Leica Elmarit-M 28mm f2.8 1st 2nd 3rd 4th ASPHの違い エルマリートが欲しい
ライカのエルマリートM28/2.8がほしいので世代別に比較してみた
Leica Elmarit-M 28mm f2.8 1st 2nd 3rd 4th ASPHの違い エルマリートが欲しい!!ということで、オールドレンズの物欲が止まらない筆者です(後にElmarit M 28mm f2.8 2nd購入)。ライカは高価なので安価なL型ライカのオールドレンズを漁ってきた貧乏症の筆者だが、所有するレンズも増えてきてMマウントかLマウントに絞り統一していこうと最近思った。そして今まで避けてきた高価なM型ライカへの沼が始まる予感がひしひしと。今回は28mmの雄エルマリートを世代別に比較して沼ろうと思い筆を取った。
そもそもは初代(2代目含む球面)Summilux 35mm f1.4は絶対に買ってやると決めている。そして35mmF2の2代目6枚玉か3代目の7枚玉。そして固定鏡胴のSummicron50mm。LはSummarit50/1.5を買って終わり。そんな訳で順調にいけば来年には終着駅に到達する予定だ。そして他のレンズの大半は資金源として売却する。できるか?自分!?
では、エルマリートM28/2.8世代別の違いを備忘録として記録する。
初代 Elmarit M 28mm f2.8の特徴 第一世代
- 1965~1972年製造
- シリアルナンバー2314921以下
- フィルター径 E48
- ドイツ ウェッツラー製
- 中古価格100万円以上
Elmarit28mmの中で圧倒的一番人気。というか製造本数3200本以下の為市場で見かけることはありまなく値段も桁が1つ違うほど高価。後玉飛び出てCLやM5では後玉が内部干渉して使用不可、その他ボディによっては干渉リスクあり。
6群9枚の対象型。真ん中ガウスで両端は少し離して大きなメニスカスみたいなレンズ構成。前側は3枚張り合わせで後側の後部の貼り合わせを剥がしたみたいな。後のウルトロン型と言われるガウスの発展型の思想みたいな。
写りは柔らかく繊細で魅力的で今でも熱狂的ファンが多い。重量は225g、243gなど諸説あり。
前期型:feet表記が赤。ストッパーの素材は真鍮でブラックペイント。
後期型:feet表記が黄色。ストッパーはシルバーメッキ加工。
2代目 Elmarit M 28mm f2.8の特徴
- 1972~1979年製造
- 最も初期の極少数は第一世代のくびれがある美しい鏡胴を使用しているが、非常に少ない。
- 滲む。優しい。淡い。周辺の結像は甘い。
- カナダ製
- 重量:実測値285g
- 中古価格:10~18万円
間違ったレンズの重量を記載している書籍やサイトをよく見かけるが、適当な情報多いので信用しない方がいい。自分でレンズの重量を測った方がいい。検討しているレンズの重量が知りたければ、測りを実店舗に持ち込んで測定させてもらえばいい。実際にエルマリート2代目も3代目も情報が滅茶苦茶。
6群8枚レトロフォーカス型という説が多いが、レンズ構成を見ると対象型から抜けていないように見える。レトロフォーカス型の思想を取り入れた対象型には見える。真ん中2:1:2のHeliarで両側少し離して大きなメニスカス。そして、前群のメニスカスがもう1枚追加されて2枚になっている。で、やはりこれだと対象型を抜けてないと思う。初めて見るレンズ構成だぞ。もはやエルマリート2型か?
