Elmarit M 28mm f2.8 2nd レビュー作例 ライカ広角銘玉神オールドレンズ Leitz Leica
Elmarit M 28mm f2.8 2nd レビュー作例 ライカ広角銘玉神オールドレンズLeitz Leica。厳密にはLeicaではなくLeitz Canada。レンズ重量283g+アダプター90gで373gに迫るのでずっと迷っていたが、いざ使ってみると自分の手にフィットして操作性が抜群だった。手に吸い付いたマジで。エルマリート2ndと結婚するわ。
Elmarit M 28mm f2.8 2nd 第二世代オールドレンズの購入に至った経緯など
Elmarit 28mm f2.8 M 2nd 第二世代は筆者がずっと欲しかったライカの広角レンズだ。購入前に数本試写もした。レンズの状態によるのかゴーストの出方が違った。モヤモヤと汚いゴーストが出る個体と、整った形のゴーストが出る個体があった。屋内の照明でそれだけの違いがあった。ちなみに筆者が購入した個体はゴーストはほぼ出ない。
また、別の店舗でシルバーのかっこいいかぶせキャップが付属した個体を見つけたがなぜか購入しなかった。理由は、そこそこ重量があるから半分諦めていたのと、α7Cⅱの発売を1か月半後に控えていたのでレンズは諦めようと思っていたからだ。しかし結局、所有しているレンズなどを売却して資金にしていつの間にか購入していた。
レンズを外に持ち出して初試写して思った感想は、人体工学に基づいて設計したのか?という位操作性が良くて驚いた。スナップ撮影していて快適で楽しいレンズだった。ライカLマウントの小さいオールドレンズも安くていいが、なるほどライカMも捨てがたいと思った。
そうかライカMはレンジファインダーのM3最高峰からの栄枯盛衰で一眼レフカメラに座を譲るという歴史がある訳か。で、要するにアレだ。新たな沼の扉を開けてしまったという悲劇だ。
アレだ。「沼第二章始めました。」いやいやいや笑えないから。あと初夏の冷やし中華みたいに言うな。あと夏はエアコンと冷たい飲み物で内臓冷えがちなので温かい飲食を心がけるべき。って真面目か。
Elmarit M 28mm f2.8 2nd 第二世代オールドレンズとは
後玉が飛び出てM5やCLに装着できなかった光学が対象型の第一世代エルマリート28mm(6群9枚)。第二世代は、光学設計を見直して6群8枚のレトロフォーカス型になって登場した。とは言えレンズ構成を見るとレトロフォーカス型の思想を取り入れた対象型で、ライカ社もライカの28mmは全て対象型だと発言している。
Elmaritは28mmの他に21mmもあり、現在でも生産されているロングセラーモデルだが、レンズ構成はそれぞれかなり違う。LeicaのF2.8がElmaritだ。ライカMマウントになった頃から、開放F値でレンズ名を統一している。
- F1.4以下 Noctilux
- F1.4 Summilux
- F2 Summicron
- F2.4 Summarit
- F2.8 Elmarit
- レンズ構成が3群4枚Tessar型のElmarはF3.5、F2.8共にElmar銘
ちなみに、ライカLマウントに関してはレンズ構成Heliar型はHektor、50mmのライカ初代ダブルガウスはSummar、Summitar、Summicron、Xenon→Summarit(シュナイダー)など名称を変更してきて、ライカMのSummiluxに受け継がれた。つまりSummiluxの直前がSummaritで一番古い先祖がSummarで、なぜか一番地味な存在がSummitarだ。レンズ構成が特殊で面白いのに。絶対いい写りするはず。
Leicaの28mm広角レンズは戦前1935年Hektor28mmF6.3に始まり、近年復刻もされた1955年Summaron 28mm f5.6。しかし、日本ではすでに1951年にCanonがSelenar 28mm f3.5を発売し、1957年にCanon 28mm f2.8 L39を発売している。
これについてライカの時代遅れ感は否めなかったという人もいるが、しかし、明るいレンズが優秀でそこに求めている写りがあるという方程式は必ずしもイコールではない。キャノンにはキャノンの、ライカにはライカの美学がある。
