Carl Zeiss Jena 沈胴Tessar 5cm(50mm) f2.8 review作例 旧Contax C内爪
Carl Zeiss Jenaの沈胴Tessar 5cm(50mm) f2.8(CTX-RF) Black & Nickel 旧Contax C内爪マウントは1932年初代Contax(ブラックコンタックス)の標準レンズでレンズ構成は3群4枚Tessar型。筆者が所有している個体はブラックニッケル仕上げで銘板はブラックペイント。Zeiss Ikonが製造販売したレンジファインダーカメラ(通称ブラコン)はバルナックライカのライバルとして人気を博した。Zeiss Ikonとは、1926年にCarl Zeiss財団の傘下として創設されたカメラメーカーであり、2005年にコシナとカール・ツァイスが提携して開発したレンジファインダーカメラのブランド名でもある。
戦前Tessar 50mm f2.8で試写した率直な感想
Carl Zeiss Jenaの全盛期は戦前か。戦前もそうだが戦後も合併を繰り返して企業の中身は一体何なのかよくわからなくなっていった。戦前ライカはよく写るというが、Jena然りか。確かに後期のMCテッサーはコントラストが高く発色もよく優秀だ。しかし、戦前ブラックコンタックスのテッサーは嫌味がなく穏やかでバランスがいいと感じた。
購入したきっかけと購入先と購入価格
購入したきっかけは澤村徹さんの著書「沈胴レンズクロニカル」でブラコン沈胴テッサーの記事を見て外観に一目惚れして都内某中古カメラ屋にて購入。シリアルナンバーから推測すると製造は1931年だと思われる。写りは滅茶苦茶いい。
Carl Zeiss Jena Tessar 5cm f2.8の外観レビュー
撮影機材カメラはSony α7Ⅳ、撮影機材レンズはSummicron 5cm f2。被写体カメラはSony α7c、被写体レンズはCarl Zeiss Jena Tessar 5cm f2.8。マウントアダプターは旧コンタックスC内爪マウントのヘリコイド付きマクロアダプターでNEX変換タイプ。
見た目エグイかっこいい。1931年製とは思えないほどよく写るので作例をお楽しみに。
沈胴Tessar。
佇まいがよい。戦火を潜り抜けて我が家へようこそ。日本とドイツは同盟国だもんな、友よ。
Carl Zeiss Jena Tessar 5cm f2.8の作例
11月中旬の朝焼け。
ホワイトバランスいじってみる。やっぱり自分は撮って出しの自然な感じが好きだな。
モノクロ。
エグイ。戦前ノンコート4枚玉。戦前Zeissもよく写る。約100年前のレンズだよ。すごくない?すごいから。
Contax Tessar 5cm(50mm)f2.8写りの特徴レビュー
正直戦前のノンコートTessarの写りがここまでいいとは驚いた。写りを確認する為テスト撮影として試写した感想を以下に箇条書きで列挙する。
- 純朴な優しさを感じる描写
- ボケはやや硬め
- 諧調が豊富でモノクロが秀逸
- トリプレット改良の故か玉ボケ大量発生
- 色ノリ良好
- ずっと見ていられる素朴な描写
- 薄いベールがかったフレアー
- 質感の表現がうまい
- 人間の眼で見た映像に近いだけ、必要な情報量を必要なだけ最低限きっちり捉える
- 情報量が過剰にならないのでずっと見ていられるのか
- ピント面はキレキレ
- 硬さと柔らかさの同居がエグい
- 比較するレンズ対象がない位高次元の写り
まとめ
旧コンタックス内爪という超マイナーなマウントの為アダプターの入手が難しくハードルが高いオールドレンズだが、歴史に残る生きる伝説「Tessar」。独特の僅かな滲みや淡いフレアーでノスタルジックでエモい描写をする一方で、ピント面はキレキレの高描写を見せる。
今回レビューした個体は戦前ノンコートのブラックコンタックス(ブラコン)テッサーだが、あまりに写りが良すぎて驚いた。Carl ZeissはもちろんLeitz(現Leica)を含め「戦前レンズはよく写る」は確かに本当かもしれない。
今回は以上。本日も素敵なオールドレンズライフをお過ごしください。