Meyer Optik Gorlitz Domiron 50mm f2 Review作例 銘玉クセ玉神オールドレンズ
Meyer Optik Gorlitz Domiron 50mm f2 Review作例 銘玉クセ玉神オールドレンズ Monster bokeh。
Domiron 50mm f2 EXAKTA オールドレンズとは
メイヤー(マイヤー)社初のダブルガウス型レンズ構成を採用した標準域レンズ。ボケが特徴的で鏡胴は50mm f2の割にやや大きめだが最短撮影距離0.34mと寄れてマクロレンズ級の機動力を発揮する。
当時はマクロレンズという概念もジャンルもマクロレンズという言葉もなかった時代にDomironは誕生した。もしDomironがマクロレンズとして発表されていたら、今とは違う歴史になっていたかもしれない。50mm f2というスペックの割に鏡胴が大きめで300gという重量はマクロ撮影機能を備えたレンズだからである。
Meyer Optik GorlitzのDomironはPrimoplan 58mm f1.9とOreston 50mm f1.8の間に製造されたレンズ。Orestonは途中から品質が劣化した。そしてCarl Zeiss傘下のPentaconに吸収合併されてOrestonはPentacon銘になった。Orestonの写りは好きだが、Meyerが最後に輝きを放ったダブルガウス構成のレンズはDomironであると言える。
Domiron 50mm f2 EXAKTA オールドレンズのレンズ設計者は誰か
DomironはPrimoplanの後に設計された標準域レンズでMeyer初のダブルガウス型レンズ。では、ドミロンの設計者は誰か。M42 Mount Spiralでは1960年代にPrakticar 50mm F2.4を設計したWolfgang GrögerやWolfgang Heckingか、Otto Wilhelm LohbergやHubert Ulbrichではないかと推測しているが真相は不明。
Meyer Optik Gorlitz Domiron 50mm f2 EXAKTA オールドレンズ外観Review
撮影機材カメラはSony α7C、撮影機材レンズはCanada Leitz Visoflex Elmar 65mm f3.5。画像のカメラボディはSony α7Ⅳ。
Domironは当時のMeyerのf2にしては鏡胴が大きい。Primoplan50mm f1.9は大きさも重量もDomironの半分くらい。多分、Domironはマクロに本気で特化して小型軽量化の概念を捨てて設計されたのだろうと推測する。
アダプターはK&F ConceptoのEXA-L/Mと焦点工房のL/M-S.E(Sony Eマウント)ヘリコイド付マクロアダプターを2段で装着している。無事、正常に無限遠で撮影できた。
歴史を潜り抜けてきた「Meyer - Optik Görlitz」の刻印が感慨深い。
この紅白の点はマニュアル絞りと自動絞りの切り替えに使用する。カメラボディ側レンズ下方にシルバーのピンの使い方は不明。絞りの調整に使うと思われるが羽根の絞り方も不明。
歴史を感じさせる。レンズは金属製の鏡胴の重みとレンズの塊の重みがズシリとしている。高級感、重厚感がある。
レンズの前面はマクロ撮影に特化したすり鉢形状。
レンズ正面から撮影。
レンズはシングルコート。光学の状態は前玉の周辺に近い箇所に目立つキズか汚れがある。レンズ内側なら汚れの可能性もあるが、レンズの外側ならキズかカビの可能性が高い。クリーニングリキッドで清掃したが取り除くことはできなかった。レンズ内に塵の混入はあるが、クモリやバルサム切れなどは見受けられなく概ね良好な状態。
Meyer Optik Gorlitz Domiron 50mm f2のスペック概要
Meyer Optik Gorlitz Domiron 50mm f2のスペック概要
- 35mmレフレックスカメラ EXAKTA Varex 及びEXA用レンズ
- 六角形、4群6枚変形ダブルガウス型 アナスティグマット対称デザイン
- アンチグレア色の正確な画像の再現
- 全自動圧力アパーチャーを備えたフォーカシングマウント、全てのアパーチャー設定で開く
- 通常の絞り操作と逆の切り替え可能
- ケーブルリリース接続付きの新しいリリースロッカー
- 微細な構造でマクロ撮影に最適
- 被写体とレンズの間が最大24cmの延長リングなしの接写が可能
- 無限遠の間の小さな回転範囲のおかげで素早い距離の調節が可能
- 絞り値:開放 F2~最小 F22
- 焦点距離:50mm
- 画角:47度
- 最短撮影距離:フィルム面まで0.34m
- スリップオン直径:57mm
- フィルター径:55mm
- ねじ山:M55×0.75
- 重さ:約310g(実測値303g)
参考文献:M42 Spiral
Meyer Optik Goriltz Domiron 50mm f2 エモい写真作例画像23枚 jpeg撮って出し
いつも通りレンズの素性を探る為、基本jpeg撮って出し。撮影機材のカメラはSony α7Ⅳで被写体は自然、公園の木々の紅葉、草花、落ち葉、植物がメイン。噂通りMonster bokeh old lensだった。
紅葉した木の赤いもみじの葉にピントを合わせた。立体感あり、グルグルボケ発生、光源まで距離がある為、玉ボケは大きくきれいな真円ではない。
