Canon 35mm f1.8 LTM Review作例 キヤノンのライカLマウントおすすめ広角神オールドレンズ銘玉
Canon 35mm f1.8 LTM Review作例 キヤノンのライカLマウントおすすめ広角神オールドレンズ銘玉。レンズ構成はLeitz Summilux 35mm f1.4 球面ズミルックスに酷似している。ズミルックスは高価なので似たレンズ構成のレンズを探していたところ本レンズに出会った。海外の評価は非常に高く「LTMでこれ以上の35mmレンズはない」との意見も複数聞かれた。
Canon 35mm f1.8 LTM オールドレンズ外観Review
いつも探し回っていたこともあるが運よく状態がいい個体を入手できた。
本当に小ぶりで軽量で35mm f1.8というスペックは神。
ライカL39スクリューマウント。
よ~く見ると前玉に拭き傷のようなものがある。その他全体的にかなりいい状態。
開放の滲みが球面ズミルックスのようだからお楽しみに。
f5.6で縛り羽根が金平糖みたいな形状になるので星形というか金平糖ボケが出る。
絞り羽根も綺麗。
グルっと1周するよ。
ピントリングの操作性もいい。無限ロックもカチッとハマる。
ヘリコイド付きマクロアダプター装着すれば20cm位まで寄れる。
小型軽量よき。
Canon Lens 35mm f1.8 LTMオールドレンズのスペック
- 発売年月:1957年(昭和32年)5月
- レンズ構成:4群7枚ダブルガウス型 (Summilux 35mm f1.4 1st(球面)に似てる)
- 絞り羽根枚数:10枚
- 最小絞り値:f22
- 最短撮影距離:1m
- フィルター径:40mm
- 最大径 x 長さ:48mm x 28.2mm
- 重量:実測126g
Canon Lens 35mm f1.8 LTMというオールドレンズについてReview
開放でエモい描写、絞ればシャープネス。オールドレンズらしい2面性を持ったキヤノンの銘玉広角オールドレンズ。
Canon 35mm f1.8 L39(LTM=Leica thread mounting)はキャノンの隠れた銘玉。1956年4月キヤノンはキヤノンVTの重要な発売に合わせて複数のレンズを発表した。1956年4月に発売されたCanon 50mm f1.8、1956年9月に発売されたCanon 50mm f1.2も同様。
35mm F1.8は当時実装されていた新しい構造のものだった。サテンクロム仕上げの軽量合金ボディと黒色の絞りリングを備え、当時のCanonで最も魅力的なレンズの1つだった。4群7枚のレンズ構成でフィルター径は40mm。
1956年に発売されたCanon Lens 35mmは、新しいキヤノンVTの発売に適した選択肢だった。このカメラは付属品のファインダーを必要とせず、50mmと35mmのファインダー位置を選択できる明るいファインダーが搭載されていた。
その後6年間で35mmF1.8は他の3つのCanon lens 35mmやCanon lens 28mm、25mmなどの広角レンズと競合しながら、14,796本を販売した。
参考文献:http://www.canonrangefinder.org/Canon_VT_L2.htm
Canon Lens 35mm f1.8 LTMのレンズ構成はライカ球面ズミルックスに似てる
Canon 35mm f1.8 LTMがLeicaの滲む銘玉Summilux 35mm f1.4 1stのレンズ構成と似ている。この件について語っている人は1人もいないが、ロマンがあるではないか。ちなみに海外ではCanon 50mm f1.4LTMはJapanese Summiluxと呼ばれている。
まぁ戦後当時の日本メーカーはこぞってライカに追いつけ追い越せでライカのカメラやレンズを分解して真似していたので全然不思議ではない。と思いきや球面ズミルックスの発売年は1961年で本レンズの4年後なので真似したとしたらライカがキャノンを真似したことになる。Canonはf1.5もあるので発売時期とレンズ構成が気になるところ。
