OM G.ZUIKO AUTO-S 55mm f1.2 Review作例 銀枠前期 OLYMPUS銘玉オールドレンズ
OM G.ZUIKO AUTO-S 55mm f1.2 Review作例 銀枠前期 OLYMPUS銘玉オールドレンズ。
OM G.ZUIKO AUTO-S 55mm f1.2 銀枠前期とは
Gズイコー55/1.2は310gと超軽量なオリンパスの銘玉アトムオールドレンズだ。ソフトフォーカス気味の柔らかい描写で7色に変化する独特な虹ゴーストが出ることでも有名だ。
銀枠が前期で黒枠が後期。これで国産f1.2はHexanon、Canon、Nikonに続いて4本目の所有となってしまった。今回はとりあえず作例を掲載して、後に記事を作り込んでいくことにする。
備考:トリウムという放射性物質を含むガラスを使用したレンズをアトムレンズという。常に肌身離さず体に密着させて生活していると何らかの支障があるかもしれないというレベルのものらしいが、1970年代に製造禁止となっている。
OM G.ZUIKO AUTO-S 55mm f1.2 銀枠前期のレンズ外観Review
f1.4と同じく銀枠は前期で黒枠が後期。前期の方が柔らかく後期の方が高描写。この後作例を見て柔らか過ぎると感じたら黒枠の後期を狙うといいかもしれない。
割ときれい。多少チリの混入はあるが、くもりなどはない。購入時は黄変が強烈だと思ったが、照明やホワイトバランスの影響だったようで、わずかに黄変を感じる程度でかなりクリアー。
マウント部のスレも少なく、極上品。当たり掴んだか?
F1.2が25000円。一年位迷っていて、常に中古在庫の確認と値段などを追っていた。状態が悪いと2万円台~状態がいいと4万円前後。
他者のf1.2と比較するとオリンパスは55mmF1.2の参入は後発組ということもあり310gと小型軽量で(オリンパスのコンセプトは小型軽量だが)最短撮影距離0.45mという点も嬉しい。ちなみにヘキサノンの銘玉AR57mmF1.2も最短撮影距離0.45mだ。
前玉の屈曲率の具合がかっこいい。
本当にかなり状態いい。たまにはこういうこともあるよね。玉だけに。
ちなみにアトムレンズで黄変している場合は長期間UV(紫外線)を当て続けるとある程度改善する。が、筆者は経年による変化は自然なまま放っておく。だってそういうものだから。クラシック、ビンテージのよさ。写真が好きというより骨董品の収集みたいになってるかもしれない。
OM G.ZUIKO AUTO-S 55mm f1.2 銀枠前期のスペックReview
- 発売年:1973年(昭和48年)
- マウント:オリンパスOM
- レンズ構成:6群7枚ダブルガウス型
- 絞り羽根枚数:8枚
- 最小絞り値:f16
- 最短撮影距離:0.45m
- 画角:43°
- フィルター径:55mm
- フード:57mmかぶせ
- サイズ:全長47mm × 最大径65mm
- 重量:310g(実測値)
OM G.ZUIKO AUTO-S 55mm f1.2 銀枠前期の作例Review
撮影機材はSonyのフルサイズミラーレスカメラα7CⅡ。発売日に購入。カメラの、レビューしなきゃ。
届いてすぐに自宅の観葉植物サンスベリアを開放f1.2のマクロ端で撮影。最短撮影距離は0.45mからのヘリコイド付きマクロアダプター装着で体感25cm位かな。クリエイティブルックはNT。
とりま公園に向かうわな。マクロ端。周辺減光あり、様々な形の虹ゴーストが慌ただしくランダムに発生。レンズの小ささや軽さでf1.2という無理のある奇跡のスペックで開放で撮影して本来の性能を超えて寄ってこれだけ解像すれば上等。
開放。ハイライト飛びやすい。全然粘らない。このレンズが開放にスペックを求めてはいけない。ソフトフォーカス気味の柔らかい描写を楽しもう。今回クリエイティブルックはSTがメイン。
ハイライトの滲み、コマフレアがエモい。この撮り方ですでにグルグルボケ発生。
風で揺れちゃって。葉っぱにしがみついてるこの虫さん、今何を考えてるんだろう。紅葉。
開放で青空を撮影。レンズの黄変はあまり感じないが発色はアンバー寄り。アンジェニューのようだ。
適当に絞ってf8。アンバー具合が強い。この写りを表現に取り入れるか嫌うかは別れるところ。オールドレンズが好きなら、おいしいと思うはず。オールドレンズの魅力と理解度が低いと嫌うかな。自分はもちろん前者。味わい。
マクロ端で玉ボケ出してみる。一番玉ボケが美しく出る距離とか無視してとにかく寄ってボケを大きくしてみる。ピント面は花の産毛?まで解像。f1.2。
収差で滲んでいるだけで、ピントの芯はしっかりしている。さすがオリンパスのズイコー。
小さい黄色い花。
夏も赤く紅葉した葉があるけど、いよいよ秋到来って感じ。日本の四季は美しい。一年を通じて気温や湿度の変化や四季折々の植物の変化、旬の野菜や果物、穀物、魚、日本伝統の行事、この日は小学校で運動会など、日本に産まれただけでも最上級の幸福なんだろうなぁと思った初秋、晴れた日の土曜日の朝。
OM G.ZUIKO AUTO-S 55mm f1.2 銀枠前期で試写した感想Review
- 思ったより黄変していなく嬉しいような残念のような
- ハイライトはソフトフォーカス気味だが単なるコマ収差でありネットに書かれている感じではない
- 開放マクロでハイライトが滲んでもピント面の解像度は高くしっかりピント面はシャープネスを保っている
- 今回は絞っての撮影が青空しかないが、アンジェニューのようなアンバー寄りの発色をすることがある
- f1.2という大口径だが小型軽量で中古市場も安価でおすすめ
- ちょっといびつなミノルタのような派手な虹ゴーストがバンバン出るので若干うるさいと感じた
- 七色の虹ゴーストを試すの忘れたので近々晴れた日にベランダで試してみる
- 他の55mmクラスの国産f1.2を比較するとレンズの軽さと小ささが抜き出ているが、写りの比較もしたいと思った
まとめ
これでロッコールがあれば国内主要メーカーのf1.2オールドレンズが揃う。オールドレンズのf1.2は数万円で入手可能なので狙うなら今かもしれない。特にニッコールSC55/1.2とオリンパスが2万円台で入手可能なので興味があれば他の国産f1.2の作例もチェックしてみるといい。
特にキャノンFD55/1.2SSCはでかくて重いが写りは抜群で、非球面の同モデルは逸話つきで中古価格100万円を超えている。球面のモデルはまだ4万円台で入手可能なのでチェックしてみるといい。
また、ヘキサノンAR57/1.2の上品な滲みとやや控えめな水彩画のような写りは筆者が所有している国産f1.2の中で一番好きかもしれない。動画でこの4本の写りと外観などの比較をしたいと思った。
今回は以上。本日も素敵なオールドレンズライフをお過ごしください。