Som Berthiot Cinor 50mm f3.5 ライカM改造 Review作例 シネマ用オールドレンズ
Som Berthiot Cinor 50mm f3.5 ライカM改造 Review作例 シネマ用オールドレンズ。本レンズは世界初の8mmフィルム映写機カメラで8mmムービーカメラの最高峰「Ercsam Camex Reflex8」に装着されていたシネレンズなのに35mm判フルサイズでケラれず使用できる!
SARL ERCSAM社の創業者Monsieur Robert Mascre(1903-1985)は第二次世界大戦前からフランスで有名な映画監督だった。彼はカメラ製造技術も優れていて、最高のムービーカメラを作る為にパリに会社を設立して映写機用の高級カメラを開発して大ヒットした。Ercsam Camex Reflex8のサイズは135×130×65mmで重量は1.3kg。
Ercsam Camex Reflex8を開発製造していたSARL ERCSAM社の歴史
- 1937~1930年代にCompiègne(Oise)コンピエーニュ(オワーズ)で写真家商をしていたRobert Mascre(ロバート・マスクレ)(1903-1985)が、Sénior(セニオール)映写機の製造を開始した。第二次世界大戦中、彼は9.5mmカメラの開発を勉強していた。
- 1946年 彼はパリ11番街フィリップ オーギュスト63番地にSARL ERCSAM(マスクレのアナグラム) を設立し、Camex(カメックス)という名前で国立パテからインスピレーションを得た9.5㎜カメラを発売した。その後、ソシエテ アノニム(1949 年)に変わり、パリ10番地のラファイエット通り221に移転した。
- 1948年 Camexは4つのバージョンで利用可能。DSとES、Camex Bの後継品、GSとHS、Aluvac によって注入された新しいハウジングを備えた2つの新しいモデル、及び特定のERCSAM バヨネットレンズ(Camexマウント)の範囲を受け入れる。
- 1949年 新しいシリーズのみが存在。1949年末に、同じ射程の8mmが発表された。
- 1950年から同社は、シニアモデルとメジャーモデルから始め、8mmと9.5mmのプロジェクターを開発する。プロジェクターはフィルムフォーマットに関して交換可能なメカニズムの恩恵を受けている。Camexマウント。
- 1955年 連続反射ビューを備えた最初の8mmカメラを開発(当時同社は130名以上の従業員を雇用していた)。
- 1960年 TTL露出制御を備えた最初のカメラの作成。 9.5mm CamexにはReflexバージョンは存在せず、1960年代の初めに生産が終了した。
- 1962年 ロベール・マスクレはアマチュア映画部門Pathe(パテ)とCineric(シネリック)と合併してEPC(エルクサム・パテ・シネリック)が誕生し、彼が責任者を務めた。彼が再び映画監督を務めるまで同社は残った。
- 1965年 Auto Camex Reflex-8は、光学機器に応じてPathe RoyalまたはImperialに名前が変更された。
- 1968年 EPCはErcsamカメラの製造を中止し、生産はFormoflash(フォルモフラッシュ)に引き継がれた。8mmAuto Camex Reflex cameraの生産を再開して、9.5mmはすぐに宣伝されて1970年イギリスに輸出された。レンズはSom Berthiot 17-85mm f3.8 ズームレンズが付けられ、便利で珍しいカメラとして注目を集めた。販売価格は200ポンドと高価だった。
- EPCは1968年末にCGAMに買収され、映画用機器の製造を中止した。
参考元
シネマテークフランセーズ , フランス国立映画アニメーション画像センター(CNC)の映画撮影装置カタログ , 2003年英国Group9.5誌
https://www.cinematheque-bretagne.bzh/exposition-30-ans-30-appareils-projecteur-95-mm-type-malex-record-m-de-marque-ercsam-401-40-0-0.html
https://collection.click-clack.fr/ercsam-histoire-et-publicites/
https://www.pathefilm.uk/95gearerc.htm
https://collection.click-clack.fr/ercsam-cameras-8-mm/
Som Berthiot Cinor 50mm f3.5 M改スペック
- 製造国:France
- 製造メーカー:Som Berthiot
- カメラ:Camex Ercsam 8 Reflex Film Camera
- マウント:CamexをライカMに改造
- レンズ構成:4群4枚Speedic型
- シリアルナンバー:H54560
- 最短撮影距離:表記は0.8m、実測値0.78m→ヘリコイドアダプター装着時37.5cm
- 重量:137g
8mm映画カメラのマウントはDが有名でマイクロフォーサーズでも蹴られることが多いが、本レンズはCamexマウントで、35mm判フルサイズでもケラれず使用できる。この謎の解明はまだできていないが、幸運でありとても興奮した。
Som Berthiot Cinor 50mm f3.5 M改 レンズ外観Review
撮影機材:Sony α7CⅡ、VisoFlex Elmar 65mm f3.5 Makro。
佇まいよき。
シネレンズだと思うが、普通にフルサイズカバーしててビビった。カメラくり抜きレンズか?
