TAMRON SP 90mm F2.5 Macro 52BB レビュー作例 2代目タムキューポートレートマクロオールドレンズ
TAMRON SP 90mm F2.5 Macro 52BB レビュー作例 2代目タムキューポートレートマクロオールドレンズ。タムキュー伝説の始まり初代52Bと2代目52BBのスペックや写りの特徴の違いを比較レビューして、その後52BBのスペックと作例や写りの特徴を紹介する。
TAMRON SP 90mm F2.5 Macro 2代目タムキュー52BBとは
52BBは定評が高い光学性能を持つロングセラーレンズ52Bの性能と操作性を向上させ、外観デザインを一新したタムロンのハーフマクロ中望遠レンズ。52BBはO.A.C光学設計により高コントラストの鮮鋭な画質が特長。別売りの90mm専用マクロエクステンダーを使用すれば最大1:1の等倍マクロ撮影が可能。
レンズ構成は6群8枚でその内分けは4群6枚ダブルガウス型の後群の5群に1枚と6群に1枚の計2枚追加してマクロ撮影性能を強化している。後群の5群と6群は鏡胴に固定されていて、前群の4群6枚ダブルガウス型の部分だけヘリコイド式で前後する仕組み。これは52Bと52BB共に共通する設計思想である。
TAMRON タムキュー初代52Bと二代目52BBのスペックと写りの特徴違いReview
TAMRONタムキュー初代52Bと52BBのスペックの違い。
52Bと52BBの相違点 | 52B | 52BB |
設計思想 | マクロも撮れるポートレートレンズ | よりマクロに特化したポートレートレンズ |
解像度 | 解像度は52BBより低くふんわりとした描写 | 解像度は52Bより高くよりくっきりした描写 |
レンズ鏡胴素材 | 金属製 | プラスチック製 |
ヘリコイド | 2段ヘリコイド | 一般的な1段ヘリコイド |
フィルター径 | 49mm | 55mm |
絞り羽根枚数 | 8枚 | 9枚 |
コーティング | 52BBよりコーティングの質は低い | 52Bよりコーティングが進化 |
フード | ねじ込み式 | バヨネット式 |
重量 | 420g | 456g |
備考として、開放F値はそのままでレンズ構成もほぼ変わらず、レンズ鏡胴は軽量化の為金属製からプラスチック製に変更されているが、レンズの重量は36g重くなっているのでレンズの硝子素材が変更されているかもしれない。この点については未確認であくまで推測の範疇。
TAMRON SP 90mm F2.5 Macro 2代目タムキュー52BBのスペックReview
- レンズモデル名:52BB
- 製造メーカー:TAMRON(タムロン)
- 発売時期:1988年~1996年
- マウント:アダプトール2
- 焦点距離:90mm
- 絞り値:開放f2.5~最小f32
- レンズ構成:6群8枚(4群6枚ダブルガウス型の後群に5群1枚と6群1枚追加)
- 最短撮影距離:0.39m
- 最大撮影倍率:1:2(ハーフマクロ)
- フィルター径:55mm
- フード:98FH
- 重量:456g
- 最大径×全長:66.5mm x 77.5mm
- 発売当時小売り価格:53000円
参考文献:TAMRON公式ホームページ
TAMRON SP 90mm F2.5 Macro 2代目タムキュー52BBの作例 jpeg撮って出し
TAMRON SP90mmF2.5Macro52BBの作例。レンズの素性を探る為に基本jpeg撮って出し。撮影機材はSonyのフルサイズミラーレスカメラα7C。
5月下旬で新緑が美しい雨上がりの午前中。オールドレンズといっても34年前に販売開始されて26年前まで製造されていたのでギリギリオールドレンズの部類に入るかという世代のレンズなので写りは現代的。
写り過ぎてつまらないかもしれない。
周辺減光は多少ある。
池の透明感。
ハーフマクロなので手持ちで気軽にマクロ撮影が楽しめる。
作品つくりをするなら三脚を使用した方が無難だがスナップマクロでSNS投稿やブログレビューやYouTubeで作例をアップする程度なら手持ちで充分。
90mmでハーフマクロという性能を持つレンズにしては大きさも重量も控えめなので野山を駆け回るカメラマンにも重宝されてきた伝説のレンズがタムキューなのだ。
