Leitz Summitar 50mm f2 Review作例ブログ ライカ銘玉ズミタール5cm 神オールドレンズ
Leitz Summitar 50mm f2 Review作例ブログ ライカ銘玉ズミタール5cm 神オールドレンズ
オールドレンズフェス2025春の会場内レモン社でLeica M-Monochrom typ246にて試写して気に入って即購入してしまったのでレビューする。製造開始から69本目1939年最初期ロットなのに美しいブルーコーティングが施されている。山崎磨きか?軍事用か?もしかしたらものすごいレア玉なのかもしれない。と思い会場でポチってしまった。
Summitar 50mm f2 ズミタール スペック
- 製造年:1939~1955年
- シリアルナンバー:488000~1236000
- 製造本数:170761本
- レンズ構成:4群7枚ダブルガウス型
- 画角:45度最短撮影距離:1m
- 鏡胴:真鍮製 沈胴式
- フィルター径:前期と後期で違うようだ
- フード:SOOPD
- 重量:実測206g
Summitar 50mm f2 ズミタール フード フィルター
前期と後期で装着できるフィルターは違うようだ。フードはSOOPDが装着できるらしい。
Summitar 50mm f2 ズミタール中古相場
ズミタールは6年間で17万本も製造されたライカの大ヒット5cm f2レンズだが、製造本数が多く、ズマールとズミクロンの陰に隠れがちなので中古相場は安いと4万円台から入手可能で非常にコストパフォーマンスに優れた銘玉だ。
Summitar 50mm f2 ズミタール 前期後期
前期と後期の違いを以下に列挙するが、全て同時に行われたものではない。入り混じった様々なバージョンが存在すると思われる。
絞り値は前期はシリアル611000までf2-f2.2-f3.2-f4.5-f6.3-f9-f12.5でそれ以降の後期はf2-f2.8-f4.5-f6-f8-f11-f16。
戦前の前期はノンコート。後期1945年からコーティングが施されたが、戦前Leitz社は受注でコーティングのサービスを提供していたようだ。
絞り羽根について、最初期の本個体は10枚~12枚に見える。円形絞り。その後は6枚6角形絞り。
1953年に初代Summicoronが登場する前の1951年にプロトタイプが試作された。プロトタイプはSummitarの鏡胴を使いレンズ名もSummitarのままだった。レンズ構成は前玉分割していたものを空気レンズに置き換え、さらに最後群の後玉を分割した。レンズは希土類元素を含有した新種のクラウンランタンガラスを使用した。最小絞り値はf22。プロトタイプは全て回収されたがごく少数本、民生で存在しているかもしれない。
Summitar 50mm f2 ズミタール 描写の特徴
ズミタールの描写の特徴は、虹ゴーストやフレアーが発生し、ボケも独特でクセ玉感満載で中央部の解像力は高く高性能。ライカの銘玉が5万円前後で入手できるので、コスパを重視するなら神オールドレンズと言っても過言ではない。
ズミタールはズマールやズミクロンと比べて決して性能が劣っている訳ではないし、むしろクセ玉感と高描写が同居するライカの銘玉オールドレンズだ。これは間違いない。今はまだ安価なので狙い目。
Summitar 50mm f2とは ライカ5cm銘玉 ズマール ズミタール ズミクロン 違い
ライカ初の50mm f2でライカ初のダブルガウス型を採用した6枚構成のSummar(ズマール)。しかし前玉が非常に柔らかく拭くだけで傷がついてしまいふんわりした描写になってしまう欠点があった。しかし、ライカで50mmはSummarしか選択肢がなかった為、発売開始から1年間以上バックオーダーされ続けて人気が高かった。1933~1940年の12年間で122860本も製造された。
Summar 50mm f2 レンズ構成
次に、最前群の前玉を貼り合わせにして7枚構成に改良したSummitar(ズミタール)が1939年に登場した。しかし、その年に第二次世界に突入してしまい、安定した品質の個体は戦後しばらく経ってから。1939~1955年まで170761本も製造された。戦後、物資不足や人材不足に悩まされたライカの品質が安定してきたのは1948年以降。大戦の後半1943~1945年はほとんど製造されていない。
Summitar 50mm f2 レンズ構成
その改良版Summicron(ズミクロン)の改良点は、最前群と2群の貼り合わせを共に分割して共に空気レンズに置き換え、最後玉も接着せずに空気間隔を設けた。新種の希土類元素のランタンクラウンとランタンクラウンガラスを採用した為、このような芸当ができた。
Summicron 50mm f2 レンズ構成
が、個人的にはズミタールのレンズ構成がセクシーで魅力的に見える。結局新種のガラス頼みであとはコスト削減。正直沈胴ズミクロンは解像力を求めすぎて逆光に弱すぎてズマールよりも使いづらいと感じた。
Summitar 50mm f2 ズミタール オールドレンズ外観
シリアルナンバー488096で1938年製。製造開始から96本目で初期ロットの最前期モデルと思われる。製造は戦前だがブルーコーティングが施されていてレンズの状態も非常にいいので山崎磨きされた個体かもしれない。もしくは軍事用?
