Leica VISO Elmar 65mm f3.5 Makro Review作例 ビゾフレックス金字塔ライカ最高峰銘玉
Leica VISO Elmar 65mm f3.5 makroはビゾフレックスの金字塔、ライカ最高峰とも言われる銘玉だ。今回はそんなビゾエルマー65/3.5マクロで撮影したjpeg撮って出しの作例画像25枚を紹介して写りの特徴やレンズの大きさや重量、デザインなどの外観のレビューも合わせて行う。レンズ構成は3群4枚のTessar(Elmar)型。
Leica VISO Elmar 65mm f3.5 makroの外観レビュー
撮影機材はカメラがSony α7Cでレンズはライカ Summar(ズマール) 50mm f2。これはエクステンションチューブを装着した状態。
実はレンズは先っぽのシルバー部分だけ。2段目の黒い鏡胴はエクステンションチューブでハーフマクロを等倍で撮影する為のチューブだ。その次の3段目のシルバー鏡胴はヘリコイド。そしてカメラボディ側の黒い部分がフランジバックを調節するいわゆる「アダプター」だ。そう、ビゾ用のオールドレンズをミラーレスカメラで使用するには結構面倒なのだ。
正面から。
メモ:Contax G望遠用の純正メタルフードが装着できる。41-43mmと43-46mmのステップアップリングか、41-46mmステップアップリングを装着。
前期のシルバー鏡胴と後期の黒鏡胴で写りが違う
前期のシルバー鏡胴の個体より後期の黒鏡胴の個体の方がマルチコーティングが施されていてよく写るようだが、筆者が所有しているシルバー鏡胴の個体はパープルのマルチコートが施されているように見えるし、写りもかなり現代的だ。個体差によるのか?情報求む。わかる方いたら教えてください。
マクロレンズでF3.5は暗い?
マクロレンズでF3.5は暗いと思う方もいると思うのでその件について簡単に解説する。マクロレンズはマクロ域で最大限の性能が発揮されるように設計されている。f3.5を暗いと思う方もいると思うが、実際にマクロ域で撮影する場合ちょうどいい。f1.8など明るいマクロ域のマクロレンズもあるが、標準域以上の焦点距離のハーフマクロや等倍のマクロレンズでf1.8で寄ってもピント面が薄すぎて何が写っているかわからず結局少し絞る場合も多い。筆者はマクロレンズやマクロに強いレンズを複数本所有しているが、それぞれ味があって気に入っている。別に明るいマクロレンズが間違っている訳ではないしF2より明るいハイスピードレンズでマクロ域で撮影すると幻想的で大きなボケが表現できるのでそれはそれで気に入っている。本レンズはf3.5と無理のない設計の為、開放からシャープな描写を見せる。というかそもそも本レンズのレンズ構成は3群4枚のTessar(Elmar)型なのでそこまで明るさを求めたレンズ構成ではない。
ライカ ビゾエルマー 65mm f3.5 マクロの作例画像
撮影機材のカメラはSony α7Ⅳ。jpeg撮って出し。ハーフマクロだがマクロ域撮影で背景はトロトロにボケる。キバナコスモス。
少し引いてみる。65mmという焦点距離と倍率は1/2のハーフマクロ、開放値f3.5というスペックでボケはこんな感じ。結構とろける。
フレア発生。蛇腹組み込みなので内面反射しにくい設計だが、アダプターを噛ませている為フレアーが発生する。この時はKIPONのアダプターを装着していたが、1ランク下の精度のPixco(バシュポ)のアダプターを装着した方がフレアーは発生しにくかった。現在はRayqual(レイクォール)のLM変換アダプターを装着して同じくRayqualのヘリコイド付きアダプターを装着している。
この安定感。発色もいい。ただ、戦後ライカは自国のドイツではなく戦勝国アメリカの統治下のカナダでレンズは生産されていた時期があり、このレンズもカナダライツだ。カメラレンズと戦争は隣り合わせ。悲しいかな、軍用はよく写るのだ。しかし、私はカメラとレンズは戦争に使わずアートで自分の感性を表現する為の相棒レンズとして使う。
モノクロもエグい。諧調が豊富なのでモノクロでも素晴らしい表現力だ。戦後、偵察用というだけではなくマクロ域でカメラマンの為に設計したレンズなので軍用レンズとはまた違った味がある。実はvisoエルマーはライカ最高峰の呼び声は未だに高い。
小さなあさがお。
川で泳ぐ錦鯉。
この臨場感、雰囲気に圧倒される。別次元。
こちらは明るめの雰囲気。一般ウケはこちらの方が高そうだが、筆者は個人的に上の怪しい雰囲気の作例の方が好み。
たかが花、されど花。花をマクロ域でどう表現するのか、永遠のテーマ。このような何の工夫もない撮り方はレンズの素性を探っているのと、色んな撮り方を試して模索しているからだ。
そしてこのような画に巡り合う。いかつい。エモいと呼べるか不明。グロエモい。
コスモス。たまには引きで撮って見る。寄った方がボケが大きくなるから面白いのだ。
もっと引いてみる。
そして寄る。寄ると別次元。フレアをうまく使った作例。咲き掛けのコスモスの横顔を捉えた。かわいいでしかない。
花びらを広げて太陽光をいっぱいに浴びておしべとめしべをむき出しにして子孫繁栄を願う1つの生命体。植物も動物と同じ生命だからむしり取ってはいけない。食べる目的以外の無駄な殺生はしてはいけない。
花は生きている。
やはり筆者はこういう雰囲気の写真が好きだ。グロエモい。
こちらは明るい雰囲気で玉ボケを配置してみた。
そして寄る。
さらに寄る。虫さんが見えた。
グロエモい。
もうすぐ咲く蕾。
遠くに見えるのは富士山。前ボケにコスモス。
クリエイティブルックを変えて撮影。
仲良くじゃれ合う鳩さん。平和を願う。
今回の作例は以上。
まとめ
Leica Visoflex Elmar 65mm f3.5で撮影した感想をまとめると、やはりマクロ域で被写体に寄ってこそ能力が最大限に活きるという当たり前のことと、筆者個人の感想として、少し暗めで撮影すると時として異様な妖気が漂う不思議な写真が撮れる。
ま諧調が豊富なのでモノクロが非常にハマる。派手さは少ないが、一通りオールドレンズを遊びつくした後の紳士淑女の大人の嗜みのような味わいがあるオールドレンズだと感じた。
今回のレビューは以上。本日も素敵なオールドレンズライフをお過ごしください。