Carl Zeiss Makro Planar 60mm f2.8C Review作例 YashicaContax銘玉
Carl Zeiss Makro Planar 60mm f2.8C Review作例 Contax銘玉神マクロオールドレンズ。鏡胴が大きく重いAEJと設計は一緒で重量は半分以下に。…てことは今までわざと重くしてたな?お主。まぁ今でも「でかくて重くて高価だと勘違いして喜ぶ」ユーザーいるからね。筆者は真逆。では参る。
Carl Zeiss Makro Planar 60mm f2.8C MMで初試写した感想Review
1993年発売でオールドレンズと呼べるか微妙。高描写過ぎてオールドレンズ感があまりないが、非常によく写るレンズで時代的にもコーティング技術の進歩や新しい硝材の調達など、ダブルガウス型レンズの優位性が成熟しきった頃(むしろ後)なので、なるほどこういうことかと唸った。現行レンズ全部売ってオールドレンズオンリーにしたのに現行マクロとズームレンズが1本ずつ欲しくなってしまったではないか。
濃厚で濃密な色ノリで色再現性が高く、コントラストの付き方もよく、Zeissらしい硬派でカッチリした描写。現行レンズに匹敵する程の高描写なので、収差満載のクセ玉オールドレンズとは対極の写りだ。
Carl Zeiss Makro Planar 60mm f2.8C MMのスペック
- 発売年:1993年
- レンズ構成:4群6枚ダブルガウス型
- 画角:39°
- 最短撮影距離:0.27m
- 撮影倍率:1:2倍
- フィルター径:55mm
- レンズフード:ソフトフードG-11 , メタルフード55/86 , リング HOOD NO.3
- 寸法:最長65.5mm × 最大径51mm
- 重量:260g
- マウント:C/Y ヤシカコンタックス
Carl Zeiss Makro Planar 60mm f2.8C MM オールドレンズ外観Review
重量が等倍マクロ570gからハーフマクロ1/2は260gと大幅な小型軽量化。じゃあ今までのはなんだったんや(笑) デカい,重い,値段高いと喜ぶ信者が今でもいるからなぁ…。
ヘリコイド繰り出して最長でこんな感じ。割とコンパクト。
最短撮影距離0.27mでハーフ。実はちょっと物足りないのでやはりヘリコイドアダプターは必須。
Made in Japan。このモデルからドイツ製はなくなり日本製のみになった。世界最古のカメラ光学企業、オーストリアのフォクトレンダーも、天下のCarl Zeissも今や日本のコシナが製造販売を手掛けるという皮肉。
要するに「Carl Zeiss」銘を使える権利を長野のコシナが得たということだ。ガラスも日本で製造している。T*コーティング技術はさすがに未だにトップシークレットか?
小さなチリと薄っすらクモリが見えるがこの程度なら写りに影響なし。というか経年で多少クモるのよ。チリだって混入する。だってヘリコイド繰り出すんだから。
だから古いレンズは自然な経年劣化が感じられる個体の方が信用できる。分解清掃しなければならない程汚れていないという証でもある。分解清掃すると多少なりとも何かが狂う。
レンズに秘められた魔力が低減する。あ、絞り羽根?キレイですよ。
佇まいよき。
Carl Zeiss Makro Planar 60mm f2.8C MM 作例Review
逆光テスト。1990年代前半はまだ逆光に弱かったのか。コントラストも明らかに低下。でもこのフレアーエモいよね。ポートレートにも使える。写り過ぎるレンズだと写っちゃいけないものまで写るでしょ(;^ω^) フレアーでレタッチいらずというか。
マクロテスト。肉眼では虫さんの存在に気付かなかったが、あ、いたのね。とマクロの世界を再確認。クセ玉感は皆無。優等生過ぎるかな。Zeissは硬派だからね。
なずな。そこにも虫さんいるのね。ここまで寄るとボケはとろける。被写界深度は浅く開放f2.8マクロなのでピント面は激薄。風もあった。
これは先日レビューしたYashica ML 55mm F2.8 Macro。1982年発売なのでマクロプラナーの約10年前。やはり発色はヤシカの方があっさりしていてオールドレンズらしさがあるがヤシカはZeissのレンズを製造していたので写りは似ている。今度本格的に比較しようか。
鴨さん。鳥の視野はメッチャ広い。ちなみにこれはこっちをガン見してる。
話しかけたらこっち向いた。でも厳密にはこちらというか両側を見てる。でもこっちも見えてるだろう。2羽の動きがシンクロするのがかわいいぜ。
Planarは色ノリがこってりしていてボケが硬い。
ちょっと距離は違うが似た構図。auto mamiya/sekor50mmF2。一般的に評価が高い写りはプラナーだが、玉ボケや前ボケはF2という明るさも影響してか筆者の感性ではsekorの方が上。手前のグルグルボケや背景が暴れる収差をよきとする収差スキ私の感性だが(笑)
戻ってマクロプラナー。
鳥さん。APS-Cにクロップして超解像ズーム2倍で撮影。単純計算で焦点距離60mm×1.5倍×2倍=180mm?本当にそうなるか?でもこれ現像でトリミングなしのjpeg撮って出しだからね。180mmありそうか。
マクロ。チューリップの雄しべ。雄しべと雌しべは生殖器だからな。とてつもないものをマクロで撮っていて変態の気分だよ俺は。大丈夫かな。
明らかに違う。1970年代からヤシカがZeissのレンズを作っていたのに。なぜだ?ガラス?コーティング?Zeiss銘がないレンズには違うガラスを供給していたのか?まぁそんな話は聞くね。当然そうだろうな。
ヘリコイド付きマクロアダプターを装着しているので本来の最短撮影距離を超えて撮影。いつもの通り。
周りで園児がメッチャ遊んでた。子供っていいよな。未来の希望。
これはヤシカマクロ。明らかに発色が違う。
濃厚で濃密。これがZeiss planarだって感じ。
花壇の花でメッチャ楽しめる。90mmの等倍マクロ持ち出そうかな今度。
集中するのって気持ちいいよな。
本当は蕾や咲き掛けや枯れかけの方が好き。エモい。
咲く時のタイムラプス動画もいいよな。蝉の孵化とかも。生命の神秘。
押し花のような絵画のような。最後の3枚、特にこれとか、こんな感じでアーティスティックに撮りたい。
Carl Zeiss Makro Planar 60mm f2.8C MM 写りの特徴まとめ
- 写りは高描写で思った通り
- 逆光時画面全体に白いベールのようなフレアーが出現
- 作例にはなかったがシャワーゴーストも出現
- 色ノリがこってりしていて濃厚な発色で現代的な写り
- 正直オールドレンズらしい収差はほぼない
- 1990年代とは言え30年前のレンズでこの写りは圧倒的
- 出来過ぎたレンズで弱点もフレアー意外の収差もほぼなくレビューが難しい
まとめ
オールドレンズ好きとしては物足りないが飛び道具として(普通逆)持っていても面白いと思った。この頃Zeissのレンズの写りは完成したのだと思う。カメラの性能が追い付かずレンズの性能が時代のかなり先を行ってるので、もう新レンズをガシガシ発表する必要はないのだろう。
そういえばZeissの内部者も雑誌でそう証言してたな「レンズの性能がカメラの性能の先をいきすぎている」と。どの雑誌だったかな。また見つけたら報告します。もし知ってる方いたら教えてください。
今回は以上。本日も素敵なオールドレンズライフをお過ごしください。