Leitz Hektor 50mm f2.5 review作例 jpeg撮って出し画像20枚 戦前ライカヘクトール5cm
Leitz Hektor 50mm f2.5のreviewとjpeg撮って出し作例画像20枚。戦前ライカのヘクトール5cm f2.5はノスタルジックで昭和レトロなエモい写真が撮れる筆者お気に入りのオールドレンズ。記事の構成は、まず、ヘクトール50/2.5とは、スペック、外観レビュー、作例、写りの特徴、の順にレビューしていく。
Leitz(現Leica)のHektor(ヘクトール)5cm(50mm)f2.5とは
Hektor 50mm f2.5はライカA型用の固定レンズとして1931年に登場した。 その後交換可能なレンズとして供給され1932年に距離計連動になる。 交換可能なレンズの最初の800本はマウントが規格化されていなかった。製造終了する1948年まで約10000本が作られ、そのうち9000本は1931年~1933年に作られた。
当初ニッケル仕上げで後にクロ ーム仕上げに変更されている。 ヘクトール 50mm f2.5は沈胴式でサイズは全長32mm×最大径47mm、重量は140gと超小型軽量で携帯性に優れたデザインで個性的な描写も人気なライカ製オールドレンズで、中古市場には意外と数が出回らない。
無限ロックレバーの位置は、初期モデルはロックレバーが11時の位置にあり1933年以降は19時の位置に変更されている。レバーの形状はドーム形やピン形、平面形など複数のバリエーションがある。
ヘクトール50mm/f2.5の写りの特徴は、画面全体が白く濁り異空間というか時代を飛び越える特殊なフィルターをレンズにかぶせたような描写で、過去にタイムスリップした感覚に陥るような不思議なレンズ。
戦前LeitzのHektor 5cm f2.5は筆者お気に入りのオールドレンズだ。設計はもちろんMax Berek(マックス・べレク)。1930年の最初期はライカA型に固定されたレンズで、翌1931年から交換式が登場した。
筆者が所有している個体はシルバークローム仕上げでシリアルナンバーは94952なので1931年に製造された交換式の初期モデルで、ニッケル仕上げよりも希少らしい。Hektor5cmF2.5は累計10655本製造された。
L型ライカの標準域オールドレンズで人気のエルマーやズマール、ズマリット、ズミクロンなどと比べるとズミタールと並んで注目度が低いヘクトールだが、描写は通好みのいぶし銀でL型標準域レンズなら筆者が一番好きなモデルだ。作例をお楽しみに。
Hektor 5cm f2.5スペック
- 製造年:1930~1948年
- レンズ構成:3群6枚全群貼り合わせトリプレット変形型(Hektor型)
- マウント:ライカL
- 焦点距離:50mm
- 絞り値:最大f2.5~最小f18
- 画角:45°
- 最短撮影距離:1m
- フィルター:A36
- 重量:132g(実測値)
- フード:12530 (FIKUS), 12510 (FISON)
- 鏡胴素材:初期はニッケルで後にシルバークローム仕上げ
- 中古市場価格:約14~32万円(2023年11月時点)
Hektor 5cm f2.5の外観レビュー
撮影機材カメラはSony α7Ⅳ、撮影機材レンズは前玉凹みレンズCanon 35mm f2。当時のHektor 5cm f2.5の販売価格はElmar 5cm f3.5よりも相当高価だったようだ。
クラシカルな沈胴式。戦前当時にしてはF2.5は大口径ハイスピードレンズ。
ノンコートでF2.5という明るさを実現したが、その反作用(恩恵)でヘクトール独特の収差が味わえる。
α7Cはこのようなクラシカルなオールドレンズが似合う。戦前ライカの描写を最新のデジタルミラーレスカメラで味わえるという贅沢。
よくぞ戦火をくぐり抜けて日本まで辿り着いたね、ご苦労様。何人のオーナーが使ってきたのだろう。なぜ手放してしまったのだろう。
前玉に拭き傷と周辺部に僅かに薄くもり?のようなものが見られるがそれ以外は非常にクリーンな光学。
ノンコートが愛おしい。
