PETRI C.C Auto 35mm f2.8 前期型 Review作例 ペトリの銘玉 広角クセ玉神オールドレンズ

PETRI C.C Auto 35mm f2.8 作例 木 モノクロ 白黒 春

PETRI C.C Auto 35mm f2.8 前期型 Review作例 ペトリの銘玉 広角クセ玉神オールドレンズ

PETRI C.C Auto 35mm f2.8 前期型 Review作例 ペトリの銘玉 広角クセ玉神オールドレンズ。レンズ構成はアンジェニューのレトロフォーカス型コピー。ちょっと引いて撮ったモノクロが超絶エモい。やっぱりペトリはいい。マクロ側で撮影した時のボケが特徴的でクセ玉に分類される。希少な遊べる広角オールドレンズ。

PETRI C.C Auto 35mm f2.8はアンジェニューのレトロフォーカスをコピーしたオールドレンズ

PETRI C.C Auto 35mm f2.8のレンズ構成は5群6枚のレトロフォーカス型でAngeniux 35mm f2.5 Retrofocus Type R1の光学をコピーして設計された準広角オールドレンズだ。そもそもレトロフォーカスとはアンジェニューのレンズ名でありレンズ構成名として定着したのは近年だ。

アンジェニューのレトロフォーカス35/2.5は1950年に登場した世界初のスチル(写真)用レトロフォーカス型を採用した銘玉。その後日本の各メーカーがアンジェニューのレトロフォーカス型のレンズ構成を真似したレンズを製造した。

国産初のレトロフォーカス型レンズは1958年PENTAX Auto-Takumar 35mm f2.3でその後各社が追従した。1965年に登場したペトリの35/2.8もこのレトロフォーカス型を採用している。ちなみに、Auto-Takumar 35/2.3は308gだが本レンズは207gと超軽量。

PETRI C.C Auto 35mm f2.8 前期型オールドレンズのスペック

  • メーカー:PETRI
  • Mount:ペトリマウント
  • 焦点距離:35mm
  • 絞り値:F2.8~F22
  • レンズ構成:5群6枚レトロフォーカス型
  • 絞り羽根枚数:6枚
  • 最短撮影距離:0.5m
  • フィルター径:52mm
  • 重量:207g(レンズのみ)、232g(マウントアダプター込み)

PETRI C.C Auto 35mm f2.8 前期型 オールドレンズ外観Review

レンズのみの重量は実測値207gと軽い。

PETRI C.C Auto 35mm f2.8の外観レビュー

ペトリのマウントアダプターはmukで購入した。ABS樹脂を使用して3Dプリンターで受注制作してくれる。マウント部は金属製なので安心感がある。値段は8500円。

PETRI C.C Auto 35mm f2.8の外観レビュー

最短撮影距離は0.5m。同スペックで同じくアンジェニューのレトロフォーカスをコピーしたコニカのヘキサノンAR35mm/f2.8は最短撮影距離が0.3mなのでそんなつもりで試写したら思っていたより寄れなくて驚いた。ヘリコイド付きマクロアダプターを装着しているので実際はもう少し寄れるが。そしてHEXANON AR 35mm f2.8とペトリ CC Auto 35mm f2.8の写りは全然違う。レンズ構成だけでは写りはわからないものだと再認識。

PETRI C.C Auto 35mm f2.8の外観レビュー

PETRI C.C Auto 35mm f2.8 前期型オールドレンズの作例review

撮影機材はSonyのフルサイズミラーレスカメラα7Ⅳ。


確か最短撮影距離で撮影。これだけ見るとクセは強く見えるが写りは素直なオールドレンズ。ボケが特徴的でこの写りだとクセ玉に分類される。希少な遊べる広角オールドレンズ。

PETRI C.C Auto 35mm f2.8 作例 草木 玉ボケ

いつもモンスターボケを出すようなゴチャゴチャ、ザワザワとした環境だが、逆に言えば激しいボケはこの程度が限度。

PETRI C.C Auto 35mm f2.8 作例 草木 玉ボケ

開放でツバキを撮影。玉ボケは周辺はレモン型で流れる。ピント面はシャープだが全体的に薄っすら滲み柔らかくふんわりした描写。Olympusっぽい?

PETRI C.C Auto 35mm f2.8 作例 ツバキ 花 ピンク 春

f5.6かな、少し絞るとパリッとする。絞り羽根枚数が6枚なので玉ボケも六角形になる。このように絞り羽根にこだわらず製造コストを削減したオールドレンズはそもそも開放ありきの設計思想かなと思う。

PETRI C.C Auto 35mm f2.8 作例 ツバキ 花 ピンク 春

モノクロ。

PETRI C.C Auto 35mm f2.8 作例 ツバキ 花 モノクロ 白黒 春

周辺の結像は甘い。雰囲気はいい。発色も控えめで自然で好感が持てる。

PETRI C.C Auto 35mm f2.8 作例 公園

切り株と落ち葉。エモい。程よい前ボケ感。

PETRI C.C Auto 35mm f2.8 作例 切り株と落ち葉

絞ってF5.6かな。引いて撮ったモノクロがエモい。

PETRI C.C Auto 35mm f2.8 作例 木 モノクロ 白黒 春

開放f2.8。モノクロがガチでハマる。

PETRI C.C Auto 35mm f2.8 作例 木 モノクロ 白黒 春

開放。木の幹の存在感。

PETRI C.C Auto 35mm f2.8 作例 木 モノクロ 白黒 春

多分絞ってる。陰影がいい感じ。

PETRI C.C Auto 35mm f2.8 作例 木 モノクロ 白黒 春

河津桜。桜の淡い優しさと背景の古びた建物のアンバランスなコントラストを狙った。クリエイティブルックはNT。

PETRI C.C Auto 35mm f2.8 作例 河津桜 ピンク 春

クリエイティブルックFL。

PETRI C.C Auto 35mm f2.8 作例 河津桜 ピンク 春

クリエイティブルックSH。

PETRI C.C Auto 35mm f2.8 作例 河津桜 ピンク 春

逆光でも解像度が保たれている。虹のシャワーゴーストが出ているが逆光態勢はやや強く派手なゴーストは出にくい印象。

PETRI C.C Auto 35mm f2.8 作例 河津桜 ピンク 春

PETRI C.C Auto 35mm f2.8の写りの特徴Review

  • 高描写
  • モノクロが超絶エモい
  • 発色は地味で落ち着いた描写
  • ゴースト控え目
  • 寄るとクセ玉感を発揮
  • 同じレトロフォーカス型のヘキサノンARは派手だがペトリは地味で大人びた描写
  • アンジェニューの写りを意識した古風で色合いは淡いが高描写という設計思想を感じた
  • ディストーション(歪曲収差)が補正されていて使える広角オールドレンズの基準をクリアしている

まとめ

アンジェニューのレトロフォーカスコピーのヘキサノンAR35/2.8はゴーストが派手で高描写かつ色ノリがいいが、ペトリは逆光態勢が強く発色は地味で淡い。同じレトロフォーカス型を採用したレンズ構成でもレンズの屈折率や使用する硝材、コーティングによって描写は全く異なる。

このような発見は面白い。ペトリの銘玉55mmF1.8(F2)も発色は地味で古めかしいノスタルジックでエモい描写をする。全体的に濁った写りもどこかイエナっぽさを感じる。ペトリ菌に感染するオールドレンズユーザーの気持ちがわかった気がする。

今回は以上。本日も素敵なオールドレンズライフをお過ごしください。

 

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