Leitz Elmar 35mm f3.5 review作例 LTM 戦前Leica初おすすめ広角銘玉神オールドレンズ
Leitz Elmar 35mm f3.5 review作例 LTM 戦前Leica初おすすめ広角銘玉神オールドレンズ。Leitz初の広角レンズElmar35mmF3.5はライカC型用として1930年に登場した。C型以外にも装着できるよにマウントを規格し直して1932年に距離計体操のカムや無限遠ロックが取り付けられた。1950年に製造終了するまでの20年間に渡るロングセラーで累計42500本が製造された。初期型は真鍮にニッケル仕上げで後期型は真鍮にクローム仕上げ。
Elmar 35mm f3.5 L39 LTMのスペック
- 製造メーカー:Ernst Leitz
- 製造年:1938年(1930~1950年)
- マウント:L39スクリュー(LTM)
- レンズ構成:3群4枚Tessar(Elmar)型
- 画角:64度
- 最短撮影距離:1m(0.35m)
- 最小絞り値:f16
- フィルター径:A36(かぶせ)
- 重量:110g
- 材質:真鍮にクロームメッキ仕上げ
- 製造本数:42500本
参考文献:camera wiki
Elmar 35mm f3.5 L39 LTMのオールドレンズ外観
マジ小さくて薄くて軽くて35mmでスナップに最適。絞り値f9で距離4mに設定すると2mから無限遠までピントが合いパンフォーカス撮影ができる。
Hektor 28mm f6.3と並びライカのレンズで最も小型軽量。
戦前ノンコート。ライカ初の広角レンズはたった4枚のレンズで構成されるエルマー。柔らかく素朴な描写だ。
ライカの35mm広角オールドレンズの中で一番小型軽量でスナップにおすすめ。
このコンパクトさは病みつきになるよ。
ただ写りは地味だからね。
あまり深いこと考えずに往年のライカの銘玉の写りを嗜むといい。
100年前のライカのレンズが現行の最新デジタルミラーレスカメラ使える幸せと奇跡に感謝。
形見みたいなもの。
古いレンズはいつもそう思って使ってる。
Elmar 35mm f3.5 ライカL39LTMの作例レビュー
撮影機材はSonyのフルサイズミラーレスカメラα7Ⅳ。レンズの素性を探る為クリエイティブルックはNTかBWでjpeg撮って出し。
早朝の散歩がてら初試写。円環の虹ゴースト発生。戦前ノンコート。ゴースト内はコントラスト低下。
モノクロいい。ピント面以外の結像の甘さも渋いし、シャドウの描き方も丁寧でエモい。
夏の早朝逆光。黒潰れしそうなシチュエーションだがギリギリのところで粘っていてかっこいい。
戦前ノンコートなので発色は地味。濃い青と周辺減光が相まっていい雰囲気が出てる。戦前ライカの真髄はやはりモノクロだろう。4枚玉Tessar(Elmar)は素朴。
フェンスから顔を出す黄色い花。前ボケは穏やかで後ボケは大きめ。飾らない描き方が通好み。噂通りすごいぞ戦前ライカ。
歪曲収差は少ないように見える。グルグルボケが発生。「Elmar35はクセが少なくこれといった特徴がない」と評論していたライターさんがいたが、ナニよクセ玉じゃん。
3群3枚トリプレットを改良して3群4枚テッサーが誕生したが、その素朴さを引き継いでいる。
よく写らないが写る。はよき。斜めに横断する虹ゴーストも発生。
早朝の青空を飛ぶ鳥の群れ。周辺減光が青空とマッチしてメッチャかっこいい。周辺の結像の甘さもエモい。開放。
青空と木の緑と白い月と黒い烏。開放。
絞ってF9。周辺もしっかり結像。
35mmという広角でf3.5という若干暗めのスペックだがグルグルボケが簡単に発生する。広角クセ玉認定。
最短撮影距離は1mだがヘリコイド付きマクロアダプターを装着するとこの位まで寄れる。ピント面の解像度が高いことがわかる。
オールドレンズで遊ぶならマクロアダプターは必須かもしれない。遊びの幅が広がる。
かわいい実だな、なんだろコレ?なんて木だ?表札みっけ。
エゴノキだって。何々?「雑木林に普通に生えている木で初夏にたくさんの白花を吊り下げて咲かせます。実の皮には魚を麻痺させる毒が入っています。」魚オンリーの毒?雑木林なのに?魚対策?魚は海の生き物なんですけど…。植物博士に質問してみたいな。この難問。
光が目に留まる。光と影。いつも無意識に探している。
なんかもふもふ。
セミの抜け殻のすぐそばに蝉がいて。動かなくて。鳴かなくて。飛ばなくて。羽根がまだしっとりしていて。脱皮したばかりっぽかった。かわいい。7~8年地中で過ごして地上に出て、生きられるのはたった数週間。だから力いっぱい鳴くんだな。儚いけど素敵。だから蝉を捕まえないでね。ほんの僅かな命だから。夏の太陽の光をいっぱい浴びていっぱい鳴いてね。数週間で子孫繁栄しなきゃのサバイバルだね。
Elmar 35mm f3.5 L39 LTMの写りの特徴まとめ
- 淡い落ち着いた描写
- 円環虹ゴースト、横断する虹ゴースト
- グルグルボケ
- 周辺減光
- 開放で周辺の結像甘い
- モノクロの諧調が豊富でギリギリで黒潰れしないシャドウの粘りがかっこいい
- 青空のトーンが丁寧で周辺減光と相まってディープブルーに移り変わっていく様がかっこいい
- ヘリコイド付きマクロアダプターを装着してレンズ本来の性能を超えて寄ると解像度の高さがわかりポテンシャルの高さを感じる
- 絞ってもさほど固くならない
- 戦前ノンコートだがよく写りスナップで遊べるオールドレンズ
まとめ
戦後ライカ初のダブルガウス型のSummaron 35mm f3.5はコントラストが高く明暗もはっきりしていて硬派でしっかり写る諧調豊かなレンズだが、エルマー35は淡く素朴で甘さが残る描写が愛おしい。一般的には眠い画と捉えられる位まったりしているが、それを味と捉えられるか。
あとはレンズの性能を引き出すのはカメラマンの腕次第。そう、最近、レンズなんてある程度何でもいいなと思い始めた。…「100本集めといてそれかい!」(汗)
今回は以上。本日も素敵なオールドレンズライフをお過ごしください。