Leica Summilux 35mm f1.4 Review作例 球面ズミルックス ライカのクセ玉銘玉神オールドレンズ

Leica Summilux 35mm f1.4 球面ズミルックス作例 枯れかけた花

Leica Summilux 35mm f1.4 Review作例 球面ズミルックス ライカのクセ玉銘玉神オールドレンズ

Leica Summilux 35mm f1.4 Review作例 球面ズミルックス ライカのクセ玉銘玉神オールドレンズ。試写して感じた事。「球面ズミルックスのこの優秀な特性を活かしつつ、いかに開放の滲みもうまく活かせるか?」というLeitzからのお題。そういうメッセージを受け取った。

Summilux 35mm f1.4 球面ズミルックスとは

球面ズミルックスとは、ライカ非球面レンズを採用したズミルックス35mmと区別する為に「球面」と呼んだだけであり、別に特殊な球面レンズを使用している訳ではない。球面ズミルックスは開放で独特の強い滲みがあり発売当初は賛否両論分かれたが、後年、収差を愛するカメラマンたちから熱狂的な支持を受けて現在に至る。

球面ズミルックスと言えばライカのクセ玉の代表格だが、その描写は中央部はシャープで線が細くグルグルボケや二線ボケは発生せず、f2に絞るとsummicron35mm/f2より夜景の描写もいい。

さらにf2.8ではASPH(非球面)と比べても遜色がなく、立体感も色再現性も酷似している。むしろボケの柔らかさは初期の球面の方が柔らかく芸術的で、新型非球面のズミルックスよりも球面ズミルックスの芸術的描写の人気は極めて高い。

Leica Summilux 35mm f1.4 球面ズミルックス作例 小さい神社 白黒モノクロ

Summilux 35mm f1.4のスペック

  • 製造年:1961~1990年(所有は1976年製)
  • シリアルナンバー:1760000~(所有は2679…)
  • 色:クロームとブラックで1992年からチタン
  • コード:11870, M3用ファインダー付きは11871, チタンは11860.
  • レンズ構成:5群7枚ダブルガウス型
  • 最小絞り値:f16
  • 最短撮影距離:1m
  • フード:12522
  • 重量:245g(最後期は195gとの情報も)

1966年以降2166701以降はフードやフィルターの規格が変更されて2ndや1stの後期型と呼ぶこともあるが、光学は同一。1st後期型は無限遠ロックなしで鏡胴に35の刻印がある。1983年に「Leica1913-1983」と刻印が入ったモデルがイタリア向けに150本限定で製造された。ライカM6用に1992年からチタン版(11860)が製造された。

Leica Summilux 35mm f1.4のレンズ外観Review

ライカレンズのシリアルナンバーから製造された年代を推測すると1976年製。1974年にウィルドがLeitzの株式53%買収して経営権取得、1975年にウェッツラー工場が稼働停止したからその翌年か、ドンマイ。レンズはカナダ製だし。コーティングはアンバー系とパープル系が基調。

Leica Summilux 35mm f1.4のレンズ外観

レンズの状態はいい。レンズ清掃済みでクモリとカビ除去。見た目わからん。店員さんもLED照らして目を凝らしてよ~く見て熟練者ならわかる位のレベルだということ。LED光を直接見ると目によくないので筆者はかなり前に使うのをやめた。

Leica Summilux 35mm f1.4のレンズ外観

そしてレンズ内の細かいことをあまり気にしなくなった。カビは避ける。それよりピントリングと絞り羽根の動きが正常で快適な操作ができるか基本的なことをしっかり確認する。

Leica Summilux 35mm f1.4のレンズ外観

最短撮影距離1mということは充分承知。むしろその理由により一時期購入候補から除外していた。しかし、ヘリコイド付きマクロアダプター装着すれば体感で20cm位まで寄れる。

Leica Summilux 35mm f1.4のレンズ外観

レンズを選ぶ時は、レンズを自分のカメラに着用して写りを見よう。問いかけよう。「うち来る?」って。

Leica Summilux 35mm f1.4のレンズ外観

Leitz Canadaは社長ギュンター(エルンストライツ家)が約20人の技術者をウェッツラーから連れて行き、カナダ在住ドイツ系の精密機械工経験者のみ雇用して工場を稼働させていた。つまり、カナダ製とは言えウェッツラーの人間とドイツ人でカメラやレンズを製造していたのだ。

Leica Summilux 35mm f1.4のレンズ外観

Leitzの歴史の書籍を読んでいると感慨深くなる。

Leica Summilux 35mm f1.4のレンズ外観

マウント部も真鍮製でつくりもしっかりしていて耐久性は抜群。ライカの何がすごいって特に戦前は軍事用として使われていたこと。劣悪な環境下でも正しく動作しなければならないし、故障に強く、故障してもすぐに修理できるように複雑ではなく簡易な設計であることも重要だった。