シリアルナンバー10万番台以下。1931年~1932年に製造されたレンズ。
Hektor 5cm f2.5をα7C作例に装着して撮影 作例画像20枚 jpeg撮って出し
撮影機材:Sonyデジタルミラーレスカメラα7C。クリエイティブスタイルはNT固定。沈胴式ヘクトールは戦前に製造されたノンコート3群6枚で3群とも2枚貼り合わせの変形トリプレット型でとても珍しいレンズ構成のオールドレンズ。
狙っていたレンズだったので即購入。この辺はテレビドラマや映画の撮影現場にも使用されることが多いらしい。わかりみが深い。
時代をみまがう。好きなんだ、こういうタイムトリップしたような写り。
公園の池にて鷺と鴨さんとヘクトール。周辺の結像が甘くざわつく収差がエモい。
もはや言葉は不要。絵画。
公衆トイレがエモかったのでパシャリ。想像を超えたレトロ感を叩き出してくれるこのレンズ。
ハイライトの滲みがいい。Hektorの武器。ヘリアー型レンズはポートレート用として非常に人気があった。
映画のワンシーンのような1コマ。
正月休みにいつもと変わらず公園で遊ぶ子供たち。何気ない日常が一番幸せなんだと再認識させられる。
こうやって晴れた日にお散歩しながらスナップできることも最上級の幸せ。守りたい。今ある全てを。
ふと目に留まったレトロな扉とポストとレンガの塀。壁に対して水平に平面的にカメラを構える。そんな何の工夫もないような構図でも画になってしまう恐ろしい戦前ノンコートオールドレンズ。
初詣のお参りで鳥居が逆光的シチュエーションで親子を被写体に入れてシルエットを狙う。皆が幸せな一年になりますように。
初詣、屋台の綿菓子と少女。昭和?大正?
時代が変わっても人間の本質は変わらない。
神社は町内会で成り立っている。日本の伝統文化なんだよ、神道って。
チョコバナナを売る屋台のおばちゃんに子供がじゃんけんで勝つともう一本おまけ。おばちゃん、わざと負けてあげて子供の喜ぶ顔が見たくて思いついたのかな、この企画。そう考えるだけで微笑ましい。
龍を見ると風水を思い出す。気の流れをよくしてくれる。部屋に置くなら龍は左側、虎は右側。
寒気がするくらいよく写る。何か霊魂とか氣とか目に見えない何かが写っている気がする。
アジアのようだ。日本もアジア。
周辺減光がいい。金属の扉のボコボコやペンキの色、塗装の剥げ、経年劣化、左右の扉のズレ、そんな扉の収差とレンズの収差で昇天。
「じどうはんばいき」ってあぶねぇ。
あぁ、そうか、自分、アジアが大好きなんだ。
作例は以上。Hektor50mmF2.5の自然草花のマクロ域の作例はこちら。
Hektor 5cm f2.5写りの特徴まとめ
ヘクトール50mm/f2.5で実際に撮影して感じた写りの特徴まとめ
- 地味な発色
- 全体的に白とグレーの中間色にくすむ
- アンジェニューのようにやや黄味がかった描写
- 周辺減光
- ハイライトや光源が滲む
- 周辺の結像甘くざわつく収差あり
- 前ボケが独特でざわつきが秀逸
- ノスタルジックで昭和レトロ感満載
まとめ
今回の試写ではマクロ域での撮影がなかったが、Hektor 50mm f2.5はとてつもなくエモい写真が撮れるオールドレンズだと感じた。これといった派手な武器はないし言葉にするのは難しい領域だが、ノスタルジックでレトロな雰囲気が演出できるオールドレンズであることに間違いはない。
一通りオールドレンズの収差を味わい尽くして辿り着いたレンズがヘクトール50mmだった、もしくは、一通りオールドレンズの収差を味わい尽くして、何か物足りないなぁと思い、ふと昔買ったレンズを手にしたらその写りに驚いた、など、そんな巡り合わせのレンズかもしれない。
筆者がそうであったように。とはいっても筆者が所有しているオールドレンズはまだ70本位なので2年以内に100本に到達したい。いや違う。欲しいと思うレンズがかなり定まってきたのであと10本程入手できれば沼欲はだいぶおさまるか。
量より質。あと、今欲しいレンズはある程度高い。最後少し話は逸れたが、記事執筆の為に昔撮影した作例を引っ張り出して改めてその写りに驚いたのは事実である。
今回のレビューは以上。本日も素敵なオールドレンズライフをお過ごしください。