初代ズミクロン50mmの直前のご先祖様。ズミクロンのプロトタイプはSummitr銘で発売直前に市場にインパクトを与える為、レンズ名をSummicronに変更して発表された。伝説はすでにズミタールから始まっていた。1939年から1955年の16年間で17万本以上売り上げた大ヒットロングセラーのライカ50mm標準レンズ。しかも1940~1945年の5年間は第二次世界大戦中で終盤3年間はほぼ製造できなかったし戦後直後も製造数は少なかったので実質11~12年間位で17万本を売り上げたことになる。製造本数が多いから中古価格が安価なのであって性能が劣っている訳ではない。
Summitar 50mm f2 ズミタール 作例
オールドレンズフェス2025春の会場内レモン社でLeica M-Monochrom typ246にて試写。すでに懐かしいな。もう展示しないけど。気楽にフェスに参加したい。上野さんと河原井さん。
屋内でも電球光によるフレアーがエモい。フレアーの出方がいい。使えるフレアーと使えないフレアーがありまして。
この個体は非常に使える芸術的なフレアーだった。試写で焦点工房の下坂元さんがメッチャかっこよく撮れた。もちろん使用許諾は頂いております。
で、買っちゃった。レンズ沼やめたのに。でもな、一回は試してみたかったんだズミタール。しかも山崎磨き(多分)でレンズの状態よくてズミタールの製造96本目の初期ロット1938年製。
近所の公園でいつもの初試写。狂おしい狂暴なボケ。ライカのクセ玉。
そしてtyp246がエグい。ライカ初のモノクローム専用機のtyp240がCCDで、M9をベースにCMOS積んでモノクロ専用機として改良したのがtyp246。重いけどな。両手首をすぐに痛めたけどな。ここ2年間くらい怠けて堕落した生活送って体がなまってたから全部俺のせいだから大丈夫。6kg太ったし鍛え始めた。2週間で3kg痩せた。脂肪落した分は筋肉を増やすぜ。
マジでtyp246エグい。動画撮れなくていいからあと100g軽くしてほしかった。
…。はい騙された人、手を挙げて。これSony 初代α7でした。本気で間違えた。当日Sonyマジですごいなと思ったことを思い出した。世界初フルサイズCMOSがILCE-7。マジで神。でも結局言いたいことはブレてなくてオールドレンズをデジタルで撮るなら最後期のCCDか最初期のCMOSがマスト。不自由さあるけど。Leica typ246が2015年5月発売、Sony ILCE-7が2013年11月発売。1年半の違い。typ246のセンサーはSony製でしょ絶対。
往年のライカの味わいとよさが最近少しわかるようになってきた。オールドレンズ130本以上試してようやく。
すんごいいい(語彙力)
寄る。
ボケが油絵(絵画)のよう。やっぱズミタールいい写りするわ。ライカの銘玉50mm f2が5万円前後ですぜ。買うなら今でしょ。で、買ったとさ。よかったよ。
Leica M Monochrom typ246 + Leitz Summitar 50mm f2 LTM Blue Coated
激渋。
激渋。トーンがやばい。
バイバイ。
まとめ
初期ロットのSummitarを山崎磨きするとは相当渋い趣味だな。それを渋いと思って衝動買いする私って一体…。光学の状態は相当綺麗だし動作も快調で満足。Summitarのフロントキャップは径が特殊だが自宅にあった非純正のレンズキャップが少し緩いがハマったし。ライカLは好きでLeitz社のLは7本所有。Leitz社のMは3本。あとは50mmのSummicronの初代と2nd、35mmは6枚玉と7枚玉を試したいが、そんなに何本もあっても使わないからとりあえず今ある銘玉オールドレンズで人生ゆっくり楽しみます。
今回は以上。本日も素敵なオールドレンズライフをお過ごしください。