Leica Summilux 35mm f1.4のレンズ外観

カメラは軍事産業の一部。人類史とはすなわち戦争史なり。人間同士の殺し合いの螺旋で国家も企業も含めて人類は発展してきた。残念だが、これが現実だ。

Leica Summilux 35mm f1.4のレンズ外観

35mmレンズを並べて大きさを比較してみた。スピードパンクロコピーのPO-4 35mm f2(L128g-M141g)が入ってないが改造レンズだし。

Leica Summilux 35mm f1.4のレンズ外観

Summilux 35mm f1.4の作例

α7CⅡでjpeg撮って出し。球面ズミルックスの素性を探る試写の旅へ。


ハイライトとシャドウの出方を確認。思っていたより諧調豊富でトーンが美しく丁寧。あれ?ドーピング打ったロデオではなく貴族の馬車?優秀じゃん。隅々まで結像し、のぼりの旗の質感もいい。

Leica Summilux 35mm f1.4 球面ズミルックス作例 飲食店の入口のベンチとメニュー 白黒モノクロ

モノクロが楽しいレンズ。先入観で思っていた感じと違う。正統派の優等生。f1.4でこの小型軽量さは写りを犠牲にして滲みとゴーストで攻めまくるクセ玉レンズという風潮を感じていた。しかしだ。基礎も応用も織り交ぜた高次元の描写で非常に芸術的。強い滲みの印象が強すぎて「クセ玉」が独り歩きしたかな。ズミクロンと撮り比べしたい。(悪い癖が…)

Leica Summilux 35mm f1.4 球面ズミルックス作例 古い平屋白黒モノクロ

ご覧の通りハイライトは強く滲む。絵画的。開放オンリーで様々な表情を見せる。

Leica Summilux 35mm f1.4 球面ズミルックス作例 いちょう秋

球面ズミルックスはモノクロで光を取り入れて滲みを活かすのが王道かなと思う。そればっかりじゃワンパターンになるが。

Leica Summilux 35mm f1.4 球面ズミルックス作例 いちょう秋 白黒モノクロ

ボケが硬い。これも意外。35mmだがf1.4だぞ?これはクセ玉感ある。絵画っぽい。

Leica Summilux 35mm f1.4 球面ズミルックス作例 いちょう秋

上部の収差からの下へ視線をずらして巡るめく表情の変化よ。筆者が学生の頃に半同棲していた〇と料理が超絶うまくて嫉妬深いメンヘラ女と似てる。(は?やめとけ) (てか自分もメンヘラやろ) マジでやっと愛おしい暴れ馬レンズ見つけたって感じ。(やっぱりクセ玉やないかい) 絵画っぽい。シネマっぽい。ライカはそういう描き方を狙ってるんだろうな。だから解像力テストは無意味だと警笛慣らしてるんだろうな。アートか模写か。

Leica Summilux 35mm f1.4 球面ズミルックス作例 いちょう秋 白黒モノクロ

写りや性能を確認する為に敢えて厳しい条件下で試写してjpeg撮って出ししているが、ものの見事に優秀過ぎて返す言葉がない。オールドレンズは戦前戦後が好きな筆者なので1961年設計とはいえ当然コーティング有りだし1974年に製造された個体なのでやはりこうなるか。

Leica Summilux 35mm f1.4 球面ズミルックス作例 小さい神社

トーンの出方が優秀。ズミクロン味見したくなる。大画面で作例を確認していて何度も感じたこと。「シネレンズっぽい」「開放オンリーだけでも状況次第で写りが激変する多重人格レンズ」あぁ、やっぱりクセ玉だ。

Leica Summilux 35mm f1.4 球面ズミルックス作例 小学校白黒モノクロ

f1.4だが35mmという広角だからか、ピント合わせはシビアに感じなかった。ただ、ヘリコイド付きマクロアダプターとレンズのピントリングの回転方向が一緒でアダプターのヘリコイドが回りがち。ここが一番気になった。しかし本当に開放オンリーでも様々な表情を見せるツンデレレンズ。

Leica Summilux 35mm f1.4 球面ズミルックス作例 小学校

身震い。絵画。寄っても優秀。最短撮影距離1mだが、ヘリコイド付きマクロアダプター装着すれば被写体に30cm位まで接近できる。やはりシネマチックなんだよな。なぜだろう。ちょっとメイヤーっぽいよね。

Leica Summilux 35mm f1.4 球面ズミルックス作例 枯れかけた花

これがその最短撮影距離。トリミングなしでここまで寄れる。さすがにここまで寄ると後ボケはとろける。二線は発生。これだと女性的なズイコーっぽい写りんだよな。男性っぽい硬派な写りのZeissと比べてライカは女性的というより中性的というより性別がない感じ。というか、レンズによって性格が全く異なるから面白い。Zeissは昔からカメラもレンズも芸術や工芸品という概念ではなく工業製品として考えていたからね。その思想は文献にも載ってる。巨大合併企業だからね。ライカは町工場の中小企業。比較するに値しないと。中小だからできる芸当もある。

