Cine Xenon 50mm f2 review作例 Arriflexマウント シュナイダーのオールドシネレンズ
Schneider Kreuznach Cine Xenon 50mm f2 review作例 Arriflexマウント シュナイダーのオールドシネレンズ。シュナイダーは他にもRetina用クセノン 50mm f1.9 M42DKLマウントのレビューもしている。
Cine Xenon 50mm f2 Arriflex レンズ外観
年期入ってる。映画撮影用機材、プロ仕様だからね。
ヘリコイドのトップがウサギの耳みたいでかわいい。絞りとヘリコイドの操作ミスを防ぐ為と一目で大体の距離がわかるようにかな。
外観の百戦錬磨感の割に光学はかなりクリアーで抜けてる。プロ用機材なので管理と光学のメンテナンスはしっかりしてたんだろうな。
マウントアダプター装着したまなんだけどね。鏡胴とアダプターの間に少し隙間があったから簡易的にクッションを詰めて隙間を埋めたから取り外したくないだけ。
ライカMマウントに変換してる。
正しくはアリフレックススタンダードマウント。
年期入ってるでしょ。
正真正銘のMade in Germany.
渋い。イケてる。
Cine Xenon 50mm f2の作例 シュナイダーのシネレンズ
撮影機材カメラはSony α7Ⅳ、jpeg撮って出し。
紅葉シーズンなので街のあちこちで色彩が豊かで感性を刺激する。逆光撮影でシャワーゴースト。葉の先にピントを合わせた。ピント面はシャープ。筆者はマクロ域の撮影スタイルが好みなので、いつも通り焦点工房のヘリコイド付きマクロアダプターを装着して撮影しているが、シネクセノンはシネマ用レンズなのでマクロ域に特化したレンズではない。
しかしどうだ?中々の切れ味を見せる。さすがシュナイダー。ちなみに、とろける美ボケで有名な銘玉オールドレンズ、KernのAlpa Macro Switarも、ケルンがシネマ用レンズを作っていて、初のスチル用でマクロに特化させたレンズがマクロスイターだったことを思い出した。
葉の葉脈にピントを合わせた。透けた葉脈が生命の力強さを感じる。シャワーゴーストはシネクセノン50/2の特徴の1つ。
お気に入りの1枚。普通にオールドシネマ。そりゃそうだ。オールドシネレンズだから。背景の怪しいボケがたまらない。シャドウがストンと落ちてシルエットと化している。加工でシャドウを持ち上げたり落としたりしていない。周辺減光もいい味。
落ち葉。玉ボケはいびつ。周辺はレモン型。
マクロ。ヘリコイド付きマクロアダプター装着してこれが限界。0.5m位まで寄れているか。
秋の枯れゆく植物が盛者必衰の理を表す。しかし、植物は姿を変えながら地球環境に適応して生きている。
しつこくマクロ域。筆者の場合、目に映るものほとんどが被写体なのでスナップ撮影していると全く前に進めなくて全然目的地に到着しないのが目下の悩み。
早朝の朝日が降り注ぎ道路の「止まれ」のペイントがエモくて地面を撮る人。周囲から見たらなぜ地面を撮っているのか、何か特別なものがあるのかと不思議に思うだろう。筆者は特別で珍しい被写体を撮影する欲求はなく、目の前の何でもない被写体が特別なのだ。理由はわからないが、そうなんだ。目の前の光景が奇跡なんだ。全部特別なんだ。日常という特別。
線路の踏切が美しくて感動した。電線と青空のコントラストが美しいと思った。だからシャッターを切る。本当に何も考えていない。空の深いブルーと周辺減光がエモい。
確かに今ここに生きている。その証。自分が見たもの、感じたことを残していきたい。
向こうに見える山が美しいと思う気持ち。ただそれだけでその想いでシャッターを切る。諧調は平凡だが空のグラデーションが美しい。トーンで勝負できるオールドシネレンズは好きだ。
小さな公園のただの葉っぱ。
歩道を歩く親子。早朝からどこへ行くのだろう。
さびれて使わなくなった元理髪店であろう看板。クルクル回るアレだろうか。
カラスさんがビルに着地する時に少し滑ってかわいかった。秋のいちょうの木とビルとカラスと青空と僕と。細胞レベルまで分解すれば皆一緒。皆特別で皆尊い命。
やっぱいいな。シネレンズ。昔のシネマの世界を撮ってきたオールドレンズを現代のカメラに装着してスチールで表現する。なんという贅沢。フィルムっぽいがデジタル、ミラーレスカメラ。
