Leica35mm広角おすすめ神オールドレンズ7選レビュー作例54枚 スペック写りの特徴,レンズ構成を徹底比較ライカ銘玉

Leicaライカ35mm広角神オールドレンズおすすめ5選 作例や写りの特徴や中古価格や違いを徹底比較 Leitz銘玉

Leica35mm広角おすすめ神オールドレンズ7選レビュー作例54枚 スペックや写りの特徴,レンズ構成を徹底比較 ライカ銘玉

Leica35mm広角おすすめ神オールドレンズ7選レビュー 作例54枚写りの特徴や中古価格,レンズ構成を徹底比較 ライカ銘玉。筆者が試写してレビューした下記レンズ5本+2本=計7本。

作例はSony αCⅡとα7Ⅳでレンズの特性がわかりやすいようにjpeg撮って出し。購入時はレンズを直接見て触って最終的には自分の直観とインスピレーションで選ぶことが重要だ。

ライカ50mm銘玉オールドレンズ7本のレビュー作例156枚はこちら

Leica Elmar 35mm f3.5 L39 ライカおすすめ広角オールドレンズ

Elmar 35mm f3.5 L39 レンズ外観

110gと超小型軽量パンケーキ。レンズキャップのごとし。ちなみにガラスはZeissのショット製、通称イエナガラスを使用。Zeissは当時も今も半分国営。家族経営の有限会社だったLeitzとは規模が違う。どちらも元々顕微鏡メーカー。そして今も顕微鏡を作っている。

Leitz Elmar 35mm f3.5 L39 オールドレンズ外観

真鍮製で作りも精巧。たまんないのよライカLマウントのオールドレンズはマジで。絞り羽根の操作性?少しやりづらくてかわいいじゃないか。

Leitz Elmar 35mm f3.5 L39 オールドレンズ外観

Leica Elmar 35mm f3.5 L39のレンズ構成図

3群4枚Tessar型。前玉は右。Elmar50mmは絞り羽根が後玉側にあるが35mmは前玉側にある。テッサー型だね。特許侵害にならなかったのかな?

Elmar35mmf3.5optics

Elmar 50mm f3.5のレンズ構成図

Elmar50mmf3.5optics

Elmar 50mmはZeiss Tessarとは絞り羽根の位置が違うのでElmar型だという意見もあるが、35mmはまんまTessarなんだけど大丈夫か?ちなみに50mmのElmax、その前のLeitz Anastigmatは貼り合わせた5枚だったので別物のレンズ構成。分割してElmarになったとはいえ、ベレク教授はZeissのTessarを元に特許侵害を回避してAnastigmatを設計したことは間違いないだろう。

Elmax50mmf3.5optics

もう一度Elmar35mm

Elmar35mmf3.5optics

Leica Elmar 35mm f3.5 L39の特徴レビュー

1930-1950年にかけて製造され、重量は実測値110gと小型軽量でスナップに最適。最短撮影距離1m。なんと言ってもHektor28mmと並びライツで一番小ぶりなオールドレンズ。持ち運びしやすく邪魔にならない為今でも人気が高い。筆者も本レンズは持ち出し率No1だ。

戦前のオールドレンズなので設計の古さによる結像の甘さは露呈するが諧調の出方がいい。絞れば程々にコントラストが付いて周辺部の結像もある程度改善する。全体的に柔らかく優しい描写なのでエルマー35の良さを引き出せる中上級者は非常に面白い選択肢になるだろう。個体差はあるがグルグルボケや虹ゴースト、バブルボケも発生する。

製造本数は42503本と少ない為、中古価格は10万円台とスペックの割にやや高め。これを高いと判断するか安いと判断するか。操作性もよく小ぶりで小型軽量の為、撮影スタイルがスナップのフォトグラファーにはライカ35mmオールドレンズでは第一候補の選択肢になるだろう。