品質と写りを最優先していたライカと、コスト削減して安価でそこそこ程度のいいものを大量生産していた日本は対局の存在。現に日本のレンズはクモリやカビがひどい。高温多湿の気候だから仕方ないというが、ほぼ硝材の問題だと思う。
ライカは鏡胴やガラスの替わりにプラスチックや樹脂を使用したりしない。釘を刺しておくが、日本のレンズがライカより劣っているという訳ではない。スタイル、思想の違い。ただ、日本の各メーカーは戦後ライカを目標に追いつけ追い越せで企業努力をしてきた。
レンジファインダー機最高峰M3の登場でこれは勝てないと、一眼レフカメラへ移行するなど、ライカの得意分野で勝負しては勝てないと、自分達の得意分野を開拓して伸ばしていったことは事実だ。
Elmarit M 28mm f2.8 2nd 第二世代オールドレンズのスペック
- 製造年:1972~1979年
- 6群8枚レトロフォーカス(対象)型
- 最小絞り値:F22
- 画角:76度
- 最短撮影距離:0.7m
- 絞り羽根枚数:8枚
- 重量:285g(実測値)
- フィルター:E48
- フード:12501
- 中古市場価格:(2023年11月現在):15万円~28万円
Elmarit M 28mm f2.8 2nd 第二世代オールドレンズ構成
雑誌の写メで申し訳ない。真ん中Heliarで両側大きな凸で対象型確保して最前面に少し離して大きな凸メニスカス。レトロフォーカスではない。レトロフォーカスっぽいヘリアー拡張型。と見た。真ん中は前群ゾナーで後群ガウスの思想っぽいけど、やはり純粋なヘリアーとも違う。おもしろ。
Elmarit M 28mm f2.8 2nd 第二世代のオールドレンズ外観Review
Sony α7CⅡ、Auto Chinon MCM 55mm f1.7 Macro Multi Coated Lensで撮影。
コーティング美しい。シリアルナンバーから1975年製と思われる。ライカがウィルドに買収された直後だね。
すげーエモい写りするから。ビビるぜ。
真鍮製で見た目は高級感ある。くびれボディも美しい。
最短撮影距離0.7mなのでいつものヘリコイド付きマクロアダプター装着で0.2m位まで寄れる。
レンズの状態メッチャいい。
ヘリコイドもヌルンヌルンで快適。
いいなぁ~。
ずっと欲しかったんだよな。ようこそわが家へ。
Elmarit M 28mm f2.8 2nd 第二世代オールドレンズの前期型と後期型の違い見分け方
Elmarit M 28mm f2.8 2nd(第二世代)の前期型と後期型の違いは、ピントリングの指かけの形状。
- 前期型のピントリングはギザギザあり、無限遠ストッパー付き。
- 後期型のピントリングはギザギザなしで現行に近いシンプルな形状、無限遠ストッパーなし。
前期型と後期型で光学の変更はないようだ。
Elmarit M 28mm f2.8 2nd 第二世代オールドレンズの作例Review
本ブログの全ての作例はスマホではなくPCモニターで見る事をおすすめします。多分スマホじゃ判断できない世界観なので。そう、自分がスマホで見てもようわかりません。
開放。バリクソエモい。このレンズはモノクロもカラーもいけますぜダンナ。ほぼ撮って出しだぜおいこれ。
色んな表情があるぜこのレンズ。ハイライトが滲む感じいいね。jpeg撮って出し。
ちょっとハイライト抑えてみる。全体的に締まるが、まとまり過ぎてつまらん。ライカは撮って出しでいけるな。そりゃライカはアンダー気味に撮った方がかっこいいけど。
マクロアダプター付ければ寄ってもよし。ボケが特徴的。そうか真ん中ヘリアー型か!よく見るおいしそうなこの植物はヨウシュヤマゴボウで猛毒あるんだって。
ワンコが付いた鍵。落としちゃったんだね、青梅は道端の落とし物をその辺に引っかけておいてあげる優しさがあちこちにある。ホントに。写り?ハイライトの滲みがエモい。あとワンコの表情と立ち姿がかなりかわいい。デザインした人絶対ワンコ飼ってるなコレ。「散歩行くの?行くよね?って顔してる。」
センニンソウ。周辺が滲んで薄っすら自然にボケる感じがセクシー。そうかヘリアーか~。このレンズでこの視点で見てるマニアックな人見たことないけどダイジョブ。
マクロ側の描写能力の高さに驚く。すっげ。かなり好みなんだけど。ヘリアーはさ、よく写るんだよ。基礎ヘリアーのレトロフォーカス拡張かな。かわいい花だけど猛毒があるんだってさ。