で、2000年某A誌でライカ社が「28mmも35mmも一見そうは見えないかもしれないが、対象型の設計だ。」とコメントしている。(写真工業出版社 世界のライカレンズP48より)
レンズの重量は235gという噂もあるが実測値は285g。書籍もWebサイトも情報が適当過ぎる。初代よりレンズ1枚少なくなったが明らかに重くなった。初代の鏡胴を利用した初期型と、鏡胴も変更した後期型では重量が違うはずだ。エルマリート28/2.8全モデルの中で一番重いのが第2世代。
1950~60年代繁栄したライカにとって、1970年代は苦難だったらしい。その時代に作られたレンズなのでコストダウンしているようだ。実際にレンズを触ったところ、絞り羽根のクリック感がおもちゃっぽくて驚いた。「絞り羽根おもちゃみたいに安っぽい!国産かよ!おいおいどうしたライカさん、初めてのライカMレンズがこんなにしょぼくていいのかい?」と店員さんの目の前で心の声が洩れました。でも店員さんはしれっと乗っかり「そうなんですよ~」「コスト削減?1970年代で?」「そうみたいですね~」的な会話が繰り広げられた。
第一候補だったが3rdと迷ってる。しかし、3rdの方が描写は堅くなってるのは確かなのだ。アダプター装着して390g位か。重くても込みで300g以内に収めたいのだが。そう、ライカLマウントのレンズは総じて軽いのだ。それは大きなアドバンテージとなる。
- 前期型:無限遠ストッパーが付いている。ピントリングの指かけにギザギザあり。
- 後期型:無限遠ストッパーなし。ピントリングの指かけにギザギザなし。
3代目 Elmarit M 28mm f2.8の特徴
- 1979~1993年
- 重量:260g
- 中古価格:13~20万円
いわゆるライカのニュージェネレーション。コンピューター設計が用いられるようになった世代。写りは第二世代までの滲みや柔らかい描写とは違い近代的な描写。
2nd同様6群8枚だが当時最新の低屈折率レンズを使用するなど光学含む設計は大幅に変更されている。コーティングも最新。フレアの発生は抑えられ、コントラストも高い。鏡胴は第三世代以降、ストレートなデザインになりその後も現行のエルマリート28mmやズミクロン28mmにも引き継がれている。
製造本数がそこそこ多いので高描写の割に中古市場ではよく見かけるし2023年現在14万円~20万円以内で入手可能。価格は第二世代とほぼ同じ。後群の超でかい玉がビオゴンっぽいんだよなやはり。全体的にはビオゴンの思想があり、世代によって真ん中をガウスやヘリアーにして両側をビオゴンっぽく覆って、最前玉はレトロフォーカス思想の巨大なメニスカスみたいな。なんとなく。
ごく初期のシリアルナンバー279…はピントリングが扇形ギザギザのタイプで鏡胴がくびれている。コーティング色も違う。2ndより軽いが鏡胴が長い。
4代目 Elmarit M 28mm f2.8の特徴
1993年~
さらに改良。7群8枚。発色はコッテリとしていてコントラストも高くよく写る。現代的描写。なぜエルマリートは非球面レンズを採用しないかとの記者の問いにライカ担当者は「エルマリートは非球面レンズを採用しなくても充分よく写る」と回答。その一方で非球面レンズを使用しなければこれ以上高描写は望めないとも語っていた。どないやねん。
5代目 Elmarit M 28mm f2.8 ASPHの特徴 現行
2016年~
6群8枚でようやく非球面レンズを採用。180gでライカMの中で最軽量。近代的な写りなので往年のオールドライカらしい描写はそこにはない。写りは好みの問題。
まとめ
本当は鏡胴がおしゃれでかわいくて写りもエモい第一世代が欲しいが日本円で120万円くらいするので瞬殺で諦めた。というかボディ内干渉するしと自分に言い聞かせ、元々狙っていた第二世代を入手した。2ndも鏡胴かわいいが285gと割と重い。アダプター装着すると380g位ある。でも操作性がいいので重量ほどは苦にならない。が、やはりアダプター装着したレンズ総重量で300g以内に収めたいのでレンズ自体は200g前後を基準に選ぶ。そうした。
で、後日購入したLeica Elmarit-M 28mm f2.8の作例はこちら。