Canon Lens FD 35mm F2 Oマーク レビュー作例 希少前玉凹みレンズ キヤノンの広角銘玉神オールドレンズ
Canon Lens FD 35mm F2 レビュー作例 希少前玉凹みレンズ キヤノンの広角銘玉神オールドレンズ。最初期のFD35mm/f2はNew FD35mm/f2の2倍のコストがかけられているラグジュアリーなオールドレンズだ。写りは柔らかく優しくてエモくてボケも特徴的。35mm/f2というスペックの割にでかくて重い。f1.2じゃないかという位の大きさと重さだ。ネットで検索してもい情報が非常に少ないレンズだったので、色々と調べてまとめてみた。では早速本題に入る。
Canon Lens FD 35mm F2 Oマーク前玉凹みレンズの外観
撮影機材はSonyのフルサイズミラーレスカメラα7Ⅳとキヤノン FD 55mm F1.2 S.S.C。開放で撮影。もはやSonyのGMレンズのよう。
FD55/1.2sscは開放の滲みが強烈で思わず開放の写りを確かめながら楽しんでしまった。
次のショットから真面目に絞って物撮りしましたよ。
F5.6かな。被写体のカメラはα7Cなのでレンズがでかく見える。ガラス玉ぎっしりの重量感もある。当時のラグジュアリー最高級FDレンズがここに。
絞った時、ヘリコイド付きアダプター内部の内面反射の影響かフレア発生。見た目が機関車トーマスくらい(?)ごつい。
アダプター付けてα7Cに装着して横から見るとこんな感じ。A7Cが小さいというのもあるがやはりかなりごつい。
F8に絞り撮影。カメラやレンズを撮影するのも結構楽しい。花を撮る感覚に似てるというか。F16の右の「緑のOマーク」が解像力が非常に高いレンズという特別な意味を持っているようです。
Canon Lens FD 35mm F2 Oマーク 前玉凹みレンズとは
Canon FD 35mm f2はキャノンのFDマウント用に作られた広角レンズで、最も希少で最も人気のあるバージョンは、今回取り扱う初期モデルの放射性トリウムガラスを使用した前面に凹面ガラスを使用している。FD35mmF2はNew FDの2倍の費用(コスト)がかけられている。FD35mmがNFDよりも優れたパフォーマンスを発揮するかどうかは不明。逆光に強い為、派手なゴーストは期待できない。
旧型FDは放射線を発するトリウムガラスを使用した通称アトムレンズを使用している為レンズが黄変している個体が多い。この黄変は数週間~数か月間、日光に当てると改善する。この黄変はカラー写真では影響がある可能性があるので、気になる場合はモノクロで撮影すると良い。筆者は黄変がもたらす描写もそのレンズの味だと思うので気にせずカラーで撮影しているが、モノクロも捨てがたい。
Canon Lens FD 35mm F2 Oマークの前玉が凹レンズ(concave lens)伝説の真相
Canon Lens FD 35mm F2の前玉は凹レンズである。写真でも現物でも見るとわかる。1971年に発売された初期モデル、発売時期不明の中期モデル、1973年発売の後期モデル、1973年発売のFD35mm F2 S.S.C. まで前群凹レンズであるらしい。その後1976年に発売された後期のS.S.C.から前群は凸レンズに変更されたのでモデル名は同一でも中身の光学設計は別物である。その後誕生したNew FD 35mm F2 の前玉も凸レンズである。
concave lens(凹みレンズ)とは
「concave lens(コンケーブ)」とは凹レンズのことを意味する。ケーブは和製英語でカーブが通称。Canonの旧型FD35mm F2の初期モデルは前群が凹レンズ系、後群が凸レンズ系で構成された逆望遠型の広角レンズ構成である。この前群凹系のレンズは、レンズがマクロ(接写)側に繰り出されるに従い非点収差が増加する。この収差変動を抑える為にフォーカス群とは別に光学系の一部を独立移動させる機構(フローティング機構)を採用している。フローティング機構とは、レンズ構成の部分が浮き子の様に移動する事から命名されたシステムのこと。