ちょっとアンバーかぶって空の諧調が伸びる感じがレトロフォーカス型っぽい!これこれ!対象型だがレトロフォーカスっぽい写りもちゃんとあって嬉しい。硝材かなぁ、田舎のイエナっぽい感じが素敵。jpeg撮って出し。別で潰れ気味のシャドウを持ち上げてみたが、やっぱり個人的には不自然に感じてしまうので、己の目でその時見た自然に近い感じが好きだな。
ガードレールを飲み込む植物たち。つおい。道路の白線の滲みがエモい。
髪の毛みたい。植物つおい。やっぱいいな第二世代エルマリート。無理して買ってよかった。
なぜ計画したように古びてるの?このほったらかし感大好きなんですけど。
ここ好きなんだよね。パワースポットだよここ。青梅市今井。後から知ったがすぐ近くに城跡が2つある。てか青梅は自称平将門の末裔の豪族三田氏によって城だらけ。大手町の将門塚好き。弱者救って殺されてからの怨念とか萌える。「ワシも加勢しますぜアニキ」みたいな。「一緒に怨念晴らそう、憑いてくれ」とか言って将門塚に週一で会いに行ってたことを思い出した。
ブルーベリー畑。うまそうだ。ビタミンAが目にいいと有名だが、ベリー類は総じて精力増強にいい。つおい。
赤いコスモス。偶然アリさんがいた。こんちは。さかさま中ですか?つおい。
風で揺れてピント外れてエモくなった。やっぱ近接時のボケ大好き。メイヤーっぽいか?つおい。
ここ好きなんだよね。初めて見た時驚いた。異次元、異空間だと。28㎜は自分の視点の癖に近い。28mmがちょうどいいかも。つおい。
どこだここは?異次元ワープ?ワープなのか?って思う。ワープは古い、タイムリープか。なんでもいいや。28mmでF2.8という明るさで無限(テレ)側でも開放でいけちゃう。つおい。
絞ると周辺画質はよくなるが、やっぱ開放の方が味がある。そっか、ライカMの銘玉かこのレンズ。いまいち自覚がない。手への収まり方と一体感がハンパないだけ。つおい。
映画の世界というか、タイムトリップした感があるのよね、この辺り。多分そうなんだろう。第六感。つおい。
トトロだ。つおい。
トトロがいるかもしれない。予感。
寄り添うドラム缶夫婦と一斗缶の子供と石ころはワンコ。かわいい。
ライカは快調が豊富なレンズが揃っているのでモノクロが活きるが、この時代になるとカラーモノクロみたいなかっこよさがある。決して現行では味わえない表現。
いつからあるのだろう、このドラム缶。
カラーもモノクロも本当にどっちもイケる。
今日撮った中でこの写真が一番好きかも。鳩がラスボスに見えた。つおい。
ラスボス登場。イカした登場曲を流してください。烏賊じゃなくてイカした、ね。イケてるがイカへ変換されたのか?イカはツァイスに吸収合併されたね(ネタがマニアックで一般ウケしない)。
見えにくいがトンボさんいるよ。勇敢なトンボさんが邪魔な鉄塔をぶち壊しに向かっています。筆者はトンボさんを全面的に応援します。加勢しますぜアニキ。トンボさんつおい。
これも好き。大地の実り。米は日本人の心。そろそろ新米の季節か、ジュルリ。夏から秋へ変わりゆく季節の変わり目の雲もいいよね。
これが今井城跡。4回位逝った。最初は知らずに後から知ったんだけどね、跡って。え?ダジャレじゃないよ。韻。(一緒じゃ)
肥料が人に見えた。ポートレート。肥料さん笑ってんぜオイ。かわいいな。
晴れてると富士山が見えるのだが、鉄塔が景観を損ねている。これ景観を害する違法だろ。どけろよ金の亡者め。とい言つつこの邪魔な鉄塔も歴史の証人。
エモいっす先輩。お疲れ様でーす!(知らない)
背後で音がした。「カタン!」「む!何奴!?」柄と鞘に手をかけサッと振り向く。…結果、ドングリさんでした。そういうセットで落ちてきたのね。マジか君。子孫繫栄。種だけにね。
今井城跡のお地蔵さんとほろ酔い。が備えてある。
今井城跡。と私がスナップして撮り歩いた跡のブログ。
撮るの疲れてきた。アチイ。いいよ暑くても。暑いの好き。太陽サンサン夏休み。
アトリAって書いてあるかわいい小屋。
読み方を教えてくれている。A(えー)じゃなくて「え」ですよ。だからアトリAは「アトリエー」とか「アトリエース」じゃなくて「アトリエ」ですよって言ってる。親切だな。でもこれだと「アトリえA」になっちゃって本来の読み方と変わってしまい何が本当の読み方か迷宮入りして解説が延々と続く漫才のタイプのネタですよね。意味わかる?
