプロジェクターレンズのマウントを改造したノクトオリジナルのガレージレンズだ。プロジェクターレンズはヘリコイドが付いていない為、ヘリコイド付きマクロアダプターを装着してピントの調節が可能となっている。しかも、かなり寄れる。レンズ構成は3群3枚。
トリプレット以外でバブルボケが発生するMeyer製オールドレンズ
トリプレット以外で筆者が所有しているバブルボケが発生するオールドレンズはDomiron 50mm f2やPrimoplan 58mm f1.9、Pentacon 29mm f2.8、Practicar 50mm f2.4だが、やはりMeyer製のオールドレンズがバブルボケ発生率が高い。
しかし、何といってもバブルボケはMeyerのトリオプランがナンバーワンでオンリーワン。まぁ焦点距離も長いしね。ちなみに、トリオプランは高価で入手困難の場合、今回紹介したレンズでなどで、よりくっきりバブルボケの輪郭を強調したいなら、裏技としてAPS-Cモードなどでクロップして撮影するといい。
バブルボケシャボン玉ボケが発生するオールドレンズの体験談まとめ
バブルボケ、シャボン玉ボケは被写体だけでなくボケをアートとして昇華して表現する手段の1つに過ぎない。バブルボケを出したからといって、その作品がアートとして成立するかは別問題だ。
しかし、トリオプランのようにここまで美しいバブルボケが発生すると、使い方によっては唯一無二の作品が撮れる。富岡光学製オールドレンズの美しい虹ゴーストも然り。
ただ、なまじ美しいバブルボケや虹ゴーストが発生するレンズで撮影していると、どうしてもその特殊なボケが脳裏に焼き付き、用途が限定されてしまう恐れがある。
これは、筆者が体験したことであり、持ち出してみるとわかる。なので、状況をあまり選ばない滲み玉などがとっさのスナップでも威力を発揮しやすいのでクセ玉として使いやすいと思う。
話をトリプレットに戻す。
トリプレットは安くてガラス3枚ノンコートだから古臭い、よくない。などと決めつけずに、素朴な写りを楽しみながら、かつての時代にタイムトリップした気持ちになってレンズ設計者に敬意を評しながら写真を楽しむと、自然といい写真が撮れるだろう。
中望遠レンズは出番があまり多くないので、Trioplan100/2.8とまではいかないが、先程紹介したバブルボケが発生するMeyer製のオールドレンズを選択するのもいいだろう。
今回は以上。本日も素敵なオールドレンズライフをお過ごしください。