Canon Lens FD 35mm F2 前玉凹みレンズとS.S.C.の系譜
前玉凹レンズ Canon FD 35mm F2とS.S.C.の系譜を記述する。
- FD 35mm F2 (I):1971年(昭和46年)3月発売 / レンズ構成:8群9枚 / 最小絞り値:F16 / 最大径x長さ:64 x 60mm
- FD 35mm F2 (II):発売年月不明 / レンズ構成:8群9枚 / 最小絞り値:F16 / 最大径x長さ:67 x 60mm
- FD 35mm F2 (III):1973年(昭和48年)1月発売 / レンズ構成:8群9枚 / 最小絞り値:F16 / 最大径x長さ:67 x 60mm
- FD 35mm F2 S.S.C. (I):1973年(昭和48年)3月発売 / レンズ構成:8群9枚 / 最小絞り値:F16 / 最大径x長さ:64 x 60mm
- FD 35mm F2 S.S.C. (II):1976年(昭和51年)4月発売 / レンズ構成:8群9枚 / 最小絞り値:F22 / 最大径x長さ:65.3 x 60mm
最後のFD35mmF2S.S.C.から前玉凸レンズに変更され、その後発売されたNewFDも当然凸レンズである。
Canon Lens FD 35mm F2 Oマーク前玉凹みレンズのスペック
- 発売年月:1971年(昭和46年)3月
- 発売時価格:32,000円
- レンズ構成:8群9枚ダブルガウス型
- 絞り羽根枚数:8枚
- 最小絞り値 F16
- 最短撮影距離:0.3m
- 最大撮影倍率:0.194倍
- フィルター径:55mm
- 最大径 x 長さ:64mm x 60mm
- 重量:502g(実測値)
参考元:CANON CAMERA MUSEUM , Quora , きゃめらとおれんじ , 5050TRAVELOG , The Weekend Lens
Canon Lens FD 35mm F2 Oマーク前玉凹みレンズを購入した経緯
前玉が凹レンズのオールドレンズ「キャノン FD 35mm F2」を購入した経緯は、開放で滲みが非常に強いFD 55mmF1.2 S.S.C.の写りがとても気に入ったので同じFDマウントの35mmに興味を持ったことがきっかけ。35mm/f2 SSCは10万円近い価格だったし、調べてみるとsscなしFD35/2は前玉凹みだし情報も少なくミステリアスに感じた。
またそもそもオールドレンズの多くは50mm帯の標準域が多く、筆者が所有しているオールドレンズもほとんどが標準域のレンズで35mmという焦点距離のオールドレンズが少なく、光学の状態もよさそうだったので購入に至った。
ではお待ちかね作例。作例の後半は超絶メルヘンで超絶エモい写真が撮れた。
Canon Lens FD 35mm F2 Oマーク前玉凹みレンズの作例
撮影機材カメラはSony α7Ⅳ。いつもの通りレンズの素性を確認する為、基本jpeg撮って出し。
アトムレンズっぽい古めかしい色褪せた発色。玉ボケビュンビュン出そうな雰囲気。
薔薇。ただ、生きる。植物に見習うべきことは多い。ただ、生きる。何も言わず。地球と一体化する。植物は神。玉ボケ乱立。
どんな顔してるかな~と少し寄る。35mm F2でこのボケ感ですよ。いい味出てる。
この発色はα7ⅣのクリエイティブルックSHで撮影してるはず。ね、撮って出しで充分でしょ。いいのよα7Ⅳって。ダイナミックレンジも広いしクリエイティブルックもイケてる。レンズのボケ感もいい。FD35/2は情報が少ないし注目度も低いようだが実に楽しいレンズだ。購入した個体は光学の状態もよかった。
あぁ、これもSH…NTで撮れよ…自分…。SHはふんわりソフトに撮れるので楽なのよね。ソフトフォーカス気味の略称でSHかな?