色とりどりの紅葉が美しい。葉の色づきが緑から赤へ変わっていく途中のグラデーションが美しい。シャドウが潰れる条件下だがシャドウは粘っている様子が伺える。
紅葉シーズンはボケがカラフルで楽しい。
この様にシックな色合いも目に優しく落ち着く。落ち葉が大地の栄養分となり循環する。
今度は地面に近づいて紅葉を狙ってみた。朝露の水滴や葉へ降り注ぎ反射する太陽光が光源となり玉ボケとなる。
風が強くて被写体の草花が大きく揺れ動きジャスピンになりにくい。それでいい。動きが出るし時に幻想的に写る。それでも中央部の解像力はさすが。接写時のいびつな怪しいボケが特徴的。
ヘリコイドアダプターなしでもかなり寄れる。等倍率のデータがないが1/3くらいかな?逆光時に花の繊維まで解像する。
風で揺れていた、誰も見向きもしない草花。周囲から見たらそんな草花にかじりついて撮影してる私は変人に見えるだろう。美しいシャワーゴースト。
いびつなバブルボケ(シャボン玉ボケ)が乱れ飛ぶ。目に見えるより写真にした方が美しい場合もある。私がカメラを取り扱う時の感覚はキャンバスに筆で塗りたくる絵画に近い。
虹ゴーストも発生。誰も見向きもしない大地に落ちた1枚の落ち葉。地面には森林が広がっている。大地は地球そのものの姿。
Domironで撮影したマクロ域の写真はまるで遊園地のようだ。
紅葉していない緑の葉にピントを合わせる。黄色に紅葉した葉が前ボケとなり朝日で滲む。なんとも幻想的。
特に工夫のない構図で花を接写。Domironは雰囲気が柔らかい。
早朝の誰もいないグラウンドをフェンス越しに見つめる。
最近ようやく気付いたことがある。
ようやく出会えた。この瞬間、この出会いを大切にしようと誓った。
自分が生きた証を残そう。自分が何の為にこの世に生を受けたのか、答えなんてなくていい。必死に命を紡ぐ、ただそれだけ。
大地に伸びる木の影。人々が歩いて道ができる。そこに落ちている落ち葉にピントを合わせる。意味はない。目に留まっただけ。
ふと見上げるとそこには素敵な世界が広がっていた。世界が醜く見えたのは、自分の心が醜かったのかもしれない。
醜い部分だけ見ればどんなものでも醜く見える。素敵なところを見ればどんなものでも素敵に見える。
自分の素敵なところを見つけて表現し、他人の素敵なところを褒めてみよう。
そこには、きっと素敵な世界が広がっているよ。
Meyer Optik Grlitz Domiron 50mm f2 EXAKTA 初試写した感想写りの特徴レビュー
やはり1960年代初期頃までのMeyer Optik Gorlitzのレンズは独特なクセがあり芸術的な素晴らしい描写をする。ドミロン50/2の写りの特徴は、ピント面はシャープでボケがf2の割に大きい、ヘリコイドアダプターなしでもかなり寄れて便利、マクロ域の解像力は高い、地味な発色もカラフルな発色も両方表現として使える。
美しい真円に近いシャボン玉ボケ(バブルボケ)を出す方法は、ヘリコイド付きアダプターを使用して本来設計された範疇を超えて寄るのではなく、本来のレンズの性能である領域で撮影した方が真円に近い美しいバブルボケが撮れる。滲みやグルグルボケが発生する。
戦後のMeyerならではの崩壊するボケが秀逸。
Meyer Optik Grlitz Domiron 50mm f2 EXAKTA 2度目の試写
シャボン玉バブルボケとまでいかないが、ここまで寄っても玉ボケの輪郭がこれだけはっきりしているのは驚きだ。
やはりDomironは素晴らしい。
マクロ側のピント面は激薄だ。
Domironは非常に幻想的な描写なので作品づくりに適している。
続いて少し距離を取って撮影。開放時ピント面の滲みがいい。
花を撮ってもガウスならではの繊細さが光る。
滲みがいい。
グルグルボケ発生。ガウス様々。
撮影していたら鳩さんが近づいてきた。
虹ゴースト発生。逆光ではコントラストが顕著に低下するので少し加工。
続いてLightroom(ライトルーム)で現代風にコッテリ加工した作例。じゃじゃ馬なボケ感最高。繊細さとオシャレさとワイルドさが入り混じり異次元ワンダーランド。
虹ゴーストや玉ボケに花の影を写し込ませたり。レタッチするとコテコテしてしまうな。SNSウケはいいかもしれないが長時間見ていられない。皆スマホの小さい画面で見るからなぁ。
ドミロンはすごい。ちなみにトリミングはしていない。
あぁ、困った。
Meyer Optik Grlitz Domiron 50mm f2 EXAKTA 2度目試写感想レビュー
- 逆光でコントラストがかなり低下
- 虹ゴーストが美しい
- バブルボケに近い美しいシャボン玉ボケ出現
- Trioplanと描写が似ている部分がある
- ピント面激薄
- 合掌部は非常にシャープで繊細
- メイヤー初のダブルガウスということもありかなりのじゃじゃ馬っぷり
- グルグルボケ
- 本来の性能を超えない範囲のボケは美しい
- ヘリコイド付きマクロアダプターでマクロ端を超えるとボケが崩壊する
- クセ玉が過ぎる為上級者向け
まとめ
Domironは個性爆発した幻想的でエモい収差が芸術的に表現された描写で大好きだ。収差を芸術に昇華しているMeyerに敬意を表する。Primoplan 58mm f1.9 EXAKTAも然り。Domironの後継Oreston 50mm f1.8 M42 前期もコストダウンされたが小型軽量だし描写も全然悪くない。しかも安価。ちなみにオレストン前期とオレストン後期は写りが違う。
今回のレビューは以上だ。本日も素敵なオールドレンズライフをお過ごしください。