Russar MR-2 20mm f5.6(PYCCAP MP-2)Review作例 ライカL超広角銘玉神オールドレンズ

公園の木 Russar MR-2 20mm f5.6 PYCCAP MP-2の作例

Russar MR-2 20mm f5.6(PYCCAP MP-2)Review作例 ライカL超広角銘玉神オールドレンズ

Russar MR-2 20mm f5.6(PYCCAP MP-2)Review作例 ライカL超広角銘玉神オールドレンズ。あのベルテレも崇拝した、光学の世界史に残る旧ソ連の天才レンズ設計士Mikhail Mikhailovich Rusinovが設計したこの超広角レンズは20mmという超広角にも関わらず72gと超小型軽量で価格も4~8万円とコストパフォーマンスにも優れている筆者おすすめの超広角オールドレンズだ。

Russar MR-2 20mm f5.6とは

Russar MR-2 20mm/f5.6は1957年に旧ソ連で対象型広角レンズとして独自の光学技術で設計され1958年から生産が開始された。ルサールは当時ソビエトで大量生産されていたライカスクリューマウントカメラ、ZorkiやFED、Leningrad用の交換レンズの1つで、適切に収差が補正されていて超小型軽量で薄い鏡胴が特徴的だ。

レンズの設計は天才レンズ設計士ミハイル・ミハイロヴィチ・ルシノフ(1909〜2004年)。ルシノフ博士はソビエト連邦時代に航空撮影用カメラの設計を手がけた著名な光学技術者だ。MR-2とMP-2の意味は同一で、ルサールの設計者Mikhail Rusinovの略「MR」(エムアール)のロシア語アルファベット表記が「MP」(エムエール)であることが由来。

RUSSAR MR-2 20mm f5.6は軍偵察用や航空撮影用広角レンズとして開発された技術を一般用レンズに応用して販売された。航空測量や軍用偵察に使うレンズ機材は画像の歪みが少なく周辺光量が多い(周辺光量落ちが少ない)レンズが求められる。

ルサールはこれらの条件を満たして開発された。1950年代当時において非常に画期的なハイレベルレンズだった。第二次大戦後の1958年に開催された大型国際博覧会、ブリュッセル万国博覧会(EXPO-58)で複数のレンズと共にグランプリを受賞した経歴がある。

参考文献:デジカメWatch

公園の椿 Russar MR-2 20mm f5.6 PYCCAP MP-2の作例

Russar MR-2 20mm f5.6(Pyccap MP-2)のスペック

  • 製造年:1958年~(現在Lomographyが復刻版を販売中)
  • 製造メーカー:KMZ(クラスノゴルスク工場)
  • レンズ構成:4群6枚オリジナルRussar型
  • 絞り値:最大f5.6~最小f16
  • 最短撮影距離:0.5m
  • フィルター径:49mm
  • 重量:72g(実測値)

Russar MP-2 20mm f5.6のレンズ構成図

ルサール独自のレンズ構成は、両側はレトロ(後退)フォーカス(焦点)型の前群の発想に真ん中はアナスチグマットの貼り合わせタブレットを後群(3群)に配置、前群(2群)は背中合わせで同じくアナスチグマットの貼り合わせタブレットを配置しているように見える。対象型4枚貼り合わせなしのトポゴンも欲しい。

 

Russar MP-2 20mm f5.6の設計図

貴重な資料だ。なにやら宇宙船の設計みたいでかっこいい。

かのベルテレがZeiss Ikon在籍時に設計した元祖Biogon21/4.5さえも、Russarを元に設計している。

Russar MP-2 20mm f5.6の系譜

こちらも貴重なロシア資料。祖先の100mm f6.3から同一光学だったのか。元々広角の為の設計ではなかったのか?あれ?

画像転用元:中尾歯科医院ブログ , marcocavina.com

Russar MP-2 20mm f5.6

1909年2月11日に生まれたMMルシノフは、旧ソ連で最も尊敬される光学科学者の1人だ。ソ連計算光学科学学校を共同設立し、1938年に収差口径食、1957年に投影中心歪み、1986年に二次収差の存在などのいくつかの光学現象を発見した。投影中心の歪みの現象は工学測光の基礎となった。

1950年代、Russar MR-2の画期的なレンズ構成と性能により、LeitzとZeissのレンズ開発部門は何年も頭を悩ませ、最終的にはRussar MR-2と比較してレンズが大きく重くなり、性能も劣ることになった。Russarの光学レンズ設計は発明者の学術博士号の頂点であり、1940年に防衛されたが戦時中だった為、第二次世界大戦後の1946年8月23日に米国特許2,516,724として出願し、特許は1950年 7月25日に付与された。