工夫のなさそうな撮り方だけどね。あじさいを見ながら、あじさいって花一輪が家族みたいにたくさん集まって1つになって咲いてるんだなぁ、人類も同じ人類同士戦わないで協力し合えばいいのになぁとか思った。私は幼少期からそんな思想で人類は愚かな最下位の生物だと認識していた。地球や自然、動物、同じ人類までも破壊と殺略を繰り返している不思議な生物、それが人間。自分も人間。
ここまでが日中に公園で撮影した写真。以下は別日の早朝に撮影した画像。
早朝。空気感や目に見えない気のようなものも写るよね、カメラって。不思議。湿度や葉音、振動、風まで写っている気がする。
死にたいと思うことはある。この日、精神状態は絶望だった。自分の気持ちも写るのか?不思議な写真だ。
さっきまでと圧倒的に写りが違う。同じくjpeg撮って出しだが。かなり暗い早朝で朝焼けという光源の影響もあるのか?
木がセクシー。
誰もいない公園。子供たちが元気に楽しく遊んでいた遊具が寂しそう。
危険個所が見つかった為修理完了するまでの間子供たちが遊ばないように巻き付けてあるブランコ。なんか怖いよね。ブランコが「痛い、苦しい。」って言ってる。子供たちもこの光景を見たらびっくりすると思う。他に何かやりようがないものか。事件かよ。って感じ。
早朝の烏と電線と青空。何この雰囲気。周辺減光もよき。樽型歪曲は…アラを探すように探らなければ気にならないレベル。
1人でウロウロする鴨さん。昨晩はよく寝れたかな?
あじさいも色の違う様々な品種があって面白い。
F5.6とか。かわいいメルヘンチックなエモいあじさいにメルヘンチックなエモいかたつむりがメルヘンチックにエモく歩いてた。よ。
開放で寄ってさらにメルヘンにエモく料理してみた。その目玉(?)どうなってるんですか?伸びすぎじゃないですか?かわいいですね、ナンパしていいですか?みたいな。
同じ日に撮影した写真だが、改めてlightroomで作例を振り返っていたら、ボツにした写真がいいと思った。感性って変わっていくんだな。これなんて死ぬほどアーティスティック。別に死なないけど。てかフィルムっぽい。
これもやばい(語彙力)。周辺減光もいい味。
朝焼けいいな。いい。
遊具が泣いてる。
作例は以上。でかくて重いがいいレンズだ。SonyのGMやなコレ。
Canon Lens FD 35mm F2 Oマーク前玉凹みレンズで実写した感想レビュー
- 玉ボケ
- 滲みパープルフリンジ
- 本来のレンズの性能を超えたマクロ端でド派手な滲みととろけるボケ
- 光源に被写体が溶けて消えることがある(チノンマクロMCM55/1.7やFocaのOpralexのよう)
- 中間距離~無限遠はしっかり手堅い描写
- 周辺減光
- 玉ボケ発生しやすい
- 撮影環境によりエモさ爆発の写真連発
- トリウムガラスの影響で黄色がかった描写になることがある
- ゴーストやフレアーも発生
- とにかく重い
まとめ
ヘリコイドアダプターを装着してマクロ端で花を撮影したら異常にメルヘンチックでエモい画が撮れた。しかしレンズが重い。いつものごとくまだ2回しか持ち出していないのでまた連れ出して一緒にお散歩したい。
また、撮影環境下によりまるで違う写りで驚いた。確かに夜明け前後の早朝という環境と、日中の晴天下で太陽光が降り注ぐ環境の違いは大きい。しかし、あまりにも違う。ここからは仮説だが、古いレンズは感情も写し撮るのかもしれない。
なぜなら、撮影したデータは波動や周波数、気も電気信号として伝わる可能性があるかもしれないからだ。人によってオーラは違うので全員同じレンズで同じ環境下で同じ撮り方で撮影したら全く同じに写るかといったらそうではないかもしれない。
これ以上掘り下げると全く別の記事になってしまうので、この話はまたにする。では話を戻して締めます。キャノンの前玉凹みオールドレンズFD35mm/f2は少し重いが写りはオールドレンズテイスト満載ラグジュアリー。
New FDの2倍のコストがかけられているのでレンズの重さはいいガラス玉をふんだんに使っているという贅沢さを感じメルヘンチックな写りの特別感を楽しもう。また、もちろん軽くて小さい広角オールドレンズも魅力だ。
今回は以上。本日も素敵なオールドレンズライフをお過ごしください。