なぜマンション(アパート)の外壁のレンガの色と同系色の看板にして、なぜシャッターの色を目立つ黄色にしたのか不明なラーメン専門店。おいしいかな。
さすがシュナイダーというか、シネレンズで寄ってもボケがとろとろ。
逆光下で透けた花びらがセクシー。
ピンクの薔薇の花びらの全体的な輪郭を表現したかったので、確か3段程絞ってf5.6だと思う。
千ヶ瀬神社。
学校と神社が併設。
歴史を紡いできた鳥居がなんとも美しい。
山の紅葉が美しい。ハイライト飛び気味でシャドウ落ち気味。最小限どちらもいじっている。
こちらが撮って出し。
鹿島玉川神社
被写体は神社仏閣や木々と草花の比率がかなり高い。
また神社。目的地として目指すのは川が流れる大きな公園。
だが、ゆく先々に神社仏閣が立ちはばかる、そしていざなわれる。
太古の地球を見てみたい。
ハイライトの滲み。葉に降り注ぐ太陽光が美しい。
こちらも。太陽光で透ける葉が美しい。
玉ボケで勝負できるレンズではない。
戦没者の弔いの墓。手を合わせて目を瞑り南無妙法蓮華経を唱える。国と企業のの利益の為に死んでいった若者たち。二度と戦争は繰り返してはいけない。人間同士手を取り合って協力して暮らしていこう。
やはり草花は落ち着く。色合いがニュートラルなので目に優しい発色で扱いやすい。シネマ用レンズなので長時間見ていても疲れないような色合いに設計して開発されたのだろう。
敢えてシャドウが潰れやすい環境下の撮影好きかも。
逆光下。葉の隙間から覗く太陽光。周辺グルグルボケの兆候あり。
弱いグルグルボケ。
草花よき。やはり色合いがニュートラル。
やはりシネクセノンはマクロ側もよき。
木の幹に絡まり立ち上る蔦。古代感がある。静かに周辺が甘い感じの描写がいい雰囲気。オールドレンズの醍醐味。
古代感。そして発色が淡い。突出した個性はないが優しい雰囲気が出るレンズだ。
古代感があるぞこの神社の裏側の日が当たらない地域の草花は。独自の進化を遂げたのか?
なんかすごいぞ。そしてこのニュートラル感。手前のボケのざわつきと奥のシャドウの暗がり。シャドウを持ち上げてもいいのだが、中々見えない妙味も好き。
手書きがかわいい生うどん屋さんの看板。看板の再利用感がエモい。生うどんって何?どういう意味?茹でる前のうどんってことよね?うん、まぁ、茹でたうどん売られても…。要は今朝打ち立てみたいな新鮮感のアピールよね。
一見普通の民家。エモい。うどんの草庵。
右端の「二人前生うどん販売中350円」は猫だろう。
手書きいい。
柿。
時折この画像のような怪しい雰囲気のボケが出る。シネマ(映画)のワンシーンのようだ。そりゃシネレンズだからね。
みかん。ムービーもいいが、一瞬を切り抜くスチルもいい。
周辺減光の漆黒に近い青と青空の濃く深いディープブルーと無限遠の向こう側に抜けていく水色のトーンの連なりがいい。よき。好き。
ようやく目的地に到着。疲れた。河原で裸足になり秋の冷たい川に足を入れて地球を感じた。紅葉と誰もいないベンチが美しかった。
あの時確かに君はここにいた。
あの時君は何を想っていたのだろう。
何を想い帰路についたのだろう。
家に帰り何を想い何をして何を想い眠りについたのだろう。また君が心の底から笑える日がきますように。いつも君のことを想っているよ。
大丈夫。きっと大丈夫。笑ってごらん。ほら、素敵な笑顔だ。
写りの特徴まとめ
- 開放からピント面はシャープ
- 開放で周辺の結像が甘くノスタルジックでレトロな雰囲気
- F4やF5まで絞るとキレキレシャープネス
- 丁度いい周辺減光がいい味
- 諧調はそこそこだが青空の深い青のトーンの連なりがレトロでシネマチックでエモい
- 玉ボケの輪郭はいびつで周囲はレモン型で像が流れる
- 弱いグルグルボケの傾向あり
- 美しいシャワーゴースト
- シャドウがストンと落ちて印象的な印象になる
- シネレンズだがマクロヘリコイドアダプター装着して本来の性能を超えたマクロ域の写りもよかった
- フィルムライクな描写
- ダブルガウスならではの線が細く繊細な描写
- 色合いがニュートラルに近く扱いやすい
今回のレビューは以上。同じくシュナイダーのトロニエ博士が設計した銘玉Xenon 50mm f1.9のレビューはこちら。本日も素敵なオールドレンズライフをお過ごしください。