滲むオールドレンズはなぜ滲むのか その理由を初心者にもわかりやすく解説 作例あり エモい写真をオールドレンズで撮る
オールドレンズで撮影すると被写体が滲む理由は、いわゆる収差が残っているから。敢えて表現の為に収差を残しているレンズも多く、この滲みを活かした撮影スタイルで自己を表現するカメラマンも多い。今回はこの「滲む原因」について初心者にもわかりやすく簡単に解説する。まずは作例から。
滲むオールドレンズで撮った作例 写真画像
Leica(Leitz) Summaron 35mm F3.5 Lマウント
Meyer-Optik Görlitz Primoplan 58mm F1.9V
サクッといくつか紹介したが、そもそも筆者が所有しているオールドレンズは収差が残っているレンズを選んで購入しているので被写体やアウトフォーカスが滲む個体は多い。また滲んだ画像をまとめて展示しようと思う。
画面全体で起こる滲みやボヤけの原因は軸上色収差
画面全体で被写体が紫や緑に滲んだりボヤける原因は、レンズに真っすぐ入ってくる光の屈折角度(屈折率)の違いによって起こっている可能性がある。いわゆる「眠い画」と呼ばれるものだ。この症状は絞る事で抑える事ができる。近年ミラーレス機の普及により撮影時にモニターでその場で確認できるようになり、敢えてこの様な収差が残ったレンズを好んで芸術表現として使うユーザーが増えた為、一概に軸上色収差が悪いとは言えない。
周辺部の滲みの原因は倍率色収差
中央の滲みはなく周辺で緑や紫の滲みが出る原因は倍率色収差。斜めに入ってくる光の屈折角度()が屈折率)が違う為に起こる収差で、絞っても解決されない。この症状は絞っても解決されない。こちらも同様に、敢えて収差が残っているレンズを好んで使用するユーザーが増えた為、一概に悪いとは言えない。
まとめ
収差を好み収差を愛しているからオールドレンズを選ぶフォトグラファーは多い。収差が補正されて解像度が高く精密に写る現代のレンズでは味うことのできない世界がそこにはある。レンズ開発者たちの努力と苦労と葛藤とその成果をリスペクトしてオールドレンズを楽しもう。以上、簡単ではあるがこれで「滲む原因」の解説を終わる。本日も素敵なオールドレンズライフをお過ごしください。