1938年、ロシアの光学天才ミハイル・ミハイロヴィチ・ルシノフは、収差ケラレ現象を発見して補正した世界初のレンズ技師であり、彼の発見により写真の視野全体にわたる自然照明の減衰を大幅に改善した。収差口径食は、開口絞りと物体空間の間に位置する光学系の前部に瞳収差が導入されることによって発生する。

円形開口絞りを軸対称光学系の内側、対称な 2 つのレンズ群の間に配置すると、瞳収差を利用して斜光線の瞳に入る光を増やすことができる。したがって、入射光の成長により自然照明の減衰が補償される。ルシノフの発明とこの優れた特徴により、広角レンズの場合、フィールドのエッジ照明が約2倍に増加した。

レンズ設計は、多かれ少なかれ対称的な2分割で構成され、うち1つはレンズ 1、2、3 を含み、もう1つはレンズ 4、5、6 を含む。各半分は、負のレンズと正のレンズの2つのシステムで構成されている。外側レンズ1と6は負であり、内側レンズ 2、3、4、5 は正である。

公園の木 Russar MR-2 20mm f5.6 PYCCAP MP-2の作例

レンズ系全体は共通の対称軸を持ち、各負レンズは空気によって正レンズから分離されている。外側の負レンズ1と6はどちらも大きく湾曲したメニスカスの形状をしていて、その内面は半球よりわずかに小さいか大きい、つまり、内側の半球面の半径方向の角度は170度および190度である。

内側の正レンズはそれぞれ2枚の接合レンズ 2、3と 4、5で構成されている。入射光の収差を補正する為に適切に接合された表面を備え、その凸面が絞りに面しており、接合レンズの凹面側の屈折率が凸面側の屈折率より大きくなければならない。歪みと帯状収差を補正するには、内側の正レンズを厚くする必要がある。つまり、焦点距離の約20%の厚さを持つこと。絞りに面するこれらのレンズの表面は、平面かわずかに凹面である。

外側レンズ1の半球にほぼ等しい内面を有する大きく湾曲したメニスカスの形状は、この事実により収差口径食が達成される為、非常に重要である。

対物レンズの計算時に適切に考慮されていれば、対物レンズの2つの半分の間に光フィルターを挿入できる。対物レンズの全てのレンズのガラスの種類は、歪みと色非点収差の補正を達成する為に、屈折率が等しいが分散は異なるペアで選択される。

1946年までに、MMルシノフによるRussarのレンズ設計は世界中で文書化された。彼の特許は写真レンズに関連する多数の特許で参照されている。

公園の椿 Russar MR-2 20mm f5.6 PYCCAP MP-2の作例

ルシノフのRussarを元に設計されているレンズは、ZeissのBiogonやSchneiderのSuper Angulon、RodenstockのGrandagonなどがある。「MR」はルシノフ(Rusinov)のイニシャル(Mikhail Rusinov)から名づけられたと言われている。

参考文献:https://microsites.lomography.com/russar-lens/jp/history/ , https://filmphotograph.com/russar-mr-2

Russar MR-2 20mm/f5.6(PYCCAP MP-2)の外観レビュー

撮影機材カメラはSonyα7Ⅳ、撮影機材レンズはAuto Chinon 55mm f1.7 macro Malti Coated。被写体はカメラがSony α7C、レンズはもちろんルサールMR-2 20mm/f5.6でL/M変換リング→焦点工房のヘリコイド付きマクロアダプター→ボディという装備。

KMZ Russar MP-2 20mm f5.6をAuto Chinon 55mm f1.7 Macro Multi Coatedでブログ外観レビュー用に物撮り

かわいい。レンズとカメラボディにバッテリーとSDカードも入った状態で683g。現代のフルサイズミラーレスはすごい。

KMZ Russar MP-2 20mm f5.6をAuto Chinon 55mm f1.7 Macro Multi Coatedでブログ外観レビュー用に物撮り

色々な情報入れ込んだ広角でスナップも楽しい。

KMZ Russar MP-2 20mm f5.6をAuto Chinon 55mm f1.7 Macro Multi Coatedでブログ外観レビュー用に物撮り

うずうずしてきた。

KMZ Russar MP-2 20mm f5.6をAuto Chinon 55mm f1.7 Macro Multi Coatedでブログ外観レビュー用に物撮り