今でも古いタムキューを愛用するプロカメラマンもいると聞く。
確かにボケは若干硬いかもしれない。
筆者はクセ玉を愛用し過ぎて感覚がおかしくなっているのかもしれない。
被写体と少し距離を取って前ボケを入れてみる。
寄る。やはり優等生すぎてボケがおとなしいと感じる。ピント面はさすがにキレキレシャープ。
逆光下も割と強い。シャドウもよく持ち堪えている。
薔薇が日本舞踊でも舞って踊っているかのように感じた。そう、草木も生きているし感情もある。
お稲荷さん。動物を神として崇めるのは神道だけ。神様がたくさんいる多神教は世界でも珍しい。
マクロの本質。ちなみに筆者はストロボなどの機材や環境をいじったりなど一切しないので自然環境下で手持ちの撮影。
もっと古くて90mmのマクロレンズは52Bしかないのだ。選ぶ選択肢がない。50mm~65mm付近ならあるのだが。
やはり周辺減光あり。ピンクの薔薇と後ろの青のトタンの色のコントラストに目を惹かれた。
てんとう虫さんがいた。こんにちはかわいいね。
いちいち庭の美意識が高い。楽園か。
楽しいお散歩スナップとレンズティスティングでした。ごちそうさまでした。
初代タムキュー TAMRON SP 90mm f2.5 Macro 52Bの作例はこちら
TAMRON SP 90mm F2.5 Macro 2代目タムキュー52BBの写りの特徴と52Bの写りの違い
52BBは逆光にも強くオールドレンズとは言い難い高描写。ハーフではあるがマクロ撮影に特化した90mm中望遠レンズで中間距離のポートレートも強い。52Bは逆光に弱く画面全体に淡いフレアーが出現しやすい。
寄っても離れても全体的にふんわり柔らかい描写でポートレートマクロというジャンルを開拓したという意味が理解できる。女性ポートレートで柔らかい表現をしつつ寄ってもハーフマクロレンズとしても使用できる。1本で二度おいしい。
52BBは52Bより逆光態勢が強いのでゴーストを取り入れた作風に使用はできないが、逆光下でゴーストやフレアーを出そうとするとやはりゴーストやフレアーは若干出現しコントラストは明らかに低下するので気になる場合はフードを着用するといい。
52BBは52Bと比較するとコントラストはやや高めでふんわりとした印象はない高描写で現代的な写り。やはりポートレートで女性をふんわり写す目的では52BBで、ポートレートやマクロ共にしっかりとした描写を楽しみたいなら52BB。
現代のレンズよりも52BBの方がやや発色は穏やかで若干ふんわり感も残っていると感じた。しかし、作例によっては272Eと区別がつくかと言われたら自信はない。
52BBより52Bの方が画面全体にフレアーが出現しやすい。52Bが52BBより解像度が低いという実感は少ないが、52Bは画面全体のフレアーやふんわり感があり、52BBはそこを改善して解像度もアップさせた事実もある。
よって、52BBのふんわり柔らかい雰囲気がある描写を評価していたカメラマンたちが「52BBは52Bより退化した」と酷評するのはちょっといただけない。これは描写の好みや価値観、写真哲学や思想の問題。
52Bがよければ52Bを使って52BBがよければ52BBを使えばいいだけの話し。新たな付加価値つけないと、新旧で似過ぎていたら「じゃあなぜ新バージョン発売した?」となるよ絶対に。
まとめ
初代52Bはマクロが弱いかというとそうではなく、二代目52BBがよりマクロに特化してフレアーを抑え込んだり解像度やコントラストが僅かに高くなっている為、マクロ側の表現力がアップしているという認識。
ただ、ふんわり感を活かしたいなら52Bに軍配が上がる。どちらもタムキューの名にふさわしい銘玉。何度も繰り返しになるが、ふんわり感を求めるなら初代タムキューの52Bで、マクロでもくっきり高描写を描写を楽しみたいなら2代目タムキューの52BB。
どちらのレンズもマクロ側も中距離のポートレートも両方楽しめるが、ふんわり感とカッチリ感の違いがある。最後に一言で両者の写りの違いをまとめると「52Bはふんわり柔らかい描写で、52BBはしっかり写る高描写」。
しかし、当然ながら52BBも現行と比べると柔らかくて優しい描写だ。というかタムロンSPの描き方は総じてトゲがなくて優しい描写で安心感がある。
今回は以上。本日も素敵なオールドレンズライフをお過ごしください。