Leica Summilux 35mm f1.4 球面ズミルックス作例 花と蜂マクロ

開放のはず。いや、さすがにこの写りは絞ったか?忘れた。開放だとしたらちょっと写り過ぎだよね。ノスタルジック。やはりシネマっぽいよね。なぜだ。パリッとしてってもっさりしてて、太い線と細い線が入り混じっていて、シャドウは描くし、理屈はどうでもいい。郷愁に浸れる。

Leica Summilux 35mm f1.4 球面ズミルックス作例 家屋

モノクロもカラーもどちらもいける。やはり写り過ぎないレンズは好きだな。

Leica Summilux 35mm f1.4 球面ズミルックス作例 家屋白黒モノクロ

シャドウが潰れにくいのでそれだけでリッチな気持ちになるというか、写真が下手になりそう。楽過ぎて。(別に元々うまくないけどさ)

Leica Summilux 35mm f1.4 球面ズミルックス作例 家屋

ある意味MFなのにAF気分。楽。ハイライトもシャドウも欲しい情報をちゃんと持ってきてくれる。おりこうさん。

Leica Summilux 35mm f1.4 球面ズミルックス作例 家屋白黒モノクロ

リッチな諧調と強い滲みを同居させて表現できたら球面ズミルックスの使い手となれるね。いや~、面白いおもちゃ見つけたわ。

Leica Summilux 35mm f1.4 球面ズミルックス作例 畑仕事

こりゃ遊べるぞ。

Leica Summilux 35mm f1.4 球面ズミルックス作例 畑仕事白黒モノクロ

水中の世界というか水のわずかな濁りや水の質感も匂いも写し取るのか君は。鯉やけに増えたなおい。近所の人が増やしてるらしいぞ。売るのか?むぅ…。どういう文化だ?

Leica Summilux 35mm f1.4 球面ズミルックス作例 川の鯉

鯉って食べれるんだよね。近所の割烹料理屋に卸すのか?

Leica Summilux 35mm f1.4 球面ズミルックス作例 川の鯉白黒モノクロ

農道を走る男性。青のTシャツが紅葉に映えていた。

Leica Summilux 35mm f1.4 球面ズミルックス作例 農道を走る男

開放と絞りを撮り比べる。

Leica Summilux 35mm f1.4 球面ズミルックス作例 青梅市今井ののどかな田舎の風景

f5.6。こんなに違う。他のレンズもそうだが発色も変わる。周辺減光もほぼ消え失せ、コントラストが明らかに高くなり、線が太くなった。前ボケの柔らかさもどこへやら。これが「ジキルとハイド」と呼ばれる所以か。な~る。

Leica Summilux 35mm f1.4 球面ズミルックス作例 青梅市今井ののどかな田舎の風景

都会のスナップショット風に。田舎だとどうしてもねスナップは難しい。(するけど)

Leica Summilux 35mm f1.4 球面ズミルックス作例 スナップショット

やっぱシネっぽいんだよな。誰かこの謎解ける人いたら教えてください。

Leica Summilux 35mm f1.4 球面ズミルックス作例 スナップショット白黒モノクロ

ね?シネレンズっぽい。

Summilux 35mm f1.4の作例

APS-Cクロップで近接。そうか、時にクロップも活用すると2つの焦点距離楽しめるよね。一応ボタンをカスタマイズしてたまに使ってるが、忘れがち。

Summilux 35mm f1.4の作例

Summilux 35mm f1.4の描写の特徴レビュー

球面ズミルックスの「この優秀な特性を活かしつつ、いかに開放の滲みもうまく活かせるか?」というLeitzからのお題。そうメッセージを受け取った。

  • 諧調が豊富でシャドウのトーンがビシっと出そろう
  • 開放の強い滲みをどうスパイスとして取り入れるかが肝
  • ド派手な虹ゴースト発生するが、ゴーストは必要ない位遊べる
  • 乗りこなしが難しいロデオのイメージが払拭。非常に優秀で扱いやすいレンズだと感じた。
  • 硬い後ボケと遠慮がちな前ボケのギャップがエモい
  • グルグルボケは発生しにくい
  • 玉ボケは発生しやすい
  • 虹ゴーストは汚く出る場合もあるので作風に取り入れる場合はモニターでゴーストを確認しつつ撮影するべし
  • 球面ズミルックスは開放で収差を愛でて遊ぶべし
  • ライカは開放からフルスロットルで最高品質の画像を叩き出すと内部関係者が証言する通り高解像度=高描写ではないことを肝に銘じるべし
  • ズミルックスとズミクロンは絶対に両方ほしくなるから覚悟しろ
  • f2に絞った球面ズミルックスと開放f2のズミクロンの写りは全くの別物であるしコンセプトが違うから勘違いするな

まとめ

最後の写りのレビューが途中から格言みたくなった。その辺はもう自動書記で勝手に筆が走ったので私のせいではない。とにかく、もうズミクロンが欲しくなった自分に嫌気が差している世間は5連休ど真ん中土曜の早朝の筆者でした。2時起きで執筆して動画撮ってました。

今回は以上。本日も素敵なオールドレンズライフをお過ごしください。

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-Double Gauss, Germany, Leitz(Leica), クセ玉, 滲み玉
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