Ricoh GR Lens 21mm f3.5 Review作例 ライカL39マウント リコーの超広角銘玉オールドレンズ
Ricoh GR Lens 21mm f3.5 Review作例 ライカL39マウント リコーの超広角銘玉オールドレンズ。今回はとりあえず試写した作例を掲載した。リコーのAPS-CデジカメGR2も素晴らしかった。本レンズが発売されたのは1999年でまだ24年しか経過していないのでオールドレンズと呼べるかわからないが、ミラーレスカメラで戦力として使える超広角小型軽量の単焦点レンズとして貴重な選択肢の1つだ。ではレビューしていく。
GR Lens 21mm f3.5 L39とは
1999年に発売されたRicoh GR Lens 21mm f3.5は2000年に発売されたRicohの高級コンパクトカメラGR21に搭載する為に開発された超広角レンズである。その元となったできごとがある。リコーの高級コンパクトデジタルカメラGR1に搭載されていたGR28mm f2.8の描写がカメラ業界関係者やプロカメラマンやハイアマチュアカメラマンから評価が非常に高かった。このGR1に搭載されていたレンズを単焦点交換レンズとして使用できるようにカメラ本体からレンズをくり抜いてライカL39スクリューマウントに改良して発売されたのがGR Lens 28mm f2.8である。
このGR28mm/f2.8を設計している段階で、このレンズ構成を元により広角の21mmまでレンズを設計できると確信があったそうだ。そして、ライカL39スクリューマウントの単焦点レンズGR Lens 21mm f3.5として1999年に発売された。その翌年2000年にGR21mm/f3.5が搭載された高級コンパクトデジタルカメラGR21が発売された。レンズは限定生産で発売され、製造本数はシルバーが1000本でブラックが700本。
GR Lens 21mm f3.5 L39のレンズ外観Review
小ぶりな割にズシリと重い。実は前玉凹みレンズ。
レンズ構成はSonnarを逆にしたレトロフォーカスを改良したっぽい印象。
GR Lens 21mm f3.5 L39オールドレンズのスペック
- レンズ構成:6群9枚
- 最短撮影距離:0.5m
- 絞り値:F3.5~F22
- 絞り羽根枚数:
- フィルター径:40.5mm
- 重量:200g
GR28mmf2.8とGR21mmf3.5のレンズ構成図を比較
GR Lens 21mm f3.5のレンズ構成図
上の21mmのレンズ構成を見ると確かに後群はゾナーっぽく似ていて前群は同じく凹みレンズを使用しているが、下の28mmの後継という印象ではなく、レンズ構成の設計思想は似ているが全く別物の超広角レンズという印象を受けた。28mmはSonnarを逆にした感が強く、21mmは後群はSonnarを元にしたレトロフォーカスの思想にも見えるし、Sonnarを元にしたダブルガウス(Planar)の思想にも見える。リコーの公式HPでも「対象型」を意識したと記載があるのでガウス型の思想があることは確かだ。
GR Lens 28mm f2.8のレンズ構成図
画像転用元:Ricoh公式ホームページ
GR Lens 21mm f3.5 L39の作例Review
撮影機材はSonyのフルサイズミラーレスカメラα7Ⅳ。近所の公園で試写。噂通りの周辺減光。α7Ⅱまでは発生していたパープルフリンジはα7Ⅳでは発生しない。
モノクロ。周辺減光がエモい。
やはり21mmという超広角の焦点距離だとダイナミックな構図の写真が撮れる。周辺像は流れる。これは開放だが絞ると改善される。
GR21mmF3.5で大都会スナップも楽しそう。
しっとり。この日は近所の公園で試写しただけだが超広角はじっくり楽しみたい。
優しいモノクロで。
発色は濃厚。未加工だがシャドウ持ち上げればもっとシャドウが見えるが敢えてシルエット狙い的な感じで。
クリエイティブルックNT。玉ボケ
クリエイティブルックIN
クリエイティブルックFL
クリエイティブルックSH
ちょっと構図変わっているがクリエイティブルックST、ヘリコイド付きマクロアダプターを装着しての最短撮影距離かな、多分。
標準域オールドレンズなどでオラオラクセ玉ボケモンスターみたいな撮り方はできないが、ヘリコイド付きマクロアダプターを装着して寄ればマクロ側でも割と遊べる。
別日。なだらかな周辺減光とコントラストの付き方がエモい。
GR21mmの強烈な世界観を引き出せるかどうかはあなた次第。
グラデーション(諧調)の出方がエモい。開放では周辺はやや結像が甘いが、それでもこんなもん。2段絞ればいい。
朝日。
小ぶりな薔薇たち。
エモい建物があると入りたくなる。
すごいかっこいいだろこの寺。海禅寺。東京都指定史跡、有形文化財。
豪族三田氏の墓がある。この描写力。被写体もいいわな。
青梅って町全体が異世界感あってエモいのよ。
作例は以上。
GR Lens 21mm f3.5 L39オールドレンズで試写した感想Review
なだらかな周辺減光のトーンが印象的で、モノクロもかっこいいし、カラーの発色もいい。現行とオールドの中間にあたるレンズ。f3.5の超広角オールドレンズとして貴重な選択肢だ。Avenonもいいね。もう少し暗いとBiogonやRussarかな。
リコーのコンデジGR2は内蔵エフェクトがエモい意味でイケイケでドハマりするので、交換用のGR21mmF3.5はよく写り過ぎてある意味期待外れだった面もある。GR2のエモいエフェクトに近いプリセットを探すかGRⅡのお気に入りプリセットに近いプリセットを自作してみようと思った。レトロとハイコントラスト白黒を再現したい。
まとめ
製造本数が1700本と少なく貴重なRicohの超広角レンズGR21mmF3.5をこれからどんどん使い倒していきたい。やっぱ広角は楽しい。今回は以上。本日も素敵なオールドレンズライフをお過ごしください。