Yashica Lens ML Macro 55mm f2.8 レビュー作例 富岡光学製おすすめ神マクロオールドレンズ
Yashica Lens ML Macro 55mm f2.8 レビュー作例 富岡光学製おすすめ神マクロオールドレンズ。レンズ構成は特殊でガウスとオルソメターの折衷か戦前Leitz初のダブルガウスSummarの後群の前後を入れ替えたようにも見える。1982年以降に製造されたのでオールドレンズらしい収差は目立たず現行に近い高描写でよく写るハーフマクロレンズだ。では参る。
Yashica ML Macro 55mm f2.8 富岡製神オールドレンズ構成図Review
Yashica ML Macro 55mm f2.8 レンズ構成図 (画像転用元:収差Love)
前群ガウスで後群は1926年に発明されたCarl ZeissのOrthometarっぽいという見方もできるが。
Leitz Summar 50mm f2のレンズ構成、後群の最高尾レンズを後群の先頭に配置したと見ることもできる。
レンズの形状も前群後群共に割と似ている。ヤシカMLマクロのレンズ構成のベースは、まさかのズマールか。
画像転用元:クラシックカメラ選書 写真レンズの歴史
Yashica ML Macro 55mm f2.8 富岡製神オールドレンズのスペックReview
- 販売メーカー:YAshica ヤシカ (製造はヤシカ傘下の富岡光学)
- 発売年:1982年
- レンズ構成:4群6枚(Leitz初のダブルガウスSummarの変形,独自構成か)
- 最短撮影距離:0.25m
- 最小絞り値:f22
- ハーフマクロ
- 52mm
- 61.5-56.5mm
- 305g
- 発売当時価格:38000円
Yashica ML Macro 55mm f2.8 富岡製神オールドレンズ外観Review
撮影機材はSony α7CⅡとCarl Zeiss Macro Planar 60mm f2.8C Y/C。レンズのコーティングは緑が基調のマルチコーティング。
マクロレンズは前玉の手前が深いすり鉢状になっている。
光学の状態は結構いい。上玉。
ヘリコイドの動作時、テレ側で引っかかりがあり、サ~っと音もする。それだけ気になる。
続いて正面から。
最短撮影距離は0.25m。
シリアルナンバーはA7003353。
絞り羽根は六角絞り。油染みなし。
マウント部も特にダメージはない。
後玉も綺麗。上玉、当たりか。唯一ヘリコイドのテレ側の引っかかり&サ~っと異音が残念。
Yashica ML Macro 55mm f2.8 富岡製神オールドレンズ作例Review
撮影機材はSony α7CⅡ、クリエイティブルックはMTかBWかセピアでjpeg撮って出し。
1982年発売なのでオールドレンズと言えるか微妙なところだが、割と最近のレンズなのでモダンな雰囲気。とりあえずマクロ側で様子を探る。
被写界深度はかなり薄い。標準マクロはf3.5かf4スタートでも充分だというのはわかるよ。
でもね、開放f値が明るいなりに撮れる画もある。
これメッチャ生えてた。君たち皆家族ですか?
やはり最近のレンズなので諧調よりコントラスト重視の設計。
マクロは何でもかんでもつい最短撮影距離まで寄りたくなるが、グッとこらえて構図を意識して前ボケとか入れるとエモくなる。
開放f2.8でしょ、
f8でこんなにシャドウびっちり潰れる。もはや描く気なし。開放かf4かf5.6で遊んでくれってことかな。
最近被写界深度はメッチャ薄い。スナップは操作の慣れが必要。開放で中間距離の諧調はまぁまぁ。優しさが滲み出てる。この辺はさすが富岡さん。
木瓜(ボケ)、徐々に蕾が咲いてきてかわいい。蕾からの咲きかけっていいよな。
水面に写る春の風景。
謎に絡まり合う植物たち。なんかすげぇ…。
植物の産毛?まで解像。早朝寒い中で素手で手持ちなので参考程度に。本当は緑のクルっと巻いたかわいい箇所を狙った。
ピント面変えて最短撮影距離。
マクロの世界は楽しい。ハーフでも結構遊べる。ハルジオン(春紫苑)をボケに使うという奇功。滲みが綺麗で硬めボケ方がイケててつい。
じゃあでも普通に主役にしてみるわな。やっぱ咲き掛けエモい。Makro-Takumarも買ったのだが等倍でレンズ重量270g位なのでそちらも神。
この植物なんだろう。この後どうなるんだろう。
「じき咲きますよ」って顔してる。また見にくるわ。
Yashica ML Macro 55mm f2.8 富岡製神オールドレンズで実写した感想と写りの特徴
- よく写り過ぎてオールドレンズっぽい雰囲気が少ない
- 寄ればとろける、離れればボケは硬い
- ボケが形を残したまま崩壊していく感じはエルノスターっぽくもある
- 後群はオルソメター型に近い為か、クセ玉ガウスっぽさは少なく、優秀なクセノタール型の写りに近いと感じた
- 独自のレンズ構成マクロレンズで面白いし安いと2万円前後で入手可能なのでおすすめ
- マクロレンズのレビューは難しい
まとめ
1980年代の標準域ハーフマクロで2万円前後なら買いだと思う。オールドレンズのハーフマクロを1本欲しいけど予算はかけたくない人にとっては選択肢の1つに挙げてもいいと思う。ただし、本レンズはヤシカコンタックスマウントだ。
今回は以上。本日も素敵なオールドレンズライフをお過ごしください。