厳密に言うと、この後紹介する球面ズミルックスのレンズ構成と比較するとCanon35mmf1.8は空気レンズを採用していない。
画像転用元:canonrangefinder.org
Leica Summilux 35mm f1.4(球面レンズのみ使用した1stと2nd)のレンズ構成Review
ご覧の通り球面ズミルックスは後群の3群目に空気レンズを採用しているが、明らかにキャノンはライカの球面ズミルックスを意識して設計したと見える。
参考元:ライカレンズの全て不朽の名玉203
ちなみに、Serenar 35mm f3.5はElmar 35mm f3.5の忠実なコピーで、Serenar 35mm f3.2はレンズ構成を見るとSummaron 35mm f3.5のコピー。
なるほど国産ノンライツのレンズが好きで集める人は中身がライカコピーと知ってのことか。ニコンもペトリもコニカも東京光学もその他メーカーもそうだよな、知らないだけでライカのコピーレンズの山だろう。一覧にしても面白そうだ。
Canon Lens 35mm f1.8 LTMオールドレンズの作例Review
撮影機材カメラはSonyのフルサイズミラーレスカメラα7Ⅳ、クリエイティブルックはNT、今回は開放オンリー。
ヘリコイド付きマクロアダプターを装着して最短撮影距離を確認。デフォルトは3.5feet(約106cm)だが、マクロアダプターのヘリコイドを繰り出すと20cm位まで寄れる。焦点工房様様。ボケはかなり特徴がある。グルグルしかけてるが四隅は外に流れる。2線ボケの傾向もある。35mmと準広角の割に特に寄った時は被写界深度浅め。イメージサークルに余裕がある気がする。
本来の性能を超えて1m→20cmに寄ってもかっこいい画が撮れる。そこそこ解像してる。たんぽぽの綿毛=dandelion fluff。ダンデライオン フラーフ。英語にするとかっこいい。
モノクロもまぁまぁ。いきなり黒が潰れたりしないし、ハイライトの諧調も調和が取れている。
結構お気に入りの1枚。やはり開放だと四隅がかなり甘い。広角で引いて撮るなら1、2段絞った方がいいかも。
木が好きなんだよね。そしてソッコー蚊に刺された。かなり急いで試写して退散したのだが。
森林浴。
マドモアゼルが日傘をさして。
枯れかけのあじさいがいい味出してた。
遅咲きのあじさい。あじさいは品種により色も形も様々で見ていて楽しい。梅雨は空けたが来る日も雨で湿気も高い中、唯一心を麗してくれる素敵で貴重な存在。
よく見る鳥さん。親鳥?と目が合って親鳥はすぐに数m飛んで「ぴ~ぃ!ぴ~ぃ!」と人間が近くにいるから注意しろと小鳥に呼び掛けるが20秒間くらいず~っと私と目が合っていた。
まだ飛べないのかな?とか思って写真の次は動画を撮っていて撮り終えた瞬間普通に飛んだ。「飛べるんかい!じゃあ今の数十秒間なんだったんや!」
開放。ハイライトは球面ズミルックスのように滲む。
3段絞ってf4かf5.6。滲みは改善されかなりシャープネス。時代柄もあり全体的にガチガチしていない。
やはりモノクロで諧調の豊富さが映える。情緒。
f5.6~f8に絞ってスナップも楽しい。暗がりでシャッタースピードが必要な時は開放にすればいい。まぁオールドレンズは開放の収差こそ最大の魅力だが。
オールドレンズの優しく柔らかいい描写。
球面ズミルックスの代わり全然よき。
まとめ
球面ズミルックスと是非撮り比べがしたいかな。発売当時のSummilux 35mm f1.4を初めて使ったユーザーの評価は「壊れてる」「失敗作」「全然写らない」などクズレンズ扱いで評判は散々たるものだったが、時代が移り変わり収差も表現の一種でアートへ昇華して球面ズミルックスの評価は急上昇。
まぁ当時から美しい滲みの収差や虹ゴーストを崇める熱心な信者はいたが。一般論としてね。本レンズも同じくオールドレンズらしい収差を味わうことができる貴重な選択肢の一つになるだろう。さらにコスパと小型軽量は最大の魅力だ。
開放でエモい描写、絞ればシャープネス。オールドレンズらしい2面性を持ったキヤノンの銘玉広角オールドレンズでした。
今回は以上。本日も素敵なオールドレンズライフをお過ごしください。