JUPITER-12 35mmF2.8のReview作例 ビオゴンコピー 旧ソ連ロシア製準広角おすすめオールドレンズ
ロシア製準広角おすすめオールドレンズJupiter-12 35mm f2.8はBiogon35mmF2.8コピーと言われている。Biogonは1931年にルートリッヒベルテレ(Bertele)がContax用Sonnarの設計を元に開発した準広角オールドレンズだ。
Sonnarは画角を広げると非点収差が増大するという収差の弱点があったため標準や中望遠には対応できるが広角レンズは苦手だった。そこでベルテレはSonnarの設計思想を維持しつつレンズの最後尾に巨大な後玉を配置して見事にゾナーの弱点を克服したBiogonを開発した。
今回レビューするジュピター12はそんなビオゴンのコピーレンズで情緒あるエモい描写が特徴の筆者おすすめ準広角オールドレンズだ。しかも1万円程で入手可能とコスパも抜群。
JUPITER-12 35mmF2.8のスペック
- 製造メーカー:LZOS(ルトカリノ光学硝子工場)
- 製造年:1950年~1990年代初め(1991年は確実らしい)
- 焦点距離:35mm
- レンズ構成:4群6枚
- マウント:L39(ライカL)マウント
- 絞り羽根枚数:5枚,五角形絞り
- 絞り値:f2.8~f22
- 最短撮影距離:1m
- 重量:101g
JUPITER-12 35mmF2.8の外観レビュー
撮影機材はSonyのフルサイズミラーレスカメラ α7Ⅳ、撮影機材のレンズはPentacon 50mm f1.8 Multi Coating。F8。
鏡胴の素材はアルミニウムで軽量化されている。筆者が所有している個体は鏡胴がブラックだが、レンズは小さくα7Cに装着すると、とてつもなくかっこいい。おさまりがいい。
ロシアレンズはマジで侮れない。ロシアは共産主義国家で民間企業という概念が存在しない為、全て国営。よって貧富の差もなく競争相手は国内にはいない。よって高品質の商品も安価に入手できる。そんな感じで大量生産されて玉数が多いので価格が安い。だが中身は本物。
イエロー系のマルチコーティングが施されている。
ビオゴンコピー。ロシアンレンズは物理的にカールツァイスイエナの血を引く兄弟。
ベルテレが設計したビオゴンはトポゴンと並びZeissで最も高価なレンズだった。そのコピーレンズが1万円前後で入手可能。むしろ改良されているので、より高品質とも言える。戦勝国で資源も物資も豊富だし。
JUPITER-12 35mmF2.8の作例画像
撮影機材カメラはSonyのフルサイズミラーレスカメラα7C、クリエイティブスタイルはNT、jpeg撮って出し。
周辺減光あり、曇り空が怪しく濁り光る。
明らかに周辺像が流れる。この味わいがいい。
新宿駅南口(サザンテラス口)はマイナーだがなぜか好きだ。
新宿都庁。歪曲収差が見られるがそれもかっこいい。
アーティスティックな標識。
2022年4月から自転車はヘルメット義務化の努力を推奨するが、自分も耳が痛いがそりゃそうだ。頭を強く打って死亡する人が圧倒的に多い。見ていて危険。
新宿西口に用があっても改札は南口から出るという離れ業をいつもする。
雑踏。
皆どこへ行く。
現実。
ヨドバシカメラ東館がすでに文化遺産に見える。
周辺部の結像は甘い。下方は前ボケ、上方は後ボケの配置となっているのでその影響もある。
ゴミ捨て場の網の中心部のピント面の解像度と周辺の像の流れのギャップが面白い。
虹ゴースト。紫も出る。
情緒。
情緒。
雑にゴリ押しにペイントした「ワ」
潰れたドラッグストアの残骸。情緒。
窓越フィルターがレトロでエモい雰囲気を醸し出す。
エモい=emotion=情緒だが「エモい」はレトロよりもメルヘンチックなイメージが先行する。
レトロな雰囲気がいい。
経年劣化が好き。
食欲の秋?一年中特に変わらないが冬は太りやすい。汗をかく機会が少ないからか?寒いと震えてエネルギーを消費するが現代人は暖房で暖かくしてしまうから自然の摂理に反して太るのだと思う。
帰りに家の近くの公園で拾った落ち葉とどんぐりが季語となり画になってしまった。
落花生が大好き。
適当に撮ったがなんか画になった。
Jupiter-12 35mm f2.8の写りの特徴レビュー
Jupiter-12 35mm f2.8の作例を振り返ってみて、今回はマクロ域の写真は少ないが、街のスナップや食卓でも充分楽しめるオールドレンズだと思った。35mmレンズという使いやすい焦点距離で程よいマイルドな収差が心地よい。
周辺減光や歪曲収差も作風に活かせばオールドレンズテイスト溢れる作品づくりができる。レンズにはマルチコーティングが施されているが逆光態勢は弱くかなり派手なゴーストが出現する。
Biogonを元に設計されただけあって中央部の解像度は高くピント面もシャープだが周辺の像の流れとのギャップで面白い画づくりができる。シャドウの描き方もいい。久々に昔の作例を引っ張り出したら中々面白いオールドレンズだと再認識した。レンズ自体も小さくて軽いので準広角オールドレンズとしてスナップのお供に最適だ。
今回は以上。本日も素敵なオールドレンズライフをお過ごしください。