Konica Hexanon AR 28mm f3.5 第3世代 Review作例 ヘキサノン広角銘玉神オールドレンズ
Konica Hexanon AR 28mm f3.5 第3世代のReview作例 ヘキサノンの広角銘玉神オールドレンズ。
Konica Hexanon AR 28mm f3.5とは
コニカのヘキサノンARは銘玉揃いだ。今回レビューするHexanon AR 28mm/f3.5も中古価格は数千円と激安だが写りは折り紙付きのおすすめ広角オールドレンズだ。レンズ構成はアンジェニューが開発したRetroFoucus型を採用している。
Hexanon AR 35mm f2.8はP. Angenieux Paris RETROFOCUS TYPE R1 35mm f2.5のレンズ構成をほぼコピーしている。本レンズはP. Angenieux Paris RETROFOCUS TYPE R11 28mm f3.5のレンズ構成を意識しているモデルもあるが後の5群5枚のモデルは全く別物だ。
ちなみに「レトロフォーカス(Retrofoucus)」は直訳するとわかるが、「Retro=後退、Foucus=焦点」であり和製英語の「古臭いレトロ」の意味ではない。レトロフォーカスというと現在はレンズ構成を意味するが元々はフランスのアンジェニュー社のレンズ名だった。
アンジェニューが世界初のスチル用レトロフォーカス型レンズを市場に投入してから日本の各カメラレンズメーカーはアンジェニューのレトロフォーカスの設計を真似してレンズを製造していた。
本レンズも然りで、日本の他メーカーがこの頃製造していたレトロフォーカス型広角レンズは総じてよく写るし同じく中古市場価格は安い。ただし、レトロフォーカス型といっても中身はTessarベースやXenotar(Biometar)ベース、Tripletベースなど様々だ。
Konica Hexanon AR 28mm f3.5 レンズの外観レビュー
筆者が所有しているレンズはHEXANON AR 28mm f3.5の7群7枚最後のモデルの第三世代だ。1世代後の5群5枚の個体も気になる。
Konica Hexanon AR 28mm f3.5のスペック
- 製造メーカー:Konica
- マウント:コニカAR
- 製造年:1965年~(本レンズ第四世代は1978年~)
- レンズ構成:7群7枚
- 絞り羽根枚数:6枚
- 最小絞り値:f22
- 最短撮影距離:0.3m
- フィルター径:55mm
- 重量:177g(実測値)
Konica Hexanon AR 28mm f3.5のバージョン世代別見分け方
下記によると初代HEXANONからAR、HEXARまで含めると8世代あり、ARに限定すると4世代ある。筆者が所有している個体はARの第3世代。
- HEXANON :クロームリング、最小絞りF22、6群7枚、プリセット絞りバージョン
- HEXANON :クロームリング、最小絞りF16、7群7枚、小ドット+黄色EE、EEロックなし
- HEXANON :クロームリング、最小絞りF16、7群7枚、黄色EE、EEロック無し
- HEXANON :クロームリング、最小絞り F16、7群7枚、黄色EE、EE ロックなし、絞りスケールに接続された 28 番
- HEXANON AR:クロームリング、最小絞りF16、7群7枚、黄色EE、EEロック
- HEXANON AR:オールブラック、最小絞りF16、7群7枚、黄EE、ラウンドEEロック
- HEXANON AR:ラバーリング、 最小絞りF16、7群7枚、緑AE、円形AEロック
- HEXANON AR :ラバーリング、 最小絞りF22、5群5枚、緑AE、円形AEロック
- HEXAR AR :ラバーリング、 最小絞りF16、5群5枚、緑AE、円形AEロック
参考文献:コニカ中国語情報サイト
Konica Hexanon AR 28mm f3.5の作例
撮影機材はSonyのフルサイズミラーレスカメラα7C、jpeg撮って出し。
怪しげな曇り空と電線にとまるカラス。周辺減光はあるように見えるが別のショットでは全く気にならなかった。自然か。
曇り空もいい。右端の電柱が樽型歪曲しているように見えるのはそもそも撮影時にそのような角度で撮影したからだと思う。
薔薇。線が細く柔らかい描写。ボケ具合も自然でピント面は立体感がある。写り過ぎて困る広角オールドレンズだ。
パリッと写るし立体感もあり発色も質感もいい。コニカヘキサノンAR28mmf3.5は数千円で買えるが非常に優秀。
28mmだと標準域レンズと比べると当然ボケはあまり大きくない。広角だからね。
どこかのマンションの入り口の花壇の赤い薔薇。散歩していてあちこち花壇が美しいと散歩しているだけで季節を感じて楽しくなる。
背景ボケがちょっとグルグルしているのがわかる。ボケにクセがあると遊べる。
木漏れ日で玉ボケ撮影。やはり周辺がグルグルしている。
緑の発色がいい。
大自然の中にこのレンズを持ち出しても面白いだろう。
木の幹の根っこが力強くてかっこいい。
念を押すがjpeg撮って出し。
驚愕の描写力。数千円で買えて小型軽量177g。広角の神オールドレンズ。
周辺の適度なざわつきボケ具合がいい。
Konica Hexanon AR 28mm f3.5 写りの特徴レビューまとめ
- 線が細く繊細で柔らかい描写
- 透明感のある描写
- 立体感がある
- 発色がいい
- 玉ボケ美しい
- 少しグルグルボケの兆候がある
- 臨場感がある
- 歪曲もしっかり補正されている
まとめ
Konica Hexanon AR 28mm f3.5 Lensは、中古で数千円程で入手できて200g以下と軽量で非常にコンパクト設計。28㎜という広角のオールドレンズとしてかなりおすすめ。日本の他メーカーもレトロフォーカス型の広角オールドレンズを揃えているので調べてみると面白いかもしれない。
また、似たようなスペックでドイツのPentacon auto 29mm f2.8 Multi Coatingもあるがそちらもレトロフォーカス型の広角オールドレンズで写りも素晴らしい。こちらのレンズの中身は元Meyer製のOrestegonだ。レトロフォーカス型は優秀な広角オールドレンズが多い。
今回は以上。本日も素敵なオールドレンズライフをお過ごしください。