1994年製。

KMZ Russar MP-2 20mm f5.6をAuto Chinon 55mm f1.7 Macro Multi Coatedでブログ外観レビュー用に物撮り

Russar MR-2 20mm/f5.6(PYCCAP MP-2)の作例

撮影機材はSonyのフルサイズミラーレスカメラα7Ⅳ、レンズの素性を探る為にクリエイティブスタイルはNT、Jpeg撮って出し。


まぁいつもの公園つくわな。天気がいいぜ絶頂しちゃうぜみたいな。

公園の木 Russar MR-2 20mm f5.6 PYCCAP MP-2の作例

20mmは迫力満点。自分的には結構使いやすい画角。

公園の木 Russar MR-2 20mm f5.6 PYCCAP MP-2の作例

状況によって広角の視野の癖と標準域、中望遠の視野の癖がある。ケースバイケース。広角の時は瞑想に近いαやθ派で標準から中望遠はドーパミンやβエンドルフィンなどの脳内麻薬に似たオルガズムに近いというか。

公園の木 Russar MR-2 20mm f5.6 PYCCAP MP-2の作例

だから広角は自然体で楽。煩悩が少ない。

公園の木 Russar MR-2 20mm f5.6 PYCCAP MP-2の作例

青梅の庭師の腕前がすげーんだ。マジで。街中アートよ。

公園の木 Russar MR-2 20mm f5.6 PYCCAP MP-2の作例

ね?広島の原爆ドームと平和記念像みたい。

公園の木 Russar MR-2 20mm f5.6 PYCCAP MP-2の作例

これな(拾い画)。うちの家系霊感強くて割と皆何度か霊や人魂見てたり不思議体験してる。ぶっちゃけ現世の人間界の方がオカルトって認識。

広島原爆の平和記念像

エモかっこいい。あぁやっぱ絶頂しちゃったわゴメン。太陽が原爆で木が平和像の骨格と腕で切り株が平和像の立膝っぽい。

公園の木 Russar MR-2 20mm f5.6 PYCCAP MP-2の作例

河津桜きれい。一輪だけ見つけた幸せ。満開になるといっぱいミーハーなカメラマンとか観光客とか来るから嫌じゃ。浮かれてガヤガヤうるさい。ひっそり孤独で貸し切りミニマムオーガズム。

河津桜 Russar MR-2 20mm f5.6 PYCCAP MP-2の作例

逆光の眩しさもいい。子供の視点は常に世界を見上げている。

公園の木 Russar MR-2 20mm f5.6 PYCCAP MP-2の作例

写真を撮る姿勢が低い場合が多いのは幼少期の視点の記憶からか。

公園の木 Russar MR-2 20mm f5.6 PYCCAP MP-2の作例

さよなら地球。

公園の木 Russar MR-2 20mm f5.6 PYCCAP MP-2の作例

作例は以上。

Russar MR-2 20mm f5.6(PYCCAP MP-2)KMZの写りの特徴まとめ

  • 淡いフレアーと滲みがエモい
  • 緻密で繊細な描写の希少な超広角オールドレンズ
  • 後ボケ、前ボケ共に結像甘い雰囲気で自然にボケてエモい
  • 開放F5.6というスペックの割にピント面は甘い
  • 周辺減光あり
  • 紫ゴーストや円環ゴースト出現
  • モノクロでもカラーでもイケる
  • 小さくて軽くて写りも最高
  • 非常に優秀で20m付近の超広角オールドレンズでは最有力候補

まとめ

Russar MR-2 20mm f5.6は開放値がf5.6と控えめなスペックな本レンズは、描写は優秀な反面、淡いフレアーや滲みがエモい。歪曲収差は適切に補正されていて、この時代の20mmという超広角レンズにしては周辺減光は適切に抑えられ、f5.6という暗さも感じられず、高描写でモノクロもカラーもイケる。レンズのそもそもの特性である周辺像の流れや周辺光量落ち、淡いフレアーや滲みがエモく印象的な描写となりクセ玉っぽさがある。

ルサールはロシアが世界に誇る超広角の銘玉クセ玉神オールドレンズだ。何より20mmという広角でこの小型軽量はありがたい。広角レンズは鏡胴が大きく重量も重く値段も高価になりがちだが本レンズは5万円~7万円で入手可能でコスパも優れている。今回は数十分の試写だったが次回はマクロ域の写りも堪能したい。今回は以上。本日も素敵なオールドレンズライフをお過ごしください。

 

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