SANKYO KOHKI JAPAN Komura 135mm f3.5L 後期型 レビュー作例 三協光機オールドレンズ
SANKYO KOHKI JAPAN Komura 135mm f3.5L 後期型 レビュー作例 三協光機オールドレンズ。すでに同スペックのSankyo Koki Tokyo KOMURA- 135mm f3.5L 前期のレビューをしている。前期型と後期型の写りの特徴を把握しておく為に簡単に作例の紹介とレビューを行う。
Sankyo Kohki 三協光機とは
三協光機株式会社(Sankyo Kohki, Sankyo koki)はかつて日本に存在したレンズメーカー。当初は中外写真商事の下請けでチバノン(Chivanon,Chibanone)というブランド名で8mm用シネレンズや引き伸ばしレンズを製造していた。
その後はコムラー・コムラノンブランドで、各種ライカ判一眼レフカメラ用やブロニカ・ペンタックス67などの中判、大判カメラ用のレンズを生産していた。シャープで写りがいい割に価格が安いとコストパフォーマンスの高さで人気がありコマーシャル写真撮影用として普及していた。
土方健介は「中型や大型カメラユーザーは一度はお世話になっているはず。」と述べている。
Sankyo Kohki 三協光機の歴史
- 1951年7月:三協光機研究所設立。三協とは「技術、営業、資本」の三部門の協力と均衡を保つ意味が込められている。
- 1955年:三協光機株式会社に改名。ブランド名の由来は社長の小島満と専務の稲村の苗字からコムラー(Komura,Komura-)。
- 1969年7月:株式会社コムラーレンズ(Komura Lens MFG.Ltd.)に社名変更。
- 1980年:倒産
SANKYO KOHKI JAPAN Komura 135mm f3.5L 後期型レンズ外観
コムラーのレンズは金属鏡胴で絞り羽根枚数も16枚などコストをかけていて、見た目の割にレンズは重くラグジュアリー感が満載。写りもいいので、販売価格を高めに設定して高級路線を突き進めば倒産しなかったのではないかと考えてしまう。
光学の状態は良好。写りに影響がない程度の拭き傷のみでスカッと抜けている。
マウント部も綺麗。
L39ってところがいいよな。
16枚という絞り羽根がラグジュアリー感満載。
プロ仕様だったレンズが1万円以下で手に入るという幸せ。コムラーは日本国内より海外で人気が高いので年々値上がりしている傾向がある。
前期型の方が高級感あるが、後期型は123gも軽量化されていて高描写になっている。どちらを選ぶかはお好みで。
当時の「made in japan」の信頼感。
ヘリコイド全量繰り出すとこんな感じ。
小型軽量。
初代エルノスター型3群4枚のレンズ構成を採用しているので海外からの評価がメッチャ高い。日本人はレンズ構成に興味がないので知らない人が多いのかな。安いコムラー買い占めて数年後に売ったら儲かるよ。秘密だけど。
コムラーは日本では人気が低くライカLマウントも安いが、海外の評価は高い。
コムラーの準広角や標準域のLマウントのオールドレンズないかな?ふと思った。
SANKYO KOHKI JAPAN Komura 135mm f3.5L 後期型のスペック
- 製造メーカー:三協光機
- 製造年:
- マウント:ライカL39スクリューマウント
- レンズ構成:3群4枚Ernostar型
- 絞り羽根枚数:16枚
- 最短撮影距離:1.5m
- フィルター径:49mm
- 重量:409g(実測値)
SANKYO KOHKI JAPAN Komura 135mm f3.5L 後期型の作例レビュー
Sony α7Ⅳで撮影。クリエイティブルックはNTかSTでレンズの素性を探る。
絞るとパキっと鋭いシャープネスで発色も鮮やか。1万円以下で購入できるコムラーの中望遠オールドレンズは超コスパ高い。当時も中判や大判用の広告用レンズとしてハイコストパフォーマンスで大人気だったようだ。そりゃよく写る訳だ。プロ仕様だ。
開放で135mmという中望遠の焦点距離の大きなボケが活きる。後ボケはやや硬いか?前期型とはまるで別物だ。レンズ硝材の違いか、コーティングの影響か。
カメラやレンズと同じくらい細いウエストをカメラ男子にアピールするカメラ女子。むぅ…。
おしゃぶりを加えたままよちよち歩きの赤ちゃん。二次元アニメのようだ。ハイライトの滲みが美しい。ポートレートにも向いてると思う。jpeg撮って出し。
広告用レンズとして人気だったのがわかる気がする。レタッチなしでもハイライト飛びにくいしシャドウもしっかり描いてくれる。そして135mmF3.5というスペックもドハマりしてる。
硬すぎず柔らかさがあるのにパキっと写る。あまりに緩すぎるオールドレンズの写りが苦手な人にはちょうどいいと思う。
発色は鮮やかだが柔らかさと優しさが同居して滲みも美しい。ポートレートにもスナップにも向いている。そうか、広告プロ仕様か。マジでコムラー見直した。
ハイライトの滲みと描き方が柔らかく優しさがある。色はビビットがいいなら、色はニュートラルがいいなら、ボディ内プリセットを変えればいいだけ。これはFL。
NTはこんな感じ。さすがボケは元祖モンスターのオールドレンズ、エルノスター型。
これはSTかな?
これはNT。賑わっていたなぁ。つつじ祭り。
GWに突入した初夏の強い日差しを爽やかに表現してくれた。サンキューコムラー!
まとめ
SANKYO KOHKI JAPAN Komura 135mm f3.5L 後期型の本レンズと同スペックのSankyo Koki Tokyo KOMURA- 135mm f3.5L 前期はふんわりしていて写りが違う。コムラーのレンズは海外で非常に評価が高く、特に明るい中望遠は高価で取引されている。その理由は、本家のレンズ構成に近いエルノスター型だからだ。
ちなみに筆者は海外から「Bokeh Monster」と評価の高いKomura100mmF1.8を所有していて、エルノスターらしい個性の強い圧倒的ボケがまさにボケモンスターの称号にふさわしいと感じた。
しかし、コムラーのレンズはクモリやすいらしく、やはりふんわりと柔らかい描写だった。今回レビューした個体はレンズの状態がクリアーで珍しいかもしれない。コムラー中望遠のf1.8より明るいレンズは海外では神格化されていて高値で取引されている。秘密だよ。
しかし国産の135mmオールドレンズに外れなしという格言通り、写りは素晴らしかった。てかコムラーのコスパがエグい。今回は以上。本日も素敵なオールドレンズライフをお過ごしください。