絞り羽根固着、前玉と後玉共に周辺薄クモリ。
最短撮影距離は実質0.77m。
最小絞り値f22だが絞り羽根固着で開放のみ。
フランスの8mmフィルムのムービーカメラ「Camex Ercsam 8 Reflex Film Camera」に装着されていたSom BerthiotのDマウントのシネレンズが35mm判フルサイズで使用できるという謎。
ライカMマウント改造だがL39に戻すことはできない。M用。
最近少しのクモリは全然気にしなくなった。好みのいい写りするんだもん。雑巾も新品より使い古した方がよく水を吸って使いやすいし、野球のグローブもランニングシューズもそう。ワインやチーズ、日本酒、ブランデー、醤油、納豆、鰹節、味噌などの発酵食品も同じく。
Som Berthiot Cinor 50mm f3.5 M改 作例Review
撮影機材はSonyのフルサイズミラーレスカメラα7CⅡ。
これが純粋な最短撮影距離。約77cm。
ヘリコイド付きマクロアダプターで寄ると約38cm。
早く外で試写したい。…という訳で行ってきました。Sony α7CⅡ、レンズの素性を探る為、jpeg撮って出し。解像度も暗部の描き方もそこそこで雰囲気重視の描写だが、独特な世界観を持ち、シネレンズさながら映画のワンシーンのような描写。
久々のスナップ。絞り羽根が開放で固着ゆえの開放縛りで逆にレンズの写りを堪能できたかもしれない。
河津桜に寄る。最短撮影距離。NTだとこんな感じ。かなり淡い。
これはSH。シネレンズだけに中間~長距離で最大限の魅力を発揮するかな。
初めての道を歩き、人がいない方へ歩みを進め人間界を離れていき、孤独を感じることで自然と宇宙と霊界に近づける気がする。そうすると神社仏閣や廃墟や山へ辿り着く。
一言に周辺減光と言っても、周辺減光の描写もあるから。この周辺減光は相当に芸術的だから。周辺減光という名の武器だから。
植物に呼ばれる。植物は宇宙最強の生命体。
道端のただの雑草は宇宙の地球の大地の俺の宝物。
消えてしまいたいこともある。それでいい。苦悩こそ美しい。感性が磨かれる。満たされている時に人は成長しない。
つらいことも嬉しいことも全部ひっくるめて人生。試練も楽しめたら。
なぜ俺は人間に生まれた。
その答えを探す。
ただ、命を紡ぐ。それだけなんだろうな。
あの頃を思い出す。君と一緒に過ごした日々を。
バイバイ。
Som Berthiot Cinor 50mm f3.5 M改で実写した感想Review
- 周辺減光がエモい
- 解像力や諧調はシネレンズの割に高くない
- 曇り空だったので晴天時に本レンズの醍醐味であるフレアーの確認をしたい
- 雰囲気重視で派手さがないので写真が上手くなりそうなオールドレンズ
まとめ
強烈な周辺減光があるのでクセ玉と言えばそうだが、開放f3.5スタートで絞り羽根固着により開放縛りということで、工夫して撮らなければならない状況が強制的に作り出されているので使い続けていれば写真が上達しそうだと思った。また晴天時にフレアーの具合を堪能したい。
今回は以上。本日も素敵なオールドレンズライフをお過ごしください。