P.Angenieux 50mm f1.5 Type S21とは 銘玉神オールドレンズ
P.Angenieux 50mm f1.5 Type S21とは 銘玉神オールドレンズ
P.Angenieux 50mm f1.5 Type S21 とは
P.Angenieux 50mm f1.5 Type S21とは1953年~1960年頃にフランスのP.Angenieux社で一眼レフカメラ用に製造されたレンズ構成4群6枚ダブルガウス型のオールドレンズ。「S21」の「S」はAspherical(非球面)レンズを採用せずSpherical(球面)レンズのみで構成された光学の意味らしい。マウントはM42、EXAKTA、レクタフレックス、ライカLなど。
オリジナルS21の焦点距離はEXAKTAが44.7mmで M42が45.5mm、対角画角は46.8° (35mmフルサイズ) 参照:https://lens-db.com/p-angenieux-paris-50mm-f15-type-s21-1953/
この時代のダブルガウス型50mm f1.5のレンズ構成はLeiz Summaritなど4群7枚構成がほとんど。1960年台、1970年代のレンズも然り。S21がたった6枚のガラスでガウス型を採用して50mmでf1.5を達成したのは非常に興味深い。なお、Canon 50mm f1.4 LTMも6枚ガウス。
P.Angenieux 50mm f1.5 Type S21 レンズ構成図
岡田さんのブログからオリジナルS21の画像を拝借。これ見てピンときた。
Planarの対称性を崩したLeeのOpic f2に非常に似てるというかほぼ一緒。S21は2群の2枚目の内側が平面ではなく膨らんだ球面。この球面(Sphelical)がS21の語源か?
画像転用元:写真レンズの歴史
ちなみにOpicはハリウッドを座巻したスピードパンクロの原型。しかもアンジェニューはシネレンズが得意。もはやf1.5のシネレンズかよ!ってくらい。
P.Angenieux 50mm f1.5 Type S21の中古相場
オリジナルS21をお目にかかれる機会は非常に少ないが2025年時点での中古相場は130~180万円位と思われる。その根拠は、2021年の第39回Leitz PhotographicaオークションでP. Angenieux 50mm f1.5 Type S21のExaktaマウントが約6,000ユーロ、当時の価格で約7,200ドルで落札された。
現在の為替相場ドル円は約143円なので現在の円に換算すると約100万円。それから4年が経過しているのでどんなに少なくとも100万円以上の価値が付くだろうと推測される。150万円前後は堅いと思う。
手が出ないが大丈夫。我らが焦点工房がAngenieux 50mm f1.5 S21の復刻版Lihgt Lens Lab 50mm f1.5 Z21を販売する。プロトタイプをお借りして先行レビューを行っているのでよければどうぞ。
次は、元ネタのP.アンジェニュー社長とP.アンジェニュー社について。
Pierre Angenieux ピエールアンジェニュー社長
1907年フランスのロワール県サンテアンで生まれ、後にその地でレンズ工場を建設。サンテチェンヌ高校を卒業後、クリュニー工業大学へ進学し、その後パリ高等光学学院へ2年間通った。1934年に結婚し4児出産。
職歴は1930年~1932年パリのパテシネマ社で勤務後、パリのOPTIS社でシネマ用レンズの設計主任を務めた。1933年~1935年、ASIOM社で経営に携わり加色法のカラー映画用レンズの業務に携わった。
1935年、パリに自身の会社を設立し、故郷のサンテアンに工場を建設した。そこで、有名な逆望遠のレトロフォーカス(Retro Focus)型広角レンズを発明した。当時レトロフォーカスはレンズ名だったが、後にレンズ構成名となり現代に至る。
1957年以降は多くのズームレンズを開発し、当初のズーム比は4:1だったが累計7万本のロングセラーとなった。1961年には8mmや16mmシネマ用の8:1ズームレンズ、テレビカメラ用10:1ズームレンズも設計開発した。
1945年時点の従業員数は80人だったが、その後1000人にまで増大した。P.アンジェニュー社長はその功績によりフランスのレジョン・ドヌール賞やアメリカの映画芸術科学協会のオスカー賞など数々の賞を受賞している。
1974年、67歳で引退し、スイスのジュネーブに移住した。会社は彼の長男Bernardが引き継いだ。
出展元:フランスの紳士録1984-1985年


