APOQUALIA-Ⅲ 28mm f2 F-MC Review作例 MS-OPTICS 宮崎光学 ライカMマウント
APOQUALIA-Ⅲ 28mm f2 F-MC Review作例 MS-OPTICS 宮崎光学 ライカMマウント。本レンズのレンズ構成は28mmという広角にしては珍しいダブルガウス型で超小型化を実現した。
APOQUALIA-Ⅲ 28mm f2 F-MCのスペック
- 製造メーカー:MS-OPTICS(宮崎光学)
- レンズ構成:4群6枚ダブルガウス型
- マウント:ライカM
- 最小絞り値:f16
- 最短撮影距離:0.6m
- 重量:実測46g
重量は46gで大きさは例えるなら生まれたての赤ん坊の手より小さい(わかるか)。ガウス特有の悩みであり特徴でもあるコマ収差が残っていて、美しい滲みや、控えめで淡いフレアが堪能できる。F5.6~8に絞り距離を2mに合わせれると1m~無限大までピントが合いパンフォーカスで快適なスナップ撮影が楽しめる。
APOQUALIA-Ⅲ 28mm f2 F-MCの写りの特徴
優しく柔らかで味がある描写。ガウス特有のコマ収差は開放f2~f2.5の間で中央部や隅まで発生するが、20までシャープネスやコントラストは高く中央部の被写体を強調できる。中心から70度で0.2mmのピントのズレが発生する為、f2~f2.8で平面を撮影すると気付くかもしれない。f4以上に絞ると充分な性能を発揮してオールマイティに使える。しかし、f2~f2.5の開放付近が本レンズの持ち味なので、高コントラストと周辺部の美しいフレアーをうまく利用すると柔らく繊細で独創的な写真が撮れるはずだ。
APOQUALIA-Ⅲ 28mm f2 F-MCのレンズ外観レビュー
α7ⅣにCanada Leitz VISOFLEX Elmar 65mm f3.5 Makroを装着して撮影。f5.6とf8。いつものRayqualのマウントアダプターではなくKIPONのマウントアダプターを装着してみた。内面反射防止の素材が違うのかフレアーの出方が違う。
どのくらい小さいかというとボディキャップと見間違えるくらい。
APOQUALIA-Ⅲ 28mm f2 F-MCの作例レビュー
届いた直後に元箱を撮影。28mmF2で最短撮影距離0.6mがアダプターの恩恵で0.15m位まで寄れるとこんな感じ。いいボケしてるよね。説明書がエモくなった。
印字どんな感じかな。
もう一枚。手作り感のある元箱と説明書が愛おしい。ピント面のキレ。
屋内の観葉植物。キレと滲みとボケがいい感じ。
表に出た。適当に玉ボケテスト。非点収差は補正されている為かグルグルボケは出なそうだ。まぁ28㎜だし。
大地すらエモい。ハイライトの滲みや逆光時のホワイトアウトもフレアの一種。中央部のハイライトが滲み飛ぶ感じと、周辺の結像の甘さとボケと滲みの競演エグい。すげーな。モノクロでもガッツリ楽しめそう。
この構図だとモノクロの方がいいなってなっちゃうもんね。ワクワクしてきたぞ。
開放f2。いい感じにフレアが出た。ちょっとビーム状のゴーストが発生する程度。光学由来のものがフレアで、レンズ鏡胴や内面反射によるものはグレア。ゴーストはグレア。フレアとゴーストは発生する原因が違う。別物よ。ハロも別物。ハロはフィルム特有。皆ゴッチャにしてるけど。
マクロ。アダプターの恩恵でここまで寄れる。とりあえず日常使いでは不便ないでしょ。OK。解像力もさすが。ボケも思ったより自然。クセ玉見過ぎて麻痺してるかも笑 でもちょうどいよね、暴れ過ぎずに適度に暴れるボケ。
ピント面シャープ。二線も出てるよね。玉ボケが崩壊する感じも雰囲気出てる。現行はやっぱりおとなしいな。
ピント面のキレ味が鋭くシャープでボケとの立体感が生まれて頼もしい。滲みやフレアを上手く使うと面白い画が撮れそう。
開放f2。周辺減光あり。いいね。
絞ってf8付近かな?色が変わった。f11とか?回折現象か?f8が限界かな。持ち味は開放から1段絞ったf2.5と宮崎氏自身も述べているし、開放でレンズの味を引き出せばよし。
公園の小さな時計台。時間わかるって結構助かるのよ。てか公園のアナログ時計ってエモい。
隙間時間だったので10分程度で終了。本日のレンズティスティングはここまで。
2回目試写。スナップ風。クッソエモい。バリかっこいい。
モノクロもバリかっこいい。
たまにふとピント無視で適当に地面とか撮る。自分が写る。不思議とエモい。滲みと周辺減光好き。
開放。
絞ってf4か5.6
木の新芽がかわいすぎる。
思わず寄る。
これ一番好き。自分の中では木の肖像画。
を、モノクロで。
適当に玉ボケテスト。
セクシー。
まぁ寄るわな。寄るの好きだし。28㎜という広角でこのボケ。いいでしょ。これ28mmのf2ガウスだぜ。
あ、やっぱこれが一番好きかも。空気と場の優しさが滲み出てる。
APOQUALIA-Ⅲ 28mm f2 F-MCで試写した感想レビュー
- ハイライトの滲みや周辺減光がエモい
- 28mmという広角の割に中央部と周辺部の乖離が大きく決まった被写体があると立体感が出て作品作りに活かせると思った
- よってポートレートもいけるんじゃないかと
- フレアは思ったより抑えられていると感じた(クセ玉ビンテージレンズ試写し過ぎて感覚麻痺してるだけかも)
- レンズが超絶軽くて小さいのでカメラボディが凹んでるんじゃないか?レンズ落ちてないか?と何度も思った
- 小さいのでレンズキャップの着脱や絞りの調節がしづらい
- F5.6~f8で2mに設定するとパンフォーカス撮影可能
レビューまとめ
個性的なレンズで、レンズの長所と短所が両極端なので好き嫌いは別れるかもしれない。ツボにハマればとてもいい選択肢だと思う。46gという超小型軽量で28mmでF2という明るさ、柔らかく優しい描写で味があり個性的な写りは結構本気で国宝レベルだと思う。絞り値は開放固定かパンフォーカスで撮影してもいい。
海外ではすでに神格化されている宮崎光学のレンズはどれも個性的なテーマを元に作られていて非常に面白い。興味があれば試してみるといい。今回は以上。本日も素敵なオールドレンズライフをお過ごしください。