Helios44-2 58mm f2 M42のレビュー作例 グルグルボケ虹ゴースト玉ボケが美しいおすすめオールドレンズ
Helios44-2 58mm f2 M42のレビュー作例 グルグルボケ虹ゴースト玉ボケが美しいおすすめオールドレンズ。オールドレンズのド定番ヘリオス44-2 58/2とスーパータクマー55/1.8は正直値段が安い割に美しい収差が残った素晴らしいレンズだ。
どちらも中古で数千円と安く玉数も豊富な為、簡単に入手できるのでぶっちゃけありがたみに欠けるが必要充分な性能を誇っている。本記事では「初心者にもわかりやすくヘリオスとは何ぞや」「Zeiss Biotarのコピーレンズって本当?」を解説し「スペック紹介」や「作例を掲載」していく。
Helios44-2 58mm f2とは
オールドレンズ入門用としてあまりにも有名なヘリオス。筆者もオールドレンズを始めて3本目くらいに購入したが次々と沼に入り込みあまり出番がなかった。しかし、flickrで気になる画像を見てレンズは何かと確認するとヘリオス58/2だった。
そういえば最近全く出番がないと思い久々に引っ張り出した。1万円以下で購入できるしどこにでも転がっているので希少感やありがたみはないが無敵オールドレンズでこれ1本あれば相当遊べる。
オールドレンズ沼に入り込まなくてもいいとさえ思える共産主義国家旧ソ連が生み出した最強コピーレンズだ。
HeliosヘリオスはCarl Zeiss JenaのBiotarの光学をコピーしたロシア製オールドレンズ
旧ソ連のオールドレンズHeliosははドイツのCarl Zeiss JenaのハイスピードレンズBiotar 57mm f2の光学設計をコピーしたレンズだ。簡単に言うと戦後、戦勝国である連合国軍のアメリカとイギリスはドイツの西側を手中に収め、旧ソ連は東側のドイツを収めた。
軍事産業であるカメラレンズ業界も戦後の混乱に巻き込まれた。民主主義国家イギリスとアメリカはドイツの西側を接収、Carl Zeiss Jenaの技術者を連れ去った。同じく連合国軍で戦勝国である共産主義国家の旧ソ連(ロシア)は東側ドイツを手中に収め接収した。
ロシアは東ドイツの技術者を連れ去るのではなく自国ロシアの人員を東ドイツのJenaへ連れて行きそこでレンズの製造技術を学ばせた。そして自国でコピーレンズを量産した。だからロシア製のオールドレンズはドイツのコピーレンズが大量に出回っているのだ。
何も無許可で生産したのではない。戦争の戦利品なのだ。ヘリオスはツァイスイエナのビオター改。
Helios44-2 58mm f2 M42のスペック
- レンズ名:Helios44-2
- 製造国と製造工場:ロシアのMMZ工場(ベラルーシはミンスクの工場でChaikaやAGAT18などのカメラも製造)
- レンズ構成:4群6枚ダブルガウス型
- 絞り羽根枚数:8枚
- 絞り値:開放f2~最小f16
- 最短撮影距離:0.55m
- フィルター径:49mm
- 重量:221g(実測値)
- マウント:M42
Helios44-2 58mm f2 M42の外観レビュー
Helios44-2 58mm f2 M42の作例レビュー
撮影機材はSonyのフルサイズミラーレスカメラα7Ⅳ、レンズの素性を探る為にクリエイティブスタイルは基本NTで基本jpeg撮って出し。M42マウントのPixcoのヘリコイド付きマクロアダプターを装着している。中華製で安いこのアダプターはヘリコイドの繰り出し量が多いからメッチャ寄れる。ただしマクロ端へ繰り出すまでヘリコイドを回す量は必然的に増えるが。
ヘリコイド付きマクロアダプターを装着して自宅でマクロ端で試写。すげー寄れるし解像度もエグい。ワクワクしてきた。
いつものように近所の公園で試写。虹ゴーストは簡単に出る。しかも割と美しい。逆光には弱くフレアーが画面全体を覆う。当然コントラストも低下する。
木漏れ日の玉ボケも割ときれい。これで数千円は安い。コスパ高し恐るべき共産国ロシアのオールドレンズ。使えるどころじゃない。ズルい。
グルグルボケも発生。ただし本当のグルグルボケとして存在するのはヘリオス85mm f2だ。個体により重量は1kgを超える化け物レンズで写りも化け物。
個人的にこういうボケの方が好み。遊べる遊べる。皆が勧める理由がわかる。
ちょっとアーティスティックに。
かなりアーティスティックにかつエモく。
7000円でこの写りか。なぜ安いのかというと大量に生産したから。価格が高騰するのは個体数が少ないから。「高い=写りがいい」、「安い=写りが悪い」の方程式は成り立たない。
レンズ本来の性能を超えたマクロ域の描写にも関心する。こなるとやはり元祖であるビオターが欲しくなる。
やはり4群6枚ダブルガウスの写りは好きだ。46ガウスで間違いない。敢えてピント少し外してる。
草の折れ目の水滴にピントを合わせた。解像度に驚く。サイトのスピードを保つ関係でかなり画質を下げてブログに投稿しているが元の画質を見ると驚愕。
恐るべしソ連のコピー力。
Helios44-2 58mm f2 M42の写りの特徴レビュー
- グルグルボケ
- 美しい虹ゴースト
- 美しい玉ボケ
- 放射線状のフレアー
- 中央部やマクロ域での高描写力
- 多彩なバリエーションの後ボケ
- 発色もいい
- 滲み
- ガウスならではの繊細なタッチ
- 個体数が非常に多い為安価だが非常に高性能でコスパ最強
まとめ
作例を見て一目瞭然だがHelios44-2 58mm f2はかなり遊べるオールドレンズだ。ヘリオスは長きに渡り改良を重ね製造されてきた為、44や44-2M、44-3、44-4、44-5など多数のバージョンが存在して光学の変更や硝子硝材の変更、コーティングの見直しなど行われているので写りも個体により違う。
タクマーと同じようにヘリオスだけで沼がある。筆者もスクエアボケが出る改造ヘリオスを所有していて、13枚羽根の初期のヘリオスも入手する予定だ。最後にまとめると、ヘリオス44シリーズの58mm f2は激安だがパフォーマンスが高いおすすめオールドレンズであることは間違いない。
オールドレンズ入門用としても最適だし中上級者も楽しめる奥が深いオールドレンズだ。個体数が多いし安いからつまらないと侮るなかれと実感した。ヘリオスはツァイスイエナのビオター改。
今回は以上。本日も素敵なオールドレンズライフをお過ごしください。