Leica Elmar 35mm f3.5 L39の作例

コメント書くとダサくなる程にかっこいい。

Leitz Elmar 35mm f3.5 作例 ライカ オールドレンズ Lマウント

あぁ、やっぱり35エルマーの描写大好きかも。写り過ぎないところがたまらん。レタッチ不要。

Leitz Elmar 35mm f3.5 作例 ライカ オールドレンズ Lマウント

撮影スタイルや相性にもよると思うがやっぱイケてる。使いやすい。

シャワーゴーストとフレアーと玉ボケでオールドレンズ味全開。ヘリコイド付きマクロアダプター装着するとレンジファインダーのオールドレンズでも寄って遊べる。

Leitz Elmar 35mm f3.5 作例 ライカ オールドレンズ Lマウント

虹ゴーストも発生。

Leitz Elmar 35mm f3.5 作例 ライカ オールドレンズ Lマウント

グルグルの兆候あり。環境によってさらにわかりやすいグルグルボケが発生。

Leitz Elmar 35mm f3.5 作例 ライカ オールドレンズ Lマウント

この嫌味のないクリーミーな優しくも柔らかい質感。

Leitz Elmar 35mm f3.5 作例 ライカ オールドレンズ Lマウント

水墨画。戦前のたった4枚のガラスで作られた110gのレンズ。当時の偉人たちに感謝。

Leitz Elmar 35mm f3.5 作例 ライカ オールドレンズ Lマウント

Ernst Leitz家とWetzlaに生まれWetzlarで働きWetzlarに眠っていった従業員や家族を想いながら撮ることが多い。形見みたいなもの。

Leitz Elmar 35mm f3.5 作例 ライカ オールドレンズ Lマウント

作例の写りの特徴の解説やレンズ構成やスペックなど詳しいレビューはこちら→Leitz Elmar 35mm f3.5 L39

Leica Summaron 35mm f3.5 L39 前期型 ライカおすすめ広角オールドレンズ

Leica Summaron 35mm f3.5 L39 前期型のレンズ外観

サンハンズマロンはLマウントとMマウントが存在する。8枚玉と同時にズマロンf2.8が発表された後もサンハンズマロンは製造されていたので、その実力と人気の高さが伺える。真鍮製で重量は145g。

Leitz Summaron 35mm f3.5 L39 オールドレンズ外観

レンズの作りは素材が軽合金になった8枚玉やニハチズマロンより精巧。真鍮は銅と亜鉛の合金で密教法具や仏具などにも使用される。この個体も5本程撮り比べして決めた。

Leitz Summaron 35mm f3.5 L39 オールドレンズ外観

Leica Summaron 35mm f3.5のレンズ構成図

4群6枚ダブルガウス型。Zeissの元祖Planarの完全対称型に近い古典的ダブルガウスで脳汁ブシャー。好きなんだ古典設計。

Summaron 35mm f3.5のレンズ構成図 ライカオールドレンズ

もう一度Elmar35mm。全然違うよ当然。ガウスとテッサーだからね。

Elmar35mmf3.5optics

戦後初めて設計した新広角レンズSummaronの意気込み。これに賭ける!という意気込み。サンハンズマロンすごいぜ。

Leica Summaron 35mm f3.5 L39 前期型のレビュー

通称サンハンズマロンは35エルマーに代わる存在で、戦後初めてLeitzが設計したレンズで1946-1960年にかけて製造された。f2.8ズマロンが登場した後も並行して製造されていた為、その人気ぶりが伺える。戦後直後の物資不足や人員不足の影響があり個体差が非常に大きいが、1950年代に入ってからは品質も安定していて、まさに黄金時代Leitzの銘玉広角オールドレンズと言える。

最短撮影距離1m。重量は実測値145gと小型軽量で前期と後期で外観が違う。筆者が所有している前期型は鏡胴のくびれがセクシーでデザイン性が高く絞り羽根の操作感と操作音はさながら高級時計のようだ。8枚玉より精巧な作りでf2.8ズマロンが登場してからも生産されていたことからもその人気ぶりが伺える。

ただ、気になる点もある。絞り羽根を動かすとピントリングも一緒に回ってしまうので一旦無限遠ロックしてから絞り羽根を操作する必要がある。これは誤操作で絞りが勝手に変更されないように敢えて工夫したものと推測される。

描写もソツがなく作りの精巧さは8枚玉より上で35mmの中では実は一番精巧で贅沢な作り。外観は筆者が一番好きな35mmだ。L39が8万本、Mマウント4万本と製造本数が多い為、中古価格は7~8万円前後と比較的安価で入手可能。

製造本数が多いということは当時人気が高くロングセラーだったという証だ。コストパフォーマンスが非常に高い、まさに狙い目のライカの神広角オールドレンズと言えるだろう。写りがよく安価で贅沢な作りなので個人的にマジで一押し。