で、真面目な話、この「A」はさっきの邪魔な鉄塔で、トンボさんはこの地域の田んぼを意味していて、電磁波は食物にもよくないし、芸術性や景観を損ねる邪魔で無礼な鉄塔を「A」で表している。多分そう。鋭い?鋭い?褒めていいよ。調子に乗るからいっぱい褒めていいから。遠慮しなくていいから。ほら。え?しつこい?
路地からふと見える景色が好き。奥の家の白い椅子、絶対狙ってるよな、センスあるわぁ。絵画だもんなコレ。
のぼりの滲みが美しい。直売所が至るところにある。
100円の茄子を買いました。おいしゅうございました。謝々。
かわいい画。払わない奴がいるのか?それは泥棒だぞ? 色褪せ具合から考えてこれを書いてくれた子供は今何歳だろう?って想うと時間軸で泣ける。基本的に時間軸で泣けます自分。
すげー楽しかった。28mmいいな。自然体でいられる。で、やっぱ真鍮の触り心地と精神が共鳴する感がいい。Love。
Elmarit M 28mm f2.8 2nd 第二世代オールドレンズの写りの特徴と試写した感想
- トーンが美しくグラデーションに伸びがあって美しい
- 発色は穏やかでコクとツヤがある
- 開放で周辺減光あり
- 開放は周辺画質はかなり甘い
- 中間調が豊富なのでモノクロもかっこいいが、カラーもニュートラルな発色でエモい
- ディストーションも気にならない位高いレベルで補正されている
- カリカリせずに線が細く柔らかい自然な描き方
- オールドレンズの良さと現代の良さのバランスがいい
- やはり期待通り滲みが美しい
- 285gと少し重いのが気になるが操作性が良い為実質の重量程はかったるくない
- トンボさんつおい
Elmarit M 28mm f2.8 2nd 第二世代オールドレンズで撮影して感じたことをブログっぽく語る
スペックや人の作例だけではわからないことがある。手に取って持ち出して感性に素直になり撮り続けてみる。いいと感じたら「もっと」と他のレンズを買わずに使い倒してみる。いつの間にかレンズの収集と試写と作例のアップが目的になっていた。
確かにレンズ構成やレンズの歴史の勉強になるし写りの違いの勉強になった。しかし、そもそも自分を表に連れ出す為の相棒としてカメラを始めたのに、いつの間にかリサーチがメインになっていた。
写真が上手くなりたければ誰よりも撮ってないと上手くなれないよ。そう改めて感じた。面倒なことになった。手持ちのレンズ8割売りたい。少なくとも半分は必要ない。戦前もいいしニュージェネレーションより前までのライカが好きだと思った。
なぜ?ウィルドが経営権を握る前のElnstr Leitzが好きだから。俺を呼んでいるから。パワーストーンを集めていた時も、石に呼ばれることがあったが、レンズも同じ。「石」は「意思」。
レンズの硝材にも石や鉱物が使用されている。やはり鏡胴も真鍮がいい。銅は鉱物の中で熱伝導率が一番高く精神と共鳴しやすい。仏教やヒンズー教などの物像や密教法具などの素材に銅が用いられるのもそのような理由から。
写真は魔術。確かにそうかもしれないと思った。霊性や感受性が高い変人にカメラ好きが多い気がする。私は「マニュアルフォーカスでピントを合わせるのは儀式」と思っているが、そうなんだろうなきっと。
という事で、カメラとレンズが私の密教法具です。南無。なんのこっちゃ。
まとめ
筆者は戦前ライカが好きでL39スクリューマウントのオールドレンズは所有していたが、ライカMマウントはコーティングも施されていて現代っぽい写りが強いので避けていた。ライカLはライカMに比べると安いし小さく軽く「戦前ライカはよく写る」の呪文を信じていた。
が、この後に球面ズミルックスも入手したが、レタッチ不要のハイレベルなパフォーマンスに圧倒された。戦前Lの良さと戦後Mの良さは別物だと気付いた。
というか単に古いものが好きで戦火を潜り抜けてきたレンズに興味があったのだ。しかし、今回、初めてライカMマウントのエルマリートを購入して使用してみて、感動した。個人差はあると思うが、筆者は手に吸い付いたし撮って出しで勝負できる画像のクオリティに正直驚いた。
操作性も抜群で、マウントアダプター込みで373gという重さは気にならなかった。ずっと探していたこともあり価格も本レンズにしては比較的安価で入手できてよかった。高いと20万円近くするし。ただ、やはり欲を言うともう少し小型軽量だと助かる。
本記事の作例を見て興味を持ったら中古カメラ屋で実際に手にしてカメラボディに付けて試写してみるといい。
今回は以上。本日も素敵なオールドレンズライフをお過ごしください。