古くからのライカフリークの間でも人気があり現在でもマニアの間では評価が高い実力派レンズ、それがサンハンズマロンだ。

Leica Summaron 35mm f3.5 L39 前期型の作例

円環虹ゴースト複数同時発射。個体差あり。

Leitz Summaron 35mm f3.5 作例 ライカLマウントオールドレンズ

カラーの発色が濃厚。赤も強い。Kodakかよ。ライカのオールドレンズは本来の性能を超えた最短撮影距離でも凄まじい描写力を発揮する。とはいえガラスはZeissのショット製Jenaガラスだけどね。

Leitz Summaron 35mm f3.5 作例 ライカLマウントオールドレンズ

周辺の結像甘くて周辺減光あり。開放でちょっと引くと時代相応のレンズだと再認識。これも味。1段絞るとよくなる。あとこれは7Cなので画像処理エンジンが違う。

Leitz Summaron 35mm f3.5 作例 ライカLマウントオールドレンズ

逆光はフレアー発生。周辺減光がエモい。

Leitz Summaron 35mm f3.5 作例 ライカLマウントオールドレンズ

やはりモノクロで本領発揮。諧調の連なりがイケメン。

Leitz Summaron 35mm f3.5 作例 ライカLマウントオールドレンズ

やはりモノクロよき。

Leitz Summaron 35mm f3.5 作例 ライカLマウントオールドレンズ

こんにちは。近所の作家さん。

Leitz Summaron 35mm f3.5 作例 ライカLマウントオールドレンズ

城のような和菓子屋さん。こんにちは。草餅ひとつください。

Leitz Summaron 35mm f3.5 作例 ライカLマウントオールドレンズ

好きな写真。

Leitz Summaron 35mm f3.5 作例 ライカLマウントオールドレンズ

よく空を見上げる。たまに山に行きたくなる。

Leitz Summaron 35mm f3.5 作例 ライカLマウントオールドレンズ

日常。

Leitz Summaron 35mm f3.5 作例 ライカLマウントオールドレンズ

作例の写りの特徴の解説やレンズ構成やスペックなど詳しいレビューはこちら→Leitz Summaron 35mm f3.5 L39

Leica Summaron 35mm f2.8 Mマウント ライカおすすめ広角オールドレンズ

Leica Summaron 35mm f2.8 Mのレンズ外観

ニハチズマロンの重量は実測160g。こちらもかなり個体差がある。

Summaron 35mm f2.8 Mのレンズ外観 ライカおすすめ広角オールドレンズ

レンズの外観はカナダの8枚玉と瓜二つ。ちなみにマウントはLとMとLM兼用が存在する。

Summaron 35mm f2.8 Mのレンズ外観 ライカおすすめ広角オールドレンズ

Leica Summaron 35mm f2.8 Mのレンズ構成図

対象性を少し崩したオーソドックスな4群6枚ダブルガウス型。

Summaron 35mm f2.8のレンズ構成図 ライカオールドレンズ

Summaron 35mm f3.5はこちら。こうして比較するとサンハンズマロンの古典性が光る。完全に好みの話しだが。

Summaron 35mm f3.5のレンズ構成図 ライカオールドレンズ

 

Leica Summaron 35mm f2.8 Mのレビュー

1958-1963年にかけて製造された。最短撮影距0.7mだがLマウントは1mなので注意。今は亡きドイツのWetzlar本社で設計、Wetzlar工場で製造された正真正銘ドイツ製のLeitz最後の35mmオールドレンズ。同時期にフォトキナで発表された8枚玉はカナダで設計、製造された。

レンズ外観や作りは8枚玉ズミクロンとそっくりでレンズの口径が小さい為レンズ正面から見るとレンズ名の刻印もある為しっかり判別できる。ただ、正直写りは期待する程のものではなく、サンハンズマロンの方が高描写で評判も高い。

とはいえ、8枚玉も現在の中古価格は投資対象としての価格でありレンズ性能の価格ではない。しかし、8枚玉やニハチズマロンの写りに魅力がないかと問われると答えはノー。魅力満載。レンズの性能を引き出すのも撮影者の手腕、スキルのうち。

描写は周辺の結像は甘いがトーンの出方がよく渋い写りで玄人好み。虹ゴーストも抑制されているので余計なことを考えずに構図やタイミングに集中できる。絞っても急激な変化は少ないがのっぺりとした写りの8枚玉よりメリハリがあって使いやすいかもしれない。

L39は5289本、Mマウントは約4万本製造され、中古相場は20万円台。8枚玉が60~90万円台なのでそういう意味ではお買い得だ。8枚玉はそうそう持ち出せないので代わりにニハチズマロンを持ち出すのもアリだ。

Leica Summaron 35mm f2.8 Mの作例

最初の作例2枚はイエローフィルターを装着している。本来はモノクロ写真のコントラストを上げる為のカラーフィルターだが、クリエイティブルックNTで試してみたら超絶エモかった。

Leitz Summaron 35mm f2.8 作例 ライカMマウントオールドレンズ

夏が終わる。

Leitz Summaron 35mm f2.8 作例 ライカMマウントオールドレンズ

いつもの公園で。

Leitz Summaron 35mm f2.8 作例 ライカMマウントオールドレンズ

よくいる蛾。花の蜜を吸って生きるとかメルヘンの塊かよ。

Leitz Summaron 35mm f2.8 作例 ライカMマウントオールドレンズ

暗部は落ちやすいと感じた。潰れるのが早い。もうちょい粘ってくれると。粘ってる方か?いずれにせよ激渋。

Leitz Summaron 35mm f2.8 作例 ライカMマウントオールドレンズ

寄っても結構よかった。ボケも光の差し込みもよき。

Leitz Summaron 35mm f2.8 作例 ライカMマウントオールドレンズ

シャッターを切るとその瞬間が記憶に焼き付く。

Leitz Summaron 35mm f2.8 作例 ライカMマウントオールドレンズ

発色と立体感よき。

Leitz Summaron 35mm f2.8 作例 ライカMマウントオールドレンズ

カメラで写真撮ると体を摺り寄せてくるニャンコ。公園がおうちの地域ネコ。

Leitz Summaron 35mm f2.8 作例 ライカMマウントオールドレンズ

ヘリコイド付きマクロアダプター装着して最短撮影距離はこんな感じ。元画像フルサイズで見ると足の毛がきっちり解像している。

Leitz Summaron 35mm f2.8 作例 ライカMマウントオールドレンズ

移ろう日々。

Leitz Summaron 35mm f2.8 作例 ライカMマウントオールドレンズ

ハイライトが滲む。あの時もこの時も覚えている。嫌なことは忘れて良かった時のことだけを覚えていたい。

Leitz Summaron 35mm f2.8 作例 ライカMマウントオールドレンズ

作例の写りの特徴の解説やレンズ構成やスペックなど詳しいレビューはこちら→Leitz Summaron 35mm f2.8 M

Leica Summicron 35mm f2 1st 8枚玉 Mライカおすすめ広角オールドレンズ

Leica Summicron 35mm f2 1st 8枚玉のレンズ外観

重量は実測158gだが、同時に比較した6本の中で一番軽かった。重い個体は180gを超えていた。6本全て作りや素材やコーティングの色も違い驚いた。

Summicron 35mm f2 M 1st 8枚玉のレンズ外観 ライカおすすめ広角オールドレンズ

シリアルナンバーが近くても全然違う個体もあった。黄金期のライカのオールドレンズと言えどもそうなんです。ちなみに購入しった個体は写りは一番いいのに価格は一番安かったので幸運。

Summicron 35mm f2 M 1st 8枚玉のレンズ外観 ライカおすすめ広角オールドレンズ

Leica Summicron 35mm f2 1st 8枚玉のレンズ構成図

初代8枚玉ズミクロンのレンズ構成図。8枚は多い。不格好。ハイコストの割にパフォーマンスが悪かったので6枚玉に変更されたか。要はコスパが悪い。

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Summaron 35mm f2.8のレンズ構成図と比較すると8枚玉の方がガラスが分厚いく屈曲率が高いが設計思想はほぼ同一に見える。

Summaron 35mm f2.8のレンズ構成図 ライカオールドレンズ

Summaron 35mm f3.5のレンズ構成図。8枚玉はサンハンズマロンから進化したように見える。

Summaron 35mm f3.5のレンズ構成図 ライカオールドレンズ

もう一度8枚玉。ね、サンハンズマロンに似てるでしょ?

summicron35mmf2-8elements-optics

Leica Summicron 35mm f2 1st 8枚玉のレビュー

黄金時代Leitzの伝説の銘玉8枚玉。最短撮影距離0.7m、重量は実測158g。8枚玉のレビュー記事でも記載したように「何が伝説なのか」理解した上で購入した方がいい。ライカではシュナイダークロイツナッハOEMのスーパーアンギュロンの9枚構成に次ぐ8枚という贅沢なレンズ構成だ。

ズミクロン1stはガラス8枚、2ndはガラス6枚、3rdはガラス7枚と光学が変更されてきたので、今となっては8枚玉は伝説だよね。という意味で伝説の8枚玉というだけで特別高描写という訳ではない。それは写りを見ればわかる。また、中国で「八」は縁起がいいし、数字の「8」を横にすると「∞」となってこれまた縁起がいい為、中国の富裕層がお守りや投資目的で買い漁り価格が高騰しているようだ。

というかそもそもライカ価格の高騰は中国の富裕層が大きな原因らしい。そりゃ個人の投資家が周八枚も周エルカンも赤ズマロンコピーもつくるよな。と冷静に考えれば誰でもわかるという。現代の日本人でライカコピー作ってやるぜ的なそこまで熱い投資家や企業は皆無だ。

写りは重たい画づくりで激渋。諧調も省略されている感じで、とても万人受けするレンズとは言えない。開放は僅かに滲み解像力は程々でコントラストもさほど高くない。適切な表現かわからないが心霊写真のような雰囲気がある絵画のような写りで筆者は個人的に大好きな描写だ。

どんなオールドレンズでもそうだが、そのレンズの持ち味を見つけて活かしてあげることが何より重要だ。また、八枚玉も個体差は大きいが、筆者が所有している個体は美しい円環の虹ゴーストが複数同時に発生する。

レンズは写りだけではなく使用者本人との相性もあるので、自分に合ったレンズと巡り合ったら大切に使用するといい。当時のレンズは地球の恵みである鉱物を使用してガラス職人が、るつぼの中で溶融して手作りで製造していた為、ガラスには魔力や霊力が宿ると私は普通に本気でそう考えている。なのでパワーストーンのように自身を守ってくれたり運勢を上げたり引き寄せや相性もある。

8枚玉は1958-1969年にかけて約2万本製造された。やはりf2.8、f3.5のズマロンと比較すると当時はあまり人気がなかったようだ。が、筆者は8枚玉と相性抜群なので絶対に手放さないだろう。8枚玉も個体差は非常に大きく作りも重量も写りも異なるので数本撮り比べて購入できたら理想だ。

中古相場は状態により60~90万円程度で大して写らないオールドレンズを買うにしては高額なので20万円台で入手可能な6枚玉か7枚玉が現実的かもしれないが、コストダウンされた時代のレンズなので作りはガチャガチャとおもちゃのようにチープなので所有欲は満たされにくい。

ロマンを取るか現実を取るか。それによって撮れる写真もきっと違うだろう。

Leica Summicron 35mm f2 1st 8枚玉の作例

撮って数枚で「モノが違う、妖刀」と割とマジで思った。

Leitz Summicron 35mm f2 1st 8枚玉 作例 ライカの銘玉 広角神オールドレンズ

このレンズやばいと思った瞬間。

Leitz Summicron 35mm f2 1st 8枚玉 作例 ライカの銘玉 広角神オールドレンズ

おばけがいっぱい撮れた。ありがとう、成仏しろよベイベー。俺もそのうちいくし。

Leitz Summicron 35mm f2 1st 8枚玉 作例 ライカの銘玉 広角神オールドレンズ

35mmと50mmの間の焦点距離が使いやすいと思うのは間違いではないようだ。

Leitz Summicron 35mm f2 1st 8枚玉 作例 ライカの銘玉 広角神オールドレンズ

絵葉書か屏風か水墨画か。

Leitz Summicron 35mm f2 1st 8枚玉 作例 ライカの銘玉 広角神オールドレンズ

マクロの描写力に驚愕。発色もニュートラルでカラーでも使いやすい。クリエイティブルックはNTで撮って出し。

Leitz Summicron 35mm f2 1st 8枚玉 作例 ライカの銘玉 広角神オールドレンズ

モノクロの諧調と質感がセクシー。

Leitz Summicron 35mm f2 1st 8枚玉 作例 ライカの銘玉 広角神オールドレンズ

この8枚玉を持っていると人間が撮ってくれと言わんばかりに勝手に動く。

Leitz Summicron 35mm f2 1st 8枚玉 作例 ライカの銘玉 広角神オールドレンズ

タイミングよく役者がテンポよく現れる。見逃さずに静かに素早くシャッターを切る。(何を偉そうにそれがスナップだから)

Leitz Summicron 35mm f2 1st 8枚玉 作例 ライカの銘玉 広角神オールドレンズ

人が舞台で動く(新宿駅だから)。逆光で暗部が潰れてシルエットになってくれるとスナップが楽になる。

Leitz Summicron 35mm f2 1st 8枚玉 作例 ライカの銘玉 広角神オールドレンズ

35mm f2と50mm f2の絶妙な前ボケが好き。曇り空のコントラストがエモい。

Leitz Summicron 35mm f2 1st 8枚玉 作例 ライカの銘玉 広角神オールドレンズ

カメラをしまう前に1分だけ待つことにしている。そんな瞬間の1枚。

Leitz Summicron 35mm f2 1st 8枚玉 作例 ライカの銘玉 広角神オールドレンズ

作例の写りの特徴の解説やレンズ構成やスペックなど詳しいレビューはこちら→Leitz Summicron 35mm f2 1st 8枚玉 M

Leica Summicron 35mm f2 2nd 6枚玉

Leica Summicron 35mm f2 2nd 6枚玉のレンズ構成図

4群6枚ダブルガウス型、ガラスの屈曲率が高くなり近代化を感じる。

Summicron35mmf2-2nd6elements-optics

8枚玉と比較。真ん中のガラス2枚抜いただけやん…。とか言わないでください。6枚玉は屈曲率が高くなってかっこよくなってます。

summicron35mmf2-8elements-optics

Leica Summicron 35mm f2 2nd 6枚玉のスペック

  • 製造年:1969-1979年
  • 製造本数:約2万本
  • レンズ構成:4群6枚ダブルガウス型
  • 最短撮影距離:0.7m
  • フィルター径:E39
  • 重量:170g

6枚玉の写りは、実際に使用している人によると滲みやすいという話しだ。そうだとすると筆者は6枚玉の写りは好みかも。レビュー用にレンタルしようかな。誰か貸して(図々しい)。

Leica Summicron 35mm f2 3rd 7枚玉

Leica Summicron 35mm f2 3rd 7枚玉のレンズ構成図

4群7枚ダブルガウス型。球面ズミルックスのレンズ構成にかなり近い。

Summicron35mmf2-3rd7elements-optics

下記の6枚玉と比較すると7枚玉はガラスが少し厚くなり屈曲率も低くなって先祖返りしたように見える。

Summicron35mmf2-2nd6elements-optics

下記は8枚玉

summicron35mmf2-8elements-optics

下記は7枚玉。ね?8枚玉に少し似てる。6枚玉だけちょっと違う思想。

Summicron35mmf2-3rd7elements-optics

下記は球面ズミルックス。後群5枚目の屈曲率が非常に高い以外は7枚玉とほぼ同一。おもしろ。

Summilux 35mm f1.4M Optics

こうなると6枚玉と7枚玉も欲しくなるな。

Leica Summicron 35mm f2 3rd 7枚玉のスペック

  • 製造年:1979-1997年
  • 製造本数:不明
  • レンズ構成:4群7枚ダブルガウス型
  • 最短撮影距離:0.7m
  • フィルター径:E39
  • 重量:前期190g、後期150g

レンタルしようかな。確かに写りは気になる。こちらも使用者によると「写り過ぎない、写らなすぎない」という話しだった。レビュー用に誰か貸してください(図々しい)。

Leica Summilux 35mm f1.4 2nd M 球面ズミルックス ライカおすすめ広角オールドレンズ

Leica Summilux 35mm f1.4 2nd Mのレンズ外観

実測値245g。30年間に渡るロングセラーなので光学設計は同一でも時代により硝材作りもコーティングも異なるので写りも多少異なる。35mm f1.4でこのサイズ感と重量は神。

Leitz Summilux 35mm f1.4 2nd M 球面ズミルックスのレンズ外観 ライカおすすめ広角オールドレンズ

確かに前玉と後玉の屈曲率は高い。

Leitz Summilux 35mm f1.4 2nd M 球面ズミルックスのレンズ外観 ライカおすすめ広角オールドレンズ

Leica Summilux 35mm f1.4 2ndのレンズ構成図

球面ズミルックスは後群の最前玉の屈曲率が高いのが特徴。1990年に非球面レンズを採用して光学が変更されたので区別する為に球面ズミルックスと呼ばれるだけで、別に特殊な球面レンズを使用している訳ではない。が、前玉と後玉の球面具合が美しいんだよな。

Summilux 35mm f1.4M Optics

7枚玉のレンズ構成と非常によく似ているよねって話し。開放f値が違うだけでf2以降の写りはほぼ一緒だったりして。

Summicron35mmf2-3rd7elements-optics

Leica Summilux 35mm f1.4 2nd Mのレビュー

通称、球面ズミルックス。最短撮影距離1m、重量は240g(最後期は190gらしい)。1961年に登場し1990年に非球面化されまで30年間に渡り光学設計を変更することなく製造された超ロングセラーとなったライカの銘玉広角オールドレンズ。発売当時から暴れ馬、じゃじゃ馬、プロカメラマンが「壊れてる!」とLeitz本社にクレームを入れるなどの伝説もある。

ライカのクセ玉と言えば球面ズミルックスを思い浮かべる人も多いのでは。近年デジタルミラーレスカメラの普及により撮影時に滲みやゴースト、フレアーなどの収差が確認できるようになり、収差を表現として取り入れる若手カメラマンが増えてオールドレンズ人気が白熱した。

筆者も球面ズミルックスを使用するまではクセ玉というイメージが選考していたが、実際に使用してみるとHBの鉛筆でデッサンしたような繊細なタッチで諧調は非常になめらかで豊富なトーンが溢れてくる。セクシーで芸術的な描写で正統派な写りだと感じた。

そこに開放の強烈な滲みや虹ゴーストが加わり、非現実的な当時のライカらしい世界観が存分に表現されている。繊細な要素とクセ玉の要素が同居しているという意味ではやはり超クセ玉だと言える。扱いは非常に難しい。

球面ズミルックスを使いこなせるようになった時、球面ズミルックスのよさが理解できると思う。単に滲ませたり虹ゴーストを発生させて喜んでいるだけでは球面ズミルックスの本来の性能を引き出せてはいない。チャレンジする価値はある。

1966年にシリアルナンバー2166701以降にフードやフィルターの規格を変更した初期型は無限遠ロック付きの個体と無限遠ロックなしの個体が存在する。この改良の前後で1stと2ndと呼ばれるようになったが、光学は同一なので中身は一緒だと言われている。

ただ、価格は相当違う。1stは300万円程度で2ndは30万円台なので約10倍違う。1stはコレクションや投資目的で購入するパターンがほとんどだろう。製造本数は不明。

Leica Summilux 35mm f1.4 2nd Mの作例

開放は滲みまくるがモノクロでは中間の諧調が豊富で優等生というツンデレオールドレンズ。ヘリコイド付きマクロアダプター装着してトリミングなしでこんな感じの距離感。

Leitz Summilux 35mm f1.4 2nd 1st M ライカ銘玉クセ玉神オールドレンズ

寄りのクセ玉感もハンパない。じゃじゃ馬。

Leitz Summilux 35mm f1.4 2nd 1st M ライカ銘玉クセ玉神オールドレンズ

意地悪な環境で試写。ハイライトは飛びきらずシャドウは奥の奥まで粘り諧調が出そろう。クセ玉でもあり正統派のポテンシャルも高い不良なのに優等生レンズ。

Leitz Summilux 35mm f1.4 2nd 1st M ライカ銘玉クセ玉神オールドレンズ

優しさがたまらない。

Leitz Summilux 35mm f1.4 2nd 1st M ライカ銘玉クセ玉神オールドレンズ

中央部の解像度は高くも優しい描写。後ボケがおどろおどろしくていい。

Leitz Summilux 35mm f1.4 2nd 1st M ライカ銘玉クセ玉神オールドレンズ

低彩度で扱いやすい。枯れた花がセクシー。

Leitz Summilux 35mm f1.4 2nd 1st M ライカ銘玉クセ玉神オールドレンズ

俺はなぜ俺なのだろう。子供の頃からそう思う。

Leitz Summilux 35mm f1.4 2nd 1st M ライカ銘玉クセ玉神オールドレンズ

f5.6~8位まで絞るとコントラストが高くなり激渋。

Leitz Summilux 35mm f1.4 2nd 1st M ライカ銘玉クセ玉神オールドレンズ

絞って建築物の無機質感を出してみる。コンクリートの中の経年劣化まで写っているようだ。恐るべし球面ズミ。

Leitz Summilux 35mm f1.4 2nd 1st M ライカ銘玉クセ玉神オールドレンズ

ピンボケ大好き。

Leitz Summilux 35mm f1.4 2nd 1st M ライカ銘玉クセ玉神オールドレンズ

作例の写りの特徴の解説やレンズ構成やスペックなど詳しいレビューはこちら→Leitz Summilux 35mm f1.4 2nd M 球面ズミルックス

Leicaオールドレンズを選ぶ最後の決め手は何か?

今まさにライカの35mmオールドレンズを選んでいる方にとって最後の決め手となるものは何か。これから購入を考えている方におすすめできるLeicaの35mmオールドレンズはどれか。当然それぞれの予算にもよるし撮影スタイルにもよるしどんな写りが好みかにもよる。紹介したライカの35mmオールドレンズはどれも小型軽量で写りもそれぞれ個性的でよさがあるのでどれを選んでも後悔はしないと思う。

予算を抑えたいならサンハンズマロン(6~8万円)や35エルマー(10万円台)がおすすめ。スナップするには充分な明るさだ。夜も撮影したりポートレートでボケ感を出すためにf値がもう少し欲しい場合は球面ズミルックス(30万円台)。黄金時代ライツの8枚玉(60~90万円)が欲しいならそれ。外観だけでも似せたいならニハチズマロン(20万円台)。どうしてもf2が欲しいなら6枚玉か7枚玉(20万円台)。

作例は全てjpeg撮って出しなのでSony α7Cやα7CⅡ、α7Ⅲ、α7Ⅳなどを母艦にしている方はより一層参考になるはずだ。是非参考にしてみてほしい。カメラボディに装着して実際に試写してみて「コレだ!」とビビッときたものを迎え入れてあげると末永く飽きずにテンション上がって楽しめるだろう。

130本以上オールドレンズを購入して試写してレビューしてきた私の経験上、値段は少し無理してでも一番欲しいレンズを選ぶことをおすすめする。筆者は値段で諦めて代替品を購入してもすぐ後から本命も欲しくなり結局どちらも購入して遠回りになるだけだった。

最終的には直観、インスピレーションで選ぶことが重要だ。

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さて、読者の方々はどのレンズの写りが気に入っただろうか?私は小型軽量が好きなので写りは二の次で35エルマーを持ち出す機会が一番多い。程よく緩くて優しい描写なので個人的には写りも好きだ。写りなら正直サンハンズマロンが一番いいと思うし作りも一番精巧。

ニハチズマロンも悪くはない。最後の本物ドイツ製という希少価値とレンズ外観や無限遠ロックというギミックもいいしロングセラーとなった歴史的銘玉であることに間違いはない。

8枚玉は製造本数が少なめで8枚という贅沢な作りの為に中古相場は高騰しているが価格ほど写りが優れている訳ではない。ただ、黄金期ライツの栄枯盛衰の真っ只中を生きた歴史的価値が高い銘玉であることに誰も異論はないだろう。

ズミクロン2nd 6枚玉と3rd 7枚玉は外に持ち出して実写したことはないが、f2という明るさで20万円台なので現実的にはこの辺りを狙うのが賢明だろう。しかも筆者は所有していないという(笑) それには理由があって、6枚玉や7枚玉の時代のチープなレンズの作りとや安っぽい操作感、外観があまり好みではなくて。

では、30万円台の球面ズミルックスはどうか。同じく作りはイマイチで安っぽいが写りは本物で唯一無二の存在。しかし、どうにもこうにも扱いづらい。逆にクセ玉好きならライカ35mmで一番手の選択肢になる。このように、オールドレンズは個性豊かでトレードオフの世界、一長一短で1つには選べない。

とにかくネットや書籍で情報収集して作例もたくさん見て、中古カメラ屋に行って直接見て触って自身が使っているカメラボディに取り付けて外観や持った感じの収まり具合や操作性を確認して、試写して撮った画像を見てピンときた感覚があればそれが出会いだろう。

写真も同じく感性や感覚が大切なので、その写真を撮る道具も感性や感覚で選ぶのはアリだ。レンズの手触りや操作性、外観やデザインで決めても全然アリだし、むしろ正統派な選び方だと思う。

個人的にはやはり歴史の重みを感じられる8枚玉の重く暗い雰囲気の画づくりが好みだった。撮れる写真に妖気があると感じた。もちろん個体差はある。これは筆者が8枚玉を購入する前に同店で6本同時に見て触って試写した体験談だ。

また、個人的にズミクロン6枚玉と7枚玉も購入してライカの35mmオールドレンズを全てコンプリートしたいと思った。やはり実際に使って写りと感触を確かめたい。オールドレンズ沼にどっぷり浸かってしまった筆者の体験談を元に、ライカの35mmオールドレンズでどれがいいか迷っている方は是非参考にしてみてほしい。

今回は以上。本日も素敵なオールドレンズライフをお過ごしください。

 

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-Germany, Leitz(Leica), クセ